向精神薬取扱責任者は資格概要

向精神薬取扱責任者というのは、その名前の通り向精神薬を扱う責任者。監督官庁に申請を行って認められた場合になることができるものです。薬局を開設し、そこで向精神薬を扱うのであれば必ず一人は置く必要があります。

その薬局内・病院内での向精神薬に関する責任者でありエキスパートとしての役割を任されることになるので、向精神薬関連のことで頼りにされることが多い仕事です。向精神薬の保管と管理および調剤や服薬指導などさまざまな業務を行うことになります。

また、小売業や卸業での責任者・管理者としての役割だけではなく、向精神薬の乱用を防ぐという役割も社会的には求められる仕事です。

向精神薬取扱責任者に必要な知識や技術

向精神薬取扱責任者は向精神薬に関して、正しく理解していることが大切です。向精神薬とは麻薬と一緒にされることの多いもの。法律も「麻薬及び向精神薬取締法」というもので麻薬と一緒に考えられ、決められているものです。それほどまでに危険度の高い薬というわけですね。

精神依存性もありますし、乱用・・・俗にOD(オーバードラッグ)と呼ばれている行為をすると身体及び命にも危険性があります。そういう危険な向精神薬に関しての知識を持ち、その効果と危険性を説明できなければいけません。

向精神薬の保管方法・管理法などを熟知、必ず乱用しないで欲しいということを患者さんに的確に伝えることのできる力が向精神薬取扱責任者には求められるということです。

向精神薬取扱責任者になるには

受験資格と試験について

以下は一般的かつ平均的な受験資格になります。

向精神薬取扱責任者というのは国家資格です。試験を受けるには国内の薬学部を卒業しているか、外国の薬学部を卒業し、外国の薬剤師免許を持っているもので厚生労働大臣が認定した者でなければいけません。

なおかつ向精神薬を輸入・輸出・製造・製剤・小分けもしくは譲り私や向精神薬を向精神薬以外のものにするような仕事を4年以上続けていた人や、向精神薬の輸入などに7年以上従事していた者が受験の資格を得ることになります。前者に関しては大学を出た薬剤師ではない場合に追加で必要になる条件です。

つまり日本の薬剤師であれば誰でも受けられるものではないということですね。試験の内容に関しては、基礎薬学・医療薬学・衛生や苦学・薬事関係法規および薬事関係制度についてという基本的な内容。れています。

神奈川県での申請書類など

基本的な条件は先述したとおり、薬剤師であることなどなので変わりません。そのほかに必要なのは、履歴書を提出すること。薬学や化学に関係している専門課程を修了したと証明できるものの提出。

それらを各政令市の薬務課に提出しなければいけません。業務所が政令市である場合には1部だけ、それ以外の場合には正本が1部と副本が1部必要になります。政令市以外は、管轄の保険福祉事務所や保険福祉事務所センターに提出することになっています。

また、薬局で向精神薬取扱責任者を設置したときには設置届けを出さなければいけないなどの条件もありますが、いずれの場合も提出は早めにしておきましょう。

向精神薬取扱責任者の活躍の場

向精神薬取扱責任者は薬局やそのほかの向精神薬営業所で仕事をすることになります。薬局で仕事をする場合は近くに精神科があるなどの理由で向精神薬を扱わなければいけない場合。必ず一人は設置しなくてはいけない義務があるので、そこで唯一無二の存在として働くことができます。

そのほかの向精神薬営業所というのは向精神薬を扱っている病院や卸業者などです。病院では向精神薬の処方と服薬指導・管理業務など薬局とあまり変わらない仕事をすることになり、卸業者でも行うのは主に管理業務になっています。

また、向精神薬の乱用や不正流通を防止するという仕事もありますし、もしも向精神薬の乱用によって事故が起きたときに対応しなければならないなど、活躍するポイントは結構あります。この資格を持っていると向精神薬を扱うあらゆる職場で重宝されることになるので、将来性も十分あると言えるでしょう。

精神病患者が多く、うつ病の人も多い日本。自殺志願者も多く向精神薬の乱用というのはありふれた話です。今後もさらに発展していくことが見込まれます。