せっかく薬剤師という国家資格を取ったのだから、子どもを育てながらでも資格を活かしたい、薬剤師として働きたい、と思う人は少なくないはずです。

しかし子育てと仕事を両立するのは難しいもので、心配事も尽きません。

初めてのお子さんなら尚更、色々な不安が次々に出てきてしまうでしょう。でも安心してください。実は子育て中の薬剤師でも働きやすい環境を整えてある職場は意外と多くあるのです。

ここでは薬剤師の働く職場でどのような子育ての支援があるのかを紹介していきます。

【職場別】薬剤師が子育てと仕事を両立するための支援体制

みんなは一体どうやって子育てと仕事を両立しているの?もちろん、家族や周りの人の協力は欠かせません。

しかし両立するために必要なのはそれだけではありません。その秘密は実は職場選びにありました

各職場で行われている子育てに関する取り組みや制度をうまく利用して両立しているんです。

では具体的にどのような取り組みや制度があるのでしょうか。職場ごとに分けて紹介していきます。

病院

病院と言えばなんだか忙しくて、とても子育てしながら働けるような場所ではない職場ナンバーワンのようなイメージがありますが、実はそうではありません。

大手の病院やクリニックではいわゆる院内託児所と呼ばれる施設を設けているところがあるのです。職場に託児所があるなんてびっくりじゃないですか?

これなら思っていたよりも簡単に子育てと仕事を両立できそうですね。職場によっては院内ではなく院外にある場合もありますがいずれにしても通勤の行きかえりに気軽に寄れることは間違いありません。

託児所が備わっている職場は病院が一番多いので、職場の近くで子どもを預けたいと考えている方は病院で働くことを視野に入れてみましょう。

職場のすぐ近くに託児所があるので急に子どもが熱を出しても安心です。

また託児所がある職場であれば周囲の子育てに関する認識もあるので理解を得やすいという特徴があります。

ドラッグストア

ドラッグストアの一つの特徴はまず転職がしやすいという点です。

それに加えて、調剤薬局や病院と比べて薬剤師がいなくても店舗運営が回るという特質上、お仕事の復帰先として意外と選ばれている職場でもあるのです。

調剤薬局や病院の場合は薬剤師がいないと業務が回りませんからね。

育児短時間制度はもちろん、時間外労働や所定外労働、深夜勤務の免除などもあるので、定時できっちり帰ることができる、というのが特徴です。

育児短時間制度では普通だと8時間労働のところを6時間まで短縮できます。休憩時間は1時間なので実質7時間拘束です。

育児短時間制度を使っている薬剤師に人気の勤務時間帯は9時~16時となっており、ほとんどの子育て中の薬剤師たちはこの時間内で勤務しています。

また、土日祝日はシフトをお休みにしてくれるところが多いので預け先がお休みの日でも安心です。だいたいの店舗でこちらが希望休を出さなくても休みになるように考慮してくれます。

一ヶ月のうちに申請できる希望休の日数には上限があるので、これはとても嬉しいことですね。

「子どもの行事に参加しなきゃいけないのに希望休がたりない!」なんて事態は避けることができます。お子さんの行事にもしっかり参加してあげたいという方にはピッタリじゃないでしょうか?

万が一仕事に来れなくなった時は、事前にお店に連絡をすれば代わりのスタッフが出勤してくれる店舗が多くあるのでその点も安心ですね。

また、極まれにですが託児所を備えているドラッグストアもあります。

調剤薬局

託児所を備えている職場として二番目に多いのが調剤薬局です。職場内になくても、契約している託児所を持っている場合もあります。

託児所が職場のすぐ近くにあるというのは、子育て中の薬剤師にとっては、かなりありがたいことです。

他にも調剤薬局では、ほとんどの職場が育児短時間制度を導入しています。基本的には一日の勤務時間を最大2時間まで短縮することが可能です。

また職場によっては有給休暇とは別に看護休暇というものが用意されているところもあります。お子さんが急に体調を崩した時に休める制度です。

子育てしながら働いていると、どうしても気になるのが有給についてです。みなさんも心当たりはありませんか?

お子さんが熱を出すたびに有給休暇を使っていては旅行などでいざ長期休暇を取りたい!っていう時に有給が残っていないなんて悲しいことが起きちゃうことも。

でも、看護休暇の制度があれば安心ですね。使いたい時にしっかりと有給を使うことができます。看護休暇を使った時に賃金が発生するかどうかは、勤務先によって異なるのでそこだけは各自で確認してくだいさね。

他にも変わった子育て支援を実施している調剤薬局もあります。なんと、薬局内で働く薬剤師すべての人が育児短時間制度を利用している、なんてところがあるのです。

全員が子育て中の薬剤師だけなんて薬局、聞いたことありますか?周りの人に迷惑をかけているのでは・・・という不安を少しでもなくすためにこういった薬局も少しずつ増えているようです。

製薬企業

製薬企業は大手の会社が多いため、どこも育児に関する制度は充実している傾向があります。製薬企業は毎日忙しく残業も多いイメージがあるかもしません。

しかし大手であることから子育て中の女性には逆に働きやすい環境だったりします。勤務時間については裁量労働フレックス制度を導入しているところもあり、融通の利くところが多いという特徴があります。

裁量労働とは?

裁量労働制とは、例えば一日8時間労働などのように一定の労働時間を定めずに、個人の能力によって労働時間が変わる制度のことです。
勤務時間が決まっていないので自由に出退勤を行うことができます。

フレックス制度とは?

フレックス制度とは、決められた労働時間の中でなら労働者が自由に出社時間と退社時間を決めることのできる制度のことです。
変形時間労働制と呼ばれることもあります。

例えば以前2時間残業をしたから、今日は2時早く帰ろうということが可能になります。

これらの制度を利用することにより他の人よりも少し早めに出勤して早めに帰るという働き方も可能なんです。自分の都合に合わせて出勤時間を変えられるなんて凄いですよね。

また、業務内容によっては人それぞれ違う仕事を割り振られていることもあるので、休んだら他の人の迷惑になっちゃうなんて心配をしなくて良いこともあります。

企業によっては子育てをしながらでも働きやすい部署に異動してくれるところもあります。製薬企業という大手の会社ならではの働き方が可能です。

まとめ

実際に子育てをしながら働いている薬剤師が職場に対して「助かった!」と実感した場面はどのような時だと思いますか?

それは「急なお休みもきちんと取ることができた。」時です。

各職場にはたくさんの子育てを支援してくれる制度がありますが、突然のお休みも取れる環境が整っている職場が特に好まれるようです。

子育てをしながら仕事もきちんとするなんて無理じゃないか!最初はと思っていた方も多いかと思います。

でも、実は働きやすい制度が意外とあるということが分かったのではないでしょうか。

女性も働きに出ることが多くなってきた今の時代、子育てしやすい環境を整えてくれる職場はありがたいことに増えてきています。

せっかく、そのような環境を職場が整えてくれているんだから、それを利用しない手はないですよね。自分が職場に求めることは何なのかをしっかりと把握して、自分に合った職場を探し、上手にワークライフバランスを実現していきましょう。