薬剤師の面接の身だしなみ

身だしなみは面接対策の基本。基本的なことをきっちりとすることが、面接対策の第一歩です。

服装

まず、服装に関してはスーツが基本です。企業ではなく薬局やドラッグストアである場合、スーツでなくても良いと言われることも多いかと思いますが、そのときも基本的に派手にならないように気をつけましょう。

男性であればジャケットを着用しておくと無難ですね。スーツを着なくても良い場合の服装テーマは「無難に清潔感のある服装」つまりはシャツとジャケットというのがベストというところにいきつくわけです。女性もこの日はジャケットを着るというのもありですね。

崩すとしてもオフィスカジュアルを守れる範囲内にしましょう。

頭髪・髪型

頭髪は言うまでもありませんが、あまりにも明るい茶髪や金髪はNGです。ナチュラルな茶髪だと、地毛で茶髪になってしまう人もいるのでNGとまではいきません。黒染めをするというのも手ですが、常識の範囲内であればナチュラルな茶髪も一応許容範囲内です。

髪型に関しては清潔感のある髪型で。無造作にボサボサしているのはだめですが、ワックスで固めすぎというのもだめ。一番良いのは理容室でカットしてもらい、ワックスをつけずにいくこと。薬剤師は整髪料NGなことが多いので気をつけましょう。

アクセサリー・靴・カバン

基本的にアクセサリーはNGです。結婚指輪などは許容されることが多いですが、つけなくても良いものはつけないようにしましょう。時計などはつけないよりはつけているほうが良いですが、派手なものやスポーティなものはあまり好ましくありません。

靴は、スニーカー・サンダルなどは避けましょう。仕事をする場合、薬局やドラッグストアではスニーカーを履く職場も多いですが、面接のときはオフィスカジュアルに合うような靴を履くのがよいですね。控えめで、ジャケットやスーツに合うものがベター。

カバンもあまりブランドものや大きなロゴが入っているものなどを避けましょう。派手な色のものは言うまでもありませんね。それを満たしているものとしてリュックを挙げる人もいますが、リュックはNGとまではいかなくても、やめておくのが無難。

リュックは確かに便利で落ち着いているからいいのですが、どうしてもフォーマル向きではありません。実際働いている人でリュックで通勤をする人もいますが、ここも「面接時くらいは」避けておくのが良いです。

アクセサリー・靴・カバン類をまとめると、「実際働くときと面接時では服装が違うことが多い。実際の職場ではOKでも面接ではNGなものがある」ということです。

面接前にやっておくべきこと

面接を受ける前から、戦いは始まっているのです。

自分を見つめなおす

これは、すべての準備です。自己PRを考えるにも、志望動機を考えるにも、まずは自分を知らなければ始まりません。「自分のことなんて自分がよく知っているから今更見つめなおす必要なんてない」と思う人もいるかと思います。

自分のことは自分が一番知っている。これはあまり正しいとは言えません。意外と自分自身のことを知らないものです。自分が認知できない自分、内に引きこもっている自分というのが誰にでも存在します。

その自分を知ることを含めて、自分を見つめなおすことが面接には必要です。内に引きこもっているのに、認知できないのにどうやってうかがい知るのか。人に聞くというのもありですが、その前に自分自身に聞いてみましょう。

自分の中に自分とは別の人格が潜んでいると仮定して自問自答するという方法です。声に出して自問自答をしましょう。鏡に向かっているとなおよいです。かなり間抜けに見えてしまいますが、これが結構効果的。

「お前は誰だ」という基本的なことから質問をして、「お前は何がしたい」「お前は今まで何をした」「夢はなんだ」と深い質問をします。そうすることによって、自分では思いも寄らなかった答えが返ってくるということがあるのです。

「そんなわけはない」と思うでしょうが、だまされたと思って試してみてください。きっと自己発見できるはずです。

ただし、これは自己暗示の一種。暗示にかかりやすい人には効果的ですが、暗示にかかりにくい人にはあまり効果が無いかもしれません。その場合は友達や恋人など自分のことをよく知っている付き合いの長い人に質問すると良いですね。

自己PRを考えよう

自己PRというのは、自分の長所を訴えること。わざわざ短所を述べてやる必要はありません。商品CMでもそうです。商品のデメリットをわざわざ宣言するCMなんて見たことないと思います。よく短所を述べてから長所につなげて話す人がいますが、これも基本的にはやらないほうがベター。

たとえば「私は学生時代、あまり良い学生とは言えませんでした。勉強に関しても常に受身でしたし、人間関係に関しても良い人間関係を築いたかと問われれば微妙なところです。でも、そんな私でも頑張っていたものがあります(中略)。その経験から、過去の自分を捨てて成長することができました」という感じですね。

最初の段階で面接官が聞く気を失ってしまいます。でも、話の展開としては正解です。

ただ自分自身の短所から長所へ繋げるのではなく、自分自身が苦労して思わず立ち止まってしまった経験から長所へ繋げるという方法が良いですね。大きな壁を設定して、それをどのように乗り越えていって、今自分はどのように成長を遂げたのかというストーリー展開。

漫画やアニメや小説・ドラマやドキュメンタリーなどは、すべてこの展開方法になっているといっても過言ではありません。壁があるからこそ現在の自分の成長度合いがわかる、それを共感してもらえるというもの。

人はいきなり成長できるものでもなく、最初から長所ばかりな人なんていません。苦労を乗り越えてこそ長所というものは生まれるもの。自己PRは漫画のストーリー仕立てにするというのが受けの良い自己PRの考え方です。

志望動機と転職理由を考えよう

まず志望動機ですが、考えなければいけないのは「どうしてその職場なのか」ということです。同じ業態の職場がいっぱいある中で、どうしてそこへの就職を希望しているのか。これが意外と難しい。

薬局やドラッグストアの場合は特に、特徴を見つけるのが難しいです。薬局もドラッグストアもどこに行っても同じに見えてしまうことが多い。特徴を見つけるのは本当に難しいので、とりあえずホームページを探しましょう。

ホームページがあれば、そこから特徴を探ることができます。それでもわからなかった場合や、ホームページが無い場合は「以前ここを利用したとき、薬剤師の方も患者さんも笑顔だったのが印象に残っているので」などの理由に逃げるのも手です。

これだと「ここがいいんだ」という理由にもなります。どうしても見つからない場合の逃げの一手、最終手段として頭の中に入れておきましょう。

転職であれば、志望動機のほかに転職理由・・・つまりは前の職場の退職理由を考えなければいけません。ここで気をつけるべきことは、たったひとつ。前の職場の欠点を理由にしてはいけないということです。

「給料が低いから」「人間関係に耐えられなかったから」という欠点を理由にしてしまっては、「この人は物事のネガティブな面に注目する人だ。ここもネガティブな面が無いわけではない。そこを見てまた辞めるかもしれない」と判断されてしまいます。

そうではなくて、「自分のやりがいを追及するため」「本当にやりたいことはそこではやれないと考えた」など自分自身を理由にして話すと印象が良い。潔くも見えます。

面接当日

面接当日も、注意するべきことがあります。

マナーをきっちりと

面接の際は家を出てからすでに面接の審査が始まっているものとして常識的な行動をしましょう。電車の中で優先席に座って譲らずにいたら、それを面接官が見ていて落とされたというケースもあります。いつどこで誰が見ているかわかりません。

どこで見られていても良いように常識的な行動を心がけるのがベストです。丁寧な言葉遣い、節度ある行動をしましょう。

面接現場に到着する前に携帯電話の電源をきるということを忘れずに。面接会場や受付、ロビーなどで飲食をするのもNGです。空腹は事前に満たし、喉の渇きも潤してから会場に向かいましょう。

薬局・ドラッグストアと企業では違う?

薬局やドラッグストアと企業では違うということを、ここまでそれとなく書いてきました。服装も職場では違うことが多い。そもそも業務内容が違うのだから違って当たり前。

でも、基本的には薬局やドラッグストアと企業、どこでも面接で気をつけるべきことというのは違います。多少やりやすい・やりにくいの違いはあるでしょう。企業のほうが志望動機を見つけやすいという違いは確かにある。

でも基本的なことはすべて共通しています。どこに就職するのでも問題ないような服装・言葉遣い・受け答えをするようにすることが大切です。そうすれば、薬局だろうと企業だろうと関係ありませんからね。