スポーツファーマシストの資格概要

スポーツファーマシストというのは、公益財団日本アンチ・ドーピング機構によって認定される資格制度。2014年4月の時点で5896人がその認定を受けています。ちなみに2015年で制度としては7年目という比較的新しい制度です。

一般の認知率はとても低く、平成24年に行われたアンケートで「スポーツファーマシストの存在を知っている」と答えた人はたったの14%。国体東京ブロック大会来場者向けに行われたアンケートなので、日本全国的数値ではないにしても認知率が低いですね。

スポーツファーマシストの役割は、スポーツ選手のドーピングを防いでスポーツ大会をフェアに執り行うこと。日本では、ドーピングと知らずに薬を使ってしまう「うっかりドーピング」が多いので、そうならないようにしっかりと指導を行うのがスポーツファーマシストです。

スポーツファーマシストに必要な知識や技術

ドーピング薬の種類とその効果についての知識や、さまざまな人々に指導することができる指導力我必要です。禁止物質とされている物質は、OTC医薬品やサプリメント・栄養剤などにも含まれていたりと幅広いもの。

幅広い禁止物質に関して深い知識を持ち、それらをプロ選手やスポーツをする人々に指導していく指導力が問われるというわけですね。

スポーツファーマシストになるには

認定までの流れ

スポーツファーマシストの認定を受けるためには、まず4月から5月ごろに行われる「公認スポーツファーマシスト認定プログラム受講者募集受付」に応募しましょう。応募したら、今度は5月から8月ごろにかけて基礎講習会が開かれます。

その講習会に参加し、単位を取得。12月から1月ごろには実務講習会やと知識到達度確認試験があるので、受けます。それに合格して認定申請を行い、認定証が発行されればスポーツファーマシストとして認定されたということです。

認定料は20,500円で認定は4年間有効。更新については、認定期間中の3年目または4年目に行われます。基礎講習会をもう一度受講し、知識到達度確認試験をもう一度受験して認定更新を行うことになり、更新料にまた20,500円必要です。

試験について

試験についてはとても簡単です。他の薬剤師認定資格と比べると驚くほどに簡単。わざわざ会場に赴いて試験を受けるということもなく、パソコンを使うことができればどこでも受けることができます。

自宅でパソコンをつけ、e-ラーニングによって行われる試験を受けるというわけです。試験の回答方式は、選択問題。問題文と選択肢が画面上に表示されるので、正解だと思う選択肢をクリックするだけの簡単なものです。

試験の概要などについては、日本アンチ・ドーピング機構のホームページにて確認できますが、常に確認できるわけではありません。試験が行われる時期になったらホームページにてお知らせが掲載され、そこから確認できるといった感じになっています。

合格率については具体的に公表されているわけではありませんが、限りなく100%に近い数字であると言われています。それほどまでに簡単であるというわけです。実務講習会さえきっちりと受けていれば全く問題ありません。

試験についてはとても簡単なの気を張っておく必要はありませんが、資格を維持することのほうが大変です。維持するには毎年実務講習会に参加しなくてはいけません。毎年コンスタントに受け続け、知識を維持しつづけることが大切です。

スポーツファーマシストの活躍の場

スポーツファーマシストの活躍の場所は、さまざまです。国体に向けて、都道府県選手団に対してドーピングについての情報提供や啓発活動を行うこと。スポーツを愛好している人たちに向けての薬の情報提供や、学校などの教育現場において啓発活動を行うこと。さまざまな活動例があります。

ただし、あまり職場に恵まれているわけでもありませんし、「薬剤師なら誰でもとれる」という傾向が強いので将来性は微妙かもしれません。活動を地道に広げていくことが肝心です。個人レベルで出来ることは、まずは地域の体育協会やジムとの連携。自分のスポーツファーマシストとしての能力をアピールするほかにありません。

将来性を考えると何とも言えませんが、個々人の頑張りによってはスポーツファーマシストとして食べていくことも可能ではあるでしょう。