小児薬物療法認定薬剤師とは

小児薬物療法認定薬剤師の制度は2013年に誕生したもので、2015年6月30日時点では559名の認定者がいます。そのうち、病院や診療所で働いている人が339人。薬局で働いている人が219人、その他が1名です。

小児薬物療法認定薬剤師は、赤ちゃんから小児までの患者さんと関わることになります。実際に関わるのはその親御さんですが、赤ちゃんから小児までの薬や病気などに関することを親御さんにアドバイスするという形で子供と向き合う仕事です。

小児薬物療法認定薬剤師に必要な知識や技術

母乳と薬の関連性や、イヤイヤ期に入ってしまった子供にどうやって薬を飲ませたら良いのか、10歳から中学生まで、自己やアイデンティティが育ってきて確立しつつある子供と薬との付き合い方など、子供と薬学を結びつけたさまざまな知識が必要になります。

また、年齢や体調にあった服薬方法をしっかりと伝える服薬指導の技術も必要です。この時期の子供に対してはこのような服薬方法をとらせるべきであるとか、どのような副作用が考えられるのかなど、丁寧に説明します。

例えば、「「苺味だから安心してねー」と意識付けを行ったりしましょう」などのアドバイスですね。そういったアドバイスを的確にできる知識とスキルが、小児薬物療法認定薬剤師には求められていますよ。

小児薬物療法認定薬剤師になるには

研修について

小児薬物療法認定薬剤師の認定を得るためには、まず研修を受けなければいけません。その後に試験を受験して合格すれば、晴れて小児薬物療法認定薬剤師として認められるわけです。まず、受けるべき研修について説明します。

研修には「小児薬物療法研修会」「小児薬物療法認定薬剤師新規認定取得のための必須実務研修」の2種類があり、それぞれを受けなければいけません。小児薬物療法研修会は、eラーニング形式で行われ、自宅で受講することになります。

講義は全部で36コマあり、5月から12月に渡って配信され、配信されるたびにその期間中に講義を受けることになるというわけです。12月には全ての講義が再配信されるので、わかりにくかったところなどをもう一度確認するなどし、試験勉強に役立てましょう。

受講確認は、講義の動画に表示されているキーワードを報告することによって行われます。

ちなみに、5月から12月までの36コマの各内容については、PDF形式で配信されているので、日本薬剤師研修センターのホームページであらかじめ配信内容について知っておくのも良いでしょう。

「小児薬物療法認定薬剤師新規認定取得のための必須実務研修」に関しては、日本薬剤師研修センターが認定した病院の小児科病棟(薬剤管理指導業務が実施されているところ)で1日実務研修を行うことです。1日中研修を行うわけではなく、原則として6時間の実習になっています。

現在自分が該当する施設で働いていたとしても、自分の勤務先での研修は認められません。該当施設で働いていたとしても免除されず、別の施設で研修を行うことになるので注意してください。

研修を行うのは、研修を始めてから数ヵ月後または、試験に合格した年末までの期間です。具体的な開始時期については、受講者でなければ知ることができません。受講者には、日本薬剤師研修センターから直接連絡が届きます。

試験について

研修が修了したら今度は試験を受けることになります。試験は年に1回、1箇所でのみ行われ、その同日には総括講義が実施されますよ。試験の難易度はそれほどまでに高いわけではありません。きっちりと講義の内容を理解し、研修を終了している人であれば難なく通ることができるでしょう。

受験料に関しては、研修会を受講した年であれば、受講料に含まれています。都合によって受験ができなかった場合や、不合格となってしまった場合の再受験料に関しては、該当者にのみ知らされることになりますよ。

小児薬物療法認定薬剤師の活躍の場

小児薬物療法認定薬剤師は、病院の小児病棟や小児科などの小児薬物療法に関わる職場全てで活躍することができます。近くに小児科がある薬局などでも小児薬物療法認定薬剤師として仕事をすることができますよ。