薬剤師の多くが転職先として一度は考えるのが調剤薬局ですよね。

でも転職してから「ちょっと待って！こんなの聞いていないよ！」と後悔したくないですよね。

そこで、求人探しを始める前に知っておきたい調剤薬局のデメリットをあげてみたいと思います。

調剤薬局勤務のデメリット「慣れるまでが大変」

保険調剤

調剤薬局の多くは保険調剤を行います。そして薬剤師は「保険薬剤師」として登録することになります。登録は簡単で、申請するだけで保険薬剤師になれます。

しかし調剤料の点数算定方法やその解釈・保険請求までのすべてを保険薬剤師の責任で行うことになります。

したがって健康保険や介護保険の知識が必要となりますし、保険調剤の内容や点数・料金に対する患者さんからの質問にも答えられる知識が要求されます。

確かに仕事をしているうちに徐々に理解できるようになるものですが、できれは就職前にある程度知識をつけておくことが望ましいです。

煩雑な作業

調剤の一連の業務は煩雑な作業を伴うものが多いです。

用法用量・禁忌・相互作用・重複投与などのチェック、散剤・水剤・軟膏の計量混合、錠剤の粉砕、薬剤の一包化、調剤した薬剤の監査、疑義照会･･･。

どれもこれも集中力が必要ですし、一歩間違えば患者さんに重大な不利益をもたらす可能性があるので非常に神経を使います。

慣れてくれば短時間でできるようになるものもありますが、気を抜くことはできません。

そのため、関わる処方せん枚数が多いとストレスは相当なものとなります。

薬局ごとの細かいルール

薬局には調剤に関する細かいルール（内規）があります。そしてこの内規は、チェーン店であっても店ごとに異なる場合があります。

これらの違いは、応需する医療機関の各内規にあわせて調剤するために生じます。

例えば、散剤の処方量が微量で賦形をする場合、一包あたり何を何グラム賦形するかというのは薬局ごとにルールが違います。

水剤を作るときに原液で調剤して目盛りのついたカップを渡すのか、メスアップしてボトルに目盛りを書いて渡すのかといったことも店によって違います。

その他、分包紙の幅や印字の方法、マーカーでラインを付ける方法まで事細かに決められていることがあります。

医療機関ごとに調剤方法を変えている場合すらあります。

異動のない小規模薬局では一度慣れてしまえば混乱は少ないのですが、チェーン店で異動や他店舗への応援が頻繁にある場合はそのたびに内規を覚え直さなくてはならないので大変です。

調剤薬局勤務のデメリット「患者さんからのクレーム」

残念ながら、患者さんの中には「クレーマー」に分類される方々がいます。

クレームを言う方は大体決まっているので、薬局全体で対策を講じることができないわけではありません。

ただ、そういった患者さんが重なった場合や対応できないほど忙しい場合には、本当に辛い思いをします。

調剤薬局勤務のデメリット「完全週休二日とは限らない」

調剤薬局は近隣の医療機関と休みが連動していることが多いです。

大病院では土日・祝日休みの所もありますが、個人医院の場合は完全に休みなのは日・祝日だけというところもあります。

こういった医療機関の門前薬局の場合、勤務体制が週4日フルタイムで週2日は半日勤務という場合があります。

週40時間を超えないように時間調節されている場合が多いですが、年間休日数は少なくなります。

また、公立病院の多くは盆休みがないので、門前薬局もそれに合わせて営業するということになります。

さらに、休日夜間の受付を医療機関から求められる場合もあり、シフトが変則的になる場合もあります。

その他、一人薬剤師の店舗では応援体制が整っていないと休みづらいです。

調剤薬局勤務のデメリット「忙しさが処方せん枚数と比例するわけではない」

処方せん受付枚数は薬局の忙しさを見る指標にはなりますが、必ずしも枚数と忙しさが比例するわけではありません。

眼科などの処方せんは枚数が多くても負担が少なめなことが多いです。

一方で、処方せん枚数が少なくても一包化・錠剤粉砕などが多い場合は大変な作業になります。調剤だけで30分以上かかることもあります。

こういったことを考慮せず、処方せん枚数だけで就職先を決めると後悔する可能性があります。

まとめ

以上、調剤薬局で働く上で生じがちなメリットをあげてみましたが、どう感じましたか？

「やっぱり調剤薬局で働くのは難しいかもしれない」と思われた方もいるかもしれません。

でも、デメリットを上回るメリットがあることも事実です。

就職活動の際には上記のデメリットに注意して自分に最もあっている職場を探せば、失敗は少なくなります。

確かに慣れやクレームに関しては致し方ない部分がありますが、年間休日数や休みの曜日、常勤の薬剤師数やヘルプ体制、応需する科目や1日の処方せん枚数及び内容は事前にチェックすることができます。

その他、チェックすべき点としては職場の雰囲気や転勤の有無があげられます。

調剤薬局の求人は非常に多いです。つまり、選択肢が非常に豊富だということになります。

多くの選択肢の中から「これだ！」と思うような職場を見つけてくださいね。