病院薬剤師の仕事ってとってもハードですよね?こうした環境で働いている病院薬剤師の方は色々な悩み抱えていて「もう仕事を辞めたい!」と思っている方も少なくないでしょう。

そこで、今回は病院薬剤師を辞めたいと思う人の悩みやそれを解決するための転職先について解説していきたいと思います。

病院薬剤師によくある悩みとは

病院薬剤師が抱える悩みには様々ですがここでは主なものをピックアップしてご紹介いたします。

人間関係の悩み

病院は薬局やドラッグストアなどと比べても数多くのスタッフが働いているため、様々な人たちとの人間関係が発生します。

薬剤師同士の人間関係はもちろんのこと、病棟業務では医師や看護師、患者さんなど様々な職種や立場の方と関わらなければなりません。

特に病院内では医師や看護師は薬剤師に比べて力が強いため、病棟業務では彼らから無理難題を押しつけられたりパワハラまがいのことをされる薬剤師も少なくありません。

また、同僚や上司からのいじめやセクハラ、パワハラに悩まれている方もいらっしゃいます。

病院薬剤師には調剤薬局やドラッグストアと比べて高いコミュニケーション能力が要求されます。

対人関係が得意な薬剤師であればそれほど問題はありませんが、内気な方、おとなしい方、人見知りをする方などは病院では人間関係を苦にされる傾向が強いといえます。

激務に対する悩み

激務に悩まれている病院薬剤師の方は非常に多いです。

病院はどこも薬剤師の人数が不足しており、日々の業務は多忙を極めています。

注射剤調製、調剤、病棟業務、カンファレンスの出席、夜勤、当直など仕事内容は山盛りで、休憩時間の確保もままならないことさえあります。

また、休日にも学会に参加するために遠方まで出向かないといけないこともあり、休息をとる暇も無く働きづくめになることも多々あります。

病院薬剤師中にはこのような激務の繰り返しの日々に疲れ果て、大きな悩み抱えている方が少なからずいるのが現状です。

残業の悩み

病院では薬剤部に求められる仕事量に見合った薬剤師の人数が確保されていないことが多く、残業が常態化している職場も少なくありません

定時に帰れることの方が珍しく、毎日遅くまで残って調剤業務や病棟業務の後処理に追われる方もたくさんおり、悩みの種となっています。

夜勤や当直の悩み

病院薬剤師ならではの業務には夜勤や当直があります。

夜勤や当直は当然のことながら肉体的にも精神的にも大きな負担を伴います。疲労が極限に達している状態で、眠い目をこすりながら責任の重い業務を強いられることに大きなストレスを感じている薬剤師は少なくありません。

夜勤明けの休日も丸一日寝て過ごしてしまったり、昼夜逆転による睡眠障害が起こったりすることもあるため、病院薬剤師の悩みの種となっています。

給料が安いことに対する悩み

病院薬剤師の給与が安いというのは薬剤師業界では有名な話です。

ドラッグストアや調剤薬局と比べて病院薬剤師は年収ベースで平均50~100万円ほど安いといわれており、明らかな格差が生じています。

もちろん、病院薬剤師として働いている方はこうした事実を承知のうえで就職したとは思いますが、実際に仕事を続けているうちに仕事の忙しさやストレスと比較して給料があまりにも低すぎることに悩み始める方も多いといえます。

休みがとりにくいことに対する悩み

病院は全国的に経営が厳しい状況にあり、通常は大人数の薬剤師を雇う余裕などはありません。

そのうえ病院には年間を通して必ず一人は薬剤師を配置しないといけない決まりがあるため、少ないスタッフの中でギリギリのローテーションを組まなければなりません。

このため、一般的に連休などの長期の休みが取りづらい状況にあります。

1~2週間休みを取って友達と海外旅行に出かけるなどということは病院薬剤師にはかなり難しく、こうした休みの取りづらさに悩みを抱えている方も多いです。

有給が消化できないことに対する悩み

病院薬剤師は頭数が少なく、最小限の人数で仕事を回しているところが多いため有給が取りにくい状況にあります。

有給の取得は法律で認められた労働者の正当な権利ですが、現場の忙しさや人手不足を考えると「有給を取らせてください」などとはなかなか言いだしにくいことでしょう。

また、有給が取れるとしてもせいぜい身内の不幸などの突発的な用事のときだけで、旅行などのレジャー目的で取るなんてとんでもないという雰囲気の職場も多いと聞きます。

このため、せっかくもらった有給が使えないまま消滅していくことに悩みやストレスを抱えている病院薬剤師の方は多いといえます。

昇進が遅いことに対する悩み

病院薬剤部は調剤薬局などと比べて多くのスタッフを抱えています。

このため、病院薬剤部のトップである薬剤部長になるには多人数の中で熾烈な出世競争に勝ち抜かなくてはなりません。

また、病院薬剤部での昇進は勤続年数も考慮されるため、薬剤部長になるには20~30年という長期にわたって勤めなければなりません

このように、キャリア志向の強い薬剤師にとっては昇進の遅さが大きな悩みとなるようです。

他の病院に転職して悩みを解決しよう!

現在の職場に悩みを抱えている場合は、転職という手段が悩み解決のために非常に有効になります。

今の職場は嫌だけど病院薬剤師の仕事を続けたいと考えている方は、以下に紹介するような別の病院への転職を検討することをお勧めします。

人間関係で悩んでいる方

人間関係については一概にどのタイプの病院が良いということは難しいです。

このため、人間関係が良好な病院に転職したい場合は必ず応募前に職場見学会に参加して自分の目で雰囲気を確認しておくことをお勧めします。

見学会では薬剤部はもちろんのこと、できれば病棟業務も見学させてもらい、現場の薬剤師が医師や看護師などの他職種のスタッフとどのような関係であるかについても詳細に観察すると良いでしょう。

休みが取れないことに悩んでいる方

病院の中でも大学病院や国立病院は比較的休みがとりやすく、転職先としてはおススメです。

こうした病院は難易度の高い医療を提供しているため、スタッフに適切な休息を与えて医療の質を確保することに重きをおいているためです。

夜勤や当直に悩まれている方

夜勤や当直がない病院を探すのは難しいですが、まったくないこともありません。

小規模な病院の中には夜勤がないところもあります。また、規模が大きい病院でも救急指定病院でなければ同様に夜勤がないところもあります。

簡単には見つからないかもしれませんが、インターネットなどで根気よく探してみましょう。口コミの掲示板なども参考にすると良いでしょう。

安い給料に悩んでいる方

病院薬剤師は一般に給料が安いといわれていますが中には例外もあります。

たとえば、急性期病院は慢性期病院と比べて年収が100万円ほど高いといわれています。また、僻地の病院なども給料が高く、中には年収1000万円を超えるような求人も転がっています。

また、国立病院など公務員として働ける病院では、初任給こそは低いものの勤続年数に応じた着実な昇給を見込むことができます。

有給がとれないことに悩んでいる方

有給を取りやすい病院に転職したいのであれば総合病院などできるだけ薬剤師数が多いところがおススメです。

スタッフの数が多ければ、代わりにシフトに入ってくれる薬剤師も確保しやすくなるため、有給の申請も比較的通りやすくなります。

応募前に、薬剤部のスタッフの数を確認して現在の職場と比較してみましょう。

残業の多さに悩まれている方

残業の多さは病院によりまちまちであるため一概にはいえませんが、国立病院で働く薬剤師は公務員のため残業も少なくなる傾向にあるようです。

これ以外のタイプの病院を希望される方は、事前に職場見学会に参加するなどして残業についてしっかりと情報収集しておくようにしましょう。

病院以外の職場に転職して悩みを解決しよう!

病院薬剤師の悩みを解決するには病院以外の職場に転職することが最も手っ取り早いといえるかもしれません。

ここでは、病院以外のお勧めの転職先を悩み別に紹介していきます。

給料が安いことに悩んでいる方

病院での安い給料に悩まれている方は、職種を問わないのであればドラッグストアへの転職をお勧めします。

給料が高い職種として製薬会社などの企業もあげられますが、こちらは競争率が高く年齢制限もあります。

これに対してドラッグストア業界は慢性的な薬剤師不足に悩まされている状態であり、病院出身の優秀な薬剤師であれば転職はかなり容易に実現できるといえます。

また、年収の面でも病院薬剤師と比べて100~200万円ほど上がることも珍しくはないため、安い給料に悩まれている方にはうってつけの転職先といえるでしょう。

激務や残業の多さ、休日の少なさに悩まれている方

激務や残業、休日の少なさに悩まれている病院薬剤師の方には小規模の調剤薬局がおススメです。

1日の処方箋枚数が30~50枚程度の調剤薬局であればそれほど多忙にはならないため、定時に帰れる可能性が高くなります。

また、メインの処方箋発行先のクリニックの休みに合わせて薬局も休みを取れるパターンが多いため、お盆や年末年始なども長期の休みを取りやすい環境にあるといえます。

有給がとれないことに悩んでいる方

有給をきちんと取りたい方は薬剤師の人数がしっかりと確保されている職場を選ぶ必要があるため、大手チェーン系のドラッグストアや調剤薬局を検討するのが良いでしょう。

こうした職場はスタッフが充足している場合が多く、比較的、有給の申請を通しやすい傾向にあります。

また、チェーン系の店舗は横のつながりもあるため、一つの店舗で人手が足りなくなった場合は別の店舗から応援を借りられることも有給が取りやすい理由の一つです。

夜勤や当直に悩んでいる方

夜勤や当直に悩んでいる方はドラッグストアや調剤薬局などの病院以外の職場に転職することで手っ取り早く悩みを解決できるでしょう。

ただし、ごく一部ですが24時間営業しているというドラッグストアや調剤薬局もあるため応募の際は営業時間はよく確認しておきましょう。

昇進が遅いことに悩んでいる方

早く昇進がしたいという方は小規模調剤薬局がおススメです。正社員の数も少なく、薬局長などのポジションに就くのが比較的容易だからです。

反対にドラッグストアの店長は登録販売者がなるパターンが多いため、注意が必要です。

さいごに

病院薬剤師が抱えている悩みも、このように転職を視野に入れることで十分に解決できることがおわかりいただけたと思います。

いつまでも思い悩んでいるだけでは埒があきません。より良い就労環境を手に入れるために、視野を広げて積極的に行動していくことをお勧めいたします。