薬剤師が転職を考える時に、多くの人が真っ先に考えつくのが調剤薬局ではないでしょうか?

しかし「学生時代に調剤薬局で実習したけれど実際に働くのはちょっと不安・・・」という方も多いと思います。実は私もそうでした。

そこで、そんな不安を抱えるあなたのために、実際に調剤薬局で働くことで得られるメリットを「やりがい」「調剤スキルの向上」「給料」「休日数・残業時間」という4つの視点からみていきたいと思います。

調剤薬局で働くメリット「やりがい」

調剤薬局で働く薬剤師の多くは「患者さんと直に接することができる」という点にやりがいを感じていると思います。これは、仕事のモチベーションを保つうえでも大きなメリットです。

患者さんに「先日の薬はよく効いたよ。お陰で体がすごく調子がいいよ。」と言われたりお礼を言われると、この仕事をやっていて本当によかったなと思います。

また、患者さんの話から副作用の兆候に気づき重大な副作用を未然に防ぐ事ができたり、医師に疑義照会をして副作用を回避するための処方変更がなされた場合にも、薬剤師としてのやりがいを感じます。

私自身、患者さんたちとの会話から咽頭浮腫や横紋筋融解症、スティーブンス・ジョンソン症候群や血小板減少症等の初期症状に気づき医師に報告し、処方変更や患者さんの緊急入院を経験しています。

薬の恐ろしさも実感しましたが、患者さんたちの生命身体が重大な危険にさらされることを未然に防ぐことができたことで、調剤薬局の薬剤師として働くことに誇りを持つようになりました。

その他、コンプライアンス不良の患者さんからその不良の原因を探りあてコンプライアンスの改善ができた時にも、患者さんの役に立てたという実感を得ることができます。

さらに、近年創設された「かかりつけ薬剤師」となればより一層深く患者さんと関わることができるので、やりがいを実感する機会がますます多くなります。

調剤薬局で働くメリット「調剤スキルの向上」

次にあげられるメリットが、調剤スキルの向上です。

軟膏の混合、錠剤の粉砕、散剤をヘラでならす作業等は経験を積めば積むほど上手になります。また在宅医療を行っている薬局ならば注射剤の調剤も経験することがあります。

さらに一人薬剤師の店舗ならば、もっとも効率の良い調剤手順 -例えば、散剤を分包機で分包している間に錠剤のピッキングや水剤の調剤を行う等- を知らず知らずのうちに会得することができます。

その他、調剤スキルとはちょっと違いますが、日々の服薬指導業務でコミュニケーション技術も確実に向上します。

また処方せんの内容から、患者さんの体調変化をくみ取れるようにもなります。

取り扱う診療科や置かれる状況によって得られるスキルは異なりますが、一度会得すれば決して無駄にはならないものばかりです。

そして、これらのスキルはマニュアルを読んで得られるものではありません。調剤の現場で経験を積まなければ得られないものなのです。

これはとても大きなメリットといえますよね。

調剤薬局で働くメリット「給料」

調剤薬局勤務の薬剤師の給料は年収350万円~600万円程度と言われています。この金額は経歴や役職により変わってきますが、一般的に病院薬剤師より高めです。

また、薬剤師の少ないエリア・交通アクセスが悪い地方では年収が高くなる傾向があり、700万円超の金額を提示しているところもあります。

このようなところを選べば、平均をはるかに上回る収入を得ることができます。

なお、交通アクセスが悪い地方への就職は敬遠されがちですが、引越し費用が出たりすることも少なくないです。

またリゾート地が近い場合もあるので、場所によっては休日に海や山でリフレッシュすることも可能です。

調剤薬局で働くメリット「休日数・残業時間」

調剤薬局は近隣の医療機関と休みが連動していることが多いです。

大病院では土日・祝日休みの所も多いですし、個人医院の場合は日・祝日に加えて週に2回ほど半日休みというところもあります。

それに合わせて薬局も開局日・開局時間を設定している場合が多いので、比較的休みが多い職場と言えます。また、年末年始や夏季に比較的長く休暇が取得できる場合もあります。

残業もまた、近隣の医療機関の処方せん枚数や受付時間によるところが大きいと言えます。

どの調剤薬局でも、処方せん枚数が多い日には残業が発生する可能性があります。

しかし総合病院などは予約診療がほとんどで診察終了時刻も早めなので、こういった病院の門前薬局ならば残業も比較的発生しにくいです。

最後に

以上、調剤薬局で働くメリットを「やりがい」「調剤スキルの向上」「給料」「休日数・残業時間」という4つの視点からみてみましたけれど、どうでしたか?

4つの項目のうち一つでもメリットとして感じられるのなら、調剤薬局を転職先の候補の一つとして考慮してみてはどうでしょう?

調剤薬局での経験は、あなたにとって決して無駄にはならないと思いますよ。