在宅療養支援認定薬剤師とは

在宅療養支援認定薬剤師は一般社団法人日本在宅薬学会が、2013年の4月から開始した認定薬剤師制度です。

現代日本は超高齢社会を迎えようとしています。今はギリギリ高齢化社会で踏みとどまっているのですが、あと何年かで超高齢社会になるであろうとも言われているのが現状です。

そんな高齢者が多く、老老介護などを行っていることも多いこの日本の現代社会では、在宅医療のニーズが年々高まっています。在宅療養支援を行う薬剤師の知識や技能、態度などを高めて良質の在宅医療が提供されるようにすることを目的としています。

在宅療養支援認定薬剤師は在宅療養を「薬」という観点から支えるという役割が与えられています。

在宅療養支援認定薬剤師に必要な知識や技術

在宅療養支援認定薬剤師に必要なのは、高い知識と技能と態度。この3点です。

知識に関しては、医薬品に関しての幅広い知識を有していなければいけないのはもちろんのこと。付け加えて高齢者の方に起こり得る副作用などについての知識。在宅療養についての知識も必要ですよ。

最も必要になるのは、技能と態度。高齢者の方との接し方などのコミュニケーション能力、基本的な介護の知識や技能も実際の現場では、求められたりします。患者さんやそのご家族は、「在宅医療に関して不信感と不安感」を持っている人が少なくはありません。

その不安を取り除いて、在宅医療を支援することが必要ですね。相談に乗ってあげたり、医師や看護師からの依頼などに対応したりといろいろな人と連携を取ることも考えられます。仕事は報告書作成などの基本的な事務もするので、事務仕事をそつなくこなすことができる技能も必要ですね。

在宅療養支援認定薬剤師になるには

申請資格について

「薬剤師としての実務経験が3年以上あること」が大前提で、合わせて下記の資格のうちのどれかひとつでも取得していることが条件になります。

  • 薬剤師認定制度認証機構によって認められている生涯研修認定制度に認定された薬剤師
  • 日本病院薬剤師会生涯研修認定薬剤師であること
  • 日本医療薬学会の認定薬剤師であること
  • 決められている研修講座を受けて、単位を35以上修得すること
  • 自分が携わった在宅業務の事例を5つ以上提出すること
  • 日本在宅薬学会が主催している学術大会に傘下している
  • バイタルサイン講習会を受けている

以上の条件を満たしている人のみが認定の申請をすることができます。そこからさらに試験に合格すれば、認定を受けることができるというわけです。

試験について

初めての試験は2014年に行われたので、あまりデータがありませんが、第一回の認定試験は20名が受験しました。試験は筆記試験だけではなく、面接試験もあり、両方をパスすることによって在宅療養支援認定薬剤師になることができるというわけです。

まず試験を受けるためには、申請条件全てを満たして、申請します。申請は2015年の場合、8月3日から9月30日までの間にしなければいけませんでした。申請書を送付すると同時に、審査料も申請の時点で振り込まなくてはいけません。

そうして申請をしたら、今度は筆記試験です。2015年の筆記試験は10月25日に、株式会社メディセオ会議室3階304号室で行われることになっています。場所は東京の中央区。大阪での試験は行っておらず、地方に住んでいる人も試験を受けるためには東京まで行かなくてはいけません。

筆記試験に合格したら、今度は面接。面接は筆記試験のあった年の翌年1月に行われます。第2回試験野場合は、2016年1月9日に面接試験が行われる。会場は東京で、合否通知は1月の29日に予定されています。

面接全てにパスしたら、登録料に10,000円払わなくてはいけませんが、他の認定薬剤師に比べると総じてかかる料金が安いですね。

在宅療養支援認定薬剤師の活躍の場

在宅療養支援認定薬剤師は在宅療養支援を行うのですが、仕事数が少ないようなイメージがありますよね。しかし、日本で在宅治療を受けている人の数は意外と多いのです。全国でおよそ7万人ほど。そのうちの9割近くが高齢者になっています。

「在宅なんて将来性がないよ」と思っている方も多いかもしれませんが、在宅治療の患者の9割近くが高齢者。これから超高齢化社会になっていくことを考えると、在宅療養支援薬剤師はこれからどんどんニーズが高まってきます。将来性はバッチリですね。