MRの求人

MRというのは薬剤師にとって異色の選択肢といった印象が強いですが、最近ではMR職において薬剤師の需要がやや高まってきています。

製薬会社にとっては、医薬品の専門家である薬剤師をMRの人材として育てるのは魅力的なこと。そんなMRの求人状況や転職メリット・デメリットなどについてお話します。

MRの求人は増加傾向

MRの薬剤師の求人は、近頃増加傾向にあります。薬剤師転職サイトなどを覗いてみても、結構な数の募集があり、製薬会社が全体的に薬剤師を欲しているのがわかりますね。

薬剤師にとってMRは異色の選択肢だと冒頭で述べました。「じゃあ募集の数に比べて競争率は低いよね」と思うかもしれませんが、そうとも限りません。

確かに、薬局やドラッグストアに比べるとMR職に就職・転職する薬剤師は少ないです。

ただ、MR職の求人が多くなってきたとはいっても、薬局やドラッグストアに比べると圧倒的に少ないですよね。まず、製薬会社自体の数が少ない。しかも近年薬局からMRに転職しようとしている薬剤師の数が増えています。競争率が低いとは言えない状況になっているというわけです。

MRとして働くには

MRとして働くのには、求人に合格するだけでは足りません。MR認定試験を受ける必要があります。製薬会社に就職をして、そこからMRとしての教育を企業から受けてその後、12月に試験を受けるということになります。

求人に合格できたからといって気が抜けません。MR認定試験に合格しなければMRとして働くことはできないので注意しましょう。

MR認定試験というのは、公益財団法人MR認定センターというところが毎年12月に大阪と東京の二箇所で行っている認定試験。受験資格は、製薬企業で導入教育課程を修了すること。または、MR認定センターの教育研究施設にて基礎教育を300時間受講してその過程を全て修了することになっています。

>>MRの資格についてはこちら

MR認定センターで勉強をし、認定試験を先に受けてから求人に応募すると企業は目からうろこかもしれません。求人は逃げない。認定試験が終わった頃に、また求人の波が来るので、そのタイミングで求人に応募すると確実かもしれませんね。

薬剤師からMRへ転職するメリットとデメリット

昨今、調剤薬局などからMR職に転職する薬剤師が増えています。MRに転職をするメリットとデメリットとはどういったものでしょうか?

薬剤師からMRになるメリット

薬剤師からMRに転職するメリットというのは、給料と安定性です。

薬局だと、最初から給料が高くて頭打ちしてしまうという傾向にあるのですが、MRは給料に頭打ちがあまりありません。バリバリ頑張っていればゆったりと昇給をしていくことが可能です。

その昇給ペースもかなり安定していて、よっぽどのことがなければ平均年収は700万円から800万円ほど。1000万円の年収を超える人も少なくはありません。MRとしてずっと働いていれば、1000万円の年収を得るということも難しくはなく、その給料の高さが最大のメリットです。

企業勤めであることの安定性や福利厚生の充実などもメリットですね。

薬剤師からMRになるデメリット

MRという仕事は、多忙です。残業をすることも少なくはありません。肉体的にも精神的にも苦痛を伴うことが多い仕事。5年ごとに認定試験の資格更新が必要ですし、プレッシャーも強いです。

安定性があるのがメリットと述べましたが、その安定性というのは日々の勉強を怠らなかった場合の安定性です。安定性と引き換えに、労働時間外の勉強や時間外労働を強いられていると言えます。

医師や薬局や医療機関などで働く他の薬剤師とのコミュニケーションも必要になり、対人関係で苦労することも多い仕事。

MRの人数は会社全体でかなり少ないので、ひとりひとりの負担と責任が重くなる。精神的に追い詰められる人も多いです。そんな心身ともに感じることになるであろうキツさというのが、MRへ転職する最大のデメリットでしょう。

まとめ

MRの求人募集は近年増加傾向にありますが、就職するのは大変です。MRには認定試験があり、5年ごとに更新せねばならず、勤め上げるのはそれ相応の努力が必要。転職するメリットも大きいですが、デメリットも大きい仕事です。

自分にはMRが合うのか、メリットとデメリットを照らし合わせてどちらに天秤が傾いたかで判断し、働くと良いでしょう。