薬剤師の退職手続きに必要なもの

退職届と退職願はそれぞれ違ったものです。

退職届

薬剤師が転職をするには、まず退職手続きをしなくてはいけません。それに必要不可欠になるのが退職届や退職願。その中の退職届について説明します。

そもそも退職届というのはどのようなものか。退職届は「11月末で退職します」という意思表示をする正式な書類。いついつまでに自分は辞めるのでよろしくお願いしますねという書類が退職届になります。退職願よりもより強い意志をもった力の強い書類というイメージですね。

退職届には「これを使わなくてはいけない」という用紙がありません。様式も定められたものは無い。紙も書式もすべて自由だということです。一応インターネットには退職届のテンプレートのようなものも存在します。

それを使わなくても退職届としては通用しますし、自分で好きな書式を作っても良いです。

でも、退職に対する強固な意志を表示するという意味では、ちゃんとした書式で届け出るのが良いでしょう。テンプレートを使うなり、自分で作るなり。丁寧な書類を作成して提出したほうが、意志は伝わりやすいというものです。

退職願

退職届とよく混合してしまいがちな退職願。「11月末までに退職したいです」というお願いをする書類なのが退職願です。退職届が半ば強行的に「退職するぞ」と言っているものであるのに対し、退職願は「退職させてもらえませんかね?」という交渉をすると言っているもの。

どちらを出すのでも良いのですが、退職願を出すほうが良いでしょう。退職願は交渉をしたいという形式の書類ですから、そこから上司との話し合いが始まります。どうして退職したいのかなどを告げ、一緒にお互いの妥協点を探りあうわけです。

話し合いで退職が決まるので、円満に退職できます。それでも駄目だった場合、退職届けを出すようにしましょう。

退職願も書式・紙は自由です。便箋に黒いボールペンで十分でしょう。

退職時に渡されるもの

  • 薬剤師免許証(職場に預けている体制をとっていた場合)
  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収票
  • 年金手帳

以上が職場から渡されるものです。受け取ってから絶対紛失しないようにしましょう。特に、薬剤師免許証がないと薬剤師である証明もできず転職も出来ません。注意する必要があります。

返却しなければならないもの

新しく必要になるものではないですが、職場に返却しなくてはならないものがいくつかあります。

  • 健康保険被保険者証
  • 社員証やIDカード
  • 通勤定期
  • 制服や作業着
  • 名刺
  • 書籍や参考書類
  • 業務関連書類

制服や作業着に関してはそれらが支給されている場合は必ず洗って返すようにしましょう。「こちらで洗っておくから」と上司が言ってくれた場合などはお言葉に甘えてそのままその場で返します。そのとき、制服などと一緒にIDカードなども返却しましょう。

名刺はその職場で使っていたものであれば、その職場の所有物です。「○○薬局」「○○株式会社」という名前がありますからね。そこでの役職もそこの社員であるという事実も消滅するのですから、当然返さなければいけません。仕事相手から受け取ったものも返却します。

また、本なども仕事の参考資料として使っていた場合は返さなければいけませんし、業務上の関連書類なんかは当たり前ですね。

社会保険の手続き

薬剤師の転職手続きでついつい忘れがちになってしまうのが、社会保険関連の手続き。これは職場を退職してから2週間以内に行わなければいけないもの。自分で行わなければならない場合と、誰かが行ってくれる場合とがあります。

前者は、2週間以内に次の職場への転職ができなかった場合。国民年金・国民健康保険に一旦加入しなくてはいけないので注意しましょう。

後者は、2週間以内に転職した場合です。次の職場の人事担当者などに年金手帳を渡せば事務の人などが手続きをしてくれるでしょう。わからなかった場合は誰かに「保険の手続きは・・・」「年金手帳は・・・」と尋ねれば答えてくれます。

転職活動から必要になるもの

  • 履歴書
  • 職務経歴書
  • 薬剤師免許
  • 異動届

履歴書や職務経歴書なんかは面接で使うものですから、言うまでもなく必要ですね。薬剤師免許は自らが薬剤師であることを証明するために必要ですが、前の職場に長く勤めていた人などは紛失してしまっているというケースも多いです。

薬剤師免許証を紛失してしまったがために転職できないというのはとても惜しいですし、もったいない。免許証があるかどうか、必ず確認しましょう。

また、異動届に関しては保険薬局などの公的医療保険が適用されている医療機関で薬剤師をしていた場合に必要となるものです。保険薬剤師としての登録を行っていると思いますが、転職する場合は「管轄地方厚生支局長変更届」という書類を提出する必要がある場合があるのです。

ただし、管轄地域が同じだというところに転職した場合は必要ありません。

まとめ

転職をするときには、薬剤師でなくてもいろいろな書類が必要になります。退職手続きは、円満に行うために退職願を提出しなければなりませんし、相手方には履歴書や職務経歴書などを提出しなければいけません。

書類の数はそこまで多くはないのですが、一番気をつけなければいけないのが「薬剤師免許の紛失」です。失くさないように、しっかりと決められた場所に保管しておきましょう。