高齢化が進んでいく日本。

テレビや新聞、週刊誌では健康に関しての特集がたくさん取り上げられ、セルフメディケーションの意識が高まっています。

そのため、健康維持のためにサプリメントや健康食品を日常的に食べている人がたくさんいます。

みなさんが食べているサプリメントなどの栄養機能食品や、特定保健用食品は食品メーカーで開発・製造されています。

食の安全が重要視されている現代では食品も高い品質管理が要求されるため、食品メーカーでも管理薬剤師が必要とされています。

今回はそんな食品メーカーで、管理薬剤師がどのような求人がされていて、どのような業務をしているのか紹介します。

食品メーカーの管理薬剤師の仕事内容

食品メーカーで働く管理薬剤師の業務で一番大事なことは、販売される食品が本当に安全かどうか、食べても危険がないか検査することです。

食品メーカーで販売されている食品を食べたお客さんに、万が一健康被害が出てしまったら、会社の企業イメージに傷がつき最悪の場合会社が潰れてしまうこともあります。

お客さんの命の危険だけでなく、会社が潰れてしまうような責任問題にならないように管理薬剤師がきちんと食品の安全性を検査しているのです。

食品の品質検査・管理だけでなく、栄養機能食品や特定機能食品は国の定めた基準をクリアしなければならないので、行政への届け出や報告書の作成などのデスクワークもしています。

また、健康に効果のある成分や食品添加物の知識をもつ薬剤師は、新商品の開発のために食品の分析や調査もします。

管理薬剤師は、食品にとって一番大切な「味」の開発にも関わることがあります。

今までになかった健康食品や、サプリメントの開発に関われるのは食品メーカーの管理薬剤師の特権です。

それでは、食品メーカーの管理薬剤師はどのような求人があるか紹介していきます。

食品メーカーの管理薬剤師の求人傾向

企業の管理薬剤師の求人は、調剤薬局・ドラッグストアの管理薬剤師にくらべてかなり少ないです。

その中でも、食品メーカー管理薬剤師の求人はさらに数が少ないです。

薬剤師としての知識をフルに活用できる職場であるため人気が高く、求人がすぐになくなってしまいます。

普通に探すだけでは食品メーカーの管理薬剤師の求人はまず見つけられません。

毎年新卒薬剤師を採用するというよりは、担当者の管理薬剤師が退職するときに人員の補充で採用活動をするという方式のため常に求人があるわけではないので、それも求人が少ない理由です。

求められる人材も、新商品の健康食品の開発に関わる場合は、高い専門性を要するので管理薬剤師経験5年以上など、条件は他の企業の管理薬剤師よりも高い傾向があります。

食品の安全性、品質などの管理業務がメインの求人であれば、管理薬剤師未経験の方や、定年退職した方、妊娠・出産して現場勤務にブランクがある方も積極的に採用しており、現場で働いています。

デスクワークが多く、検査や品質管理の業務が主なので、正確さを追求する勤務姿勢が求められます。

そのため、仕事に妥協のない勤勉な方に向いている職場です。

食品メーカーの管理薬剤師の求人選びのポイント

食品メーカーの管理薬剤師の求人は人気が高く、会社名を公開すると求人が殺到してしまうため、会社名を非公開にしている求人がほとんどです。

その非公開求人の中で、自分にあった食品メーカー管理薬剤師の求人を選ぶのに注意するべきポイントを紹介します。

配属部署を確認しましょう

就職する前に必ず確認していただきたいのは、自分がどの部署に配属されるかということです。

基本的には、求人情報にあらかじめどの部署の管理薬剤師を募集しているか記載されていることが多いです。

しかし、会社によっては食品の製造・品質管理の部署と研究開発の部署などが同時に募集されることがありますので就職するギリギリまで気づかなくてトラブルになることがあります。

希望する部署がある場合はあらかじめ担当者に伝えるようにしてください。

その会社が最も強みとする食品を知りましょう

健康食品には、サプリメント、ドリンク、グミ、お菓子、お茶などたくさんの種類があります。

食品メーカー管理薬剤師は非公開求人が多いので、売れ筋商品などを調べるのは難しいかもしれませんが、可能ならばその会社がどのような食品の開発に力を入れているか知ると、就職活動で有利です。

栄養ドリンクに力を入れている会社ならば栄養ドリンクに関係する業務ですし、ヨーグルトなどの乳製品を主に販売する会社ならばヨーグルトの製造・品質管理の業務をするでしょうから会社の取り扱っている主力商品を知ることは重要です。

給料・福利厚生を確認しましょう

食品メーカーの管理薬剤師の給料は、他の企業管理薬剤師にくらべてそこまで高くありません。

平均年収が450~650万円程度で、調剤薬局・ドラッグストアの管理薬剤師よりは多いですが、製薬会社のMRなどには遠く及びません。

ただし、外資系企業や大手の食品メーカーであれば、800万円など平均年収以上の給料も見込めますので要チェックです。

まとめ

食品メーカーの管理薬剤師は、給料面は他の企業にくらべて高くはありませんが、あまり経験することができない業務を体験できるので非常に人気の求人です。

給料は他の企業管理薬剤師よりも低くとも、企業に就職するので、調剤薬局・ドラッグストアの管理薬剤師よりも福利厚生面でも手厚い傾向にあります。

もし、食品メーカーの管理薬剤師が少しでも気になるようであれば、まず、薬剤師転職サイトに登録して非公開求人を見れるようにしておきましょう。