薬剤師が60代で転職をするメリット・デメリット

定年後も働けるメリット

60代で転職をすることのメリットと言えば、定年後も働けるということです。定年後に働くことには、様々なメリットがあります。薬剤師は立ち仕事がほとんどですから、定年後も働き続ければ健康的に老後を迎えることができるというメリットがあることがまず第一です。

また、単純に金銭的な面でもメリットがあります。60代だと、まだまだ子供にお金がかかる年齢でしょう。子供がまだ大学生だという人も多いかと思います。そんなときに働かなくなるというのは、いくら蓄えや年金があったとしても不安なものです。

そういった不安を解消できるのも、大きなメリットになります。定年後に働くことができるということ自体に、様々なメリットが隠されているので、60代の薬剤師の転職はとても意義のあることだと言えるでしょう。

職場の人間関係というデメリット

メリットもありますが、デメリットもあります。まず第一に考えられるデメリットが、職場の人間関係です。薬局やドラッグストアに高齢の薬剤師に対する需要というのはありますが、実際に60代で働いている方はそこまで多くありません。

自分が働くことになった職場は、間違いなく年下だらけでしょう。平均年齢が高いところはまだ良いですが、平均年齢が30代のところとなると、世代が全く違います。自分の子供より少し年齢が高いか、下手をすれば自分の子供のような年齢の人たちと仕事をすることになるのです。

当然、居心地はよくないということを覚悟しておかなければなりません。

体力

体力が持つかどうかがわからないというのも、デメリットです。先述したように、薬剤師の仕事は立ち仕事です。特に高齢の薬剤師に対する需要があるドラッグストアや薬局は、業務中ずっと立ちっぱなしということが考えられます。

そのため、体力的なデメリットを背負うことになるのです。働き始めてから体力がもたなかったとならないために、自分の体力を今一度見極めておく必要があります。

薬剤師が60代で転職を成功させるコツ

とにかく低姿勢

60代で転職を成功させるためには、とにかく低姿勢で面接に臨むことが大切です。面接官も当然年下になり、自分のほうがキャリアが長いかと思います。しかし、その職場において自分は新人です。キャリアが長いといっても、それは変わりません。

また、自分自身が職場に希望している条件というものがあるでしょう。ただ、この年齢になってくると、求人に書かれている通りの待遇とはいかないことがあります。面接官が採用条件に対して提案をしてくるのですが、それに対して反発したり、意見してはいけません。

相手の提案をまず、一旦受け止めましょう。「確かにそうですね」と受け入れたことを明確にした後に、「自分としては」と自分の希望する条件を相談します。あくまでも相談であり、提案になってはいけません。

とにかく低姿勢で謙虚に挑むことが、転職を成功させるための秘訣です。

自分の市場価値を理解する

まず最初に注意すべきことなのですが、思っているよりも世間は定年後の人間にやさしくは作られていません。自信満々に転職活動をしていても、全く思うような成果を得られないことが多いです。そこで、自分の市場価値を客観的に理解する必要があります。

患者さんからの需要自体は大いにあると言えるのですが、「採用する側から見ての市場価値」というのは案外低いものです。採用する側から見ての市場価値は収入に現れます。「500万円以上は期待できるだろう」と思っていたら大間違いです。

60代、定年後の収入はそれ以前の半分またはそれ以下と言われています。現役時代と同じような収入を得られる、7割程度は得られるだろうと高望みしては、決して転職を成功させることはできません。

無理の無い範囲で

最後に、無理の無い範囲で働くということに注意しましょう。自分が思っているよりも、もう体は動いてくれません。平均寿命が延びたとはいっても、80歳まであと二十年を切っているのです。そろそろ本格的に体が言うことをきかなくなります。

それを理解し、パートタイムで働けるだけ働くなど、ワークスタイルを考える必要があります。無理なく転職活動をし、無理なく働きましょう。