どんな職業でもストレスはあります。

しかし、調剤薬局の薬剤師のストレスは過誤につながり、患者さんに重大な不利益を与える可能性があります。

そこで、調剤薬局の薬剤師ならではのストレス要因とその解決方法について検討したいと思います。

調剤業務にかかわるストレス

調剤業務は内容が煩雑な上に、細かい内規があることも多いです。またいずれの作業もミスが許されないので非常にストレスが溜まります。

そこで、調剤業務にかかわるストレスを軽減するために、業務の単純化・簡易化をおすすめします。

例えば…

  • PTPシートはできるだけ10錠シートにする
  • 分包紙に塗るマーカーの色(用法ごとの色分け等)を統一する
  • 分包紙への印字方法を統一する
  • 賦形の方法を統一する
  • 一包化でよく使う錠剤や半錠にすることの多い錠剤はバラ錠を購入する
  • 混合することの多い軟膏はバラ品や規格の大きいチューブ品を購入する
  • 散剤は100g程度の小包装のあるものは小包装品を購入して充填作業をなくす
  • 約束処方で処方せんに記載される順番が決まっている散剤・水剤は処方せん通りの順番に並べる
  • 規制薬や類似薬の棚卸を毎回全品目行うのではなく出入庫のあった薬剤のみ行う

このような方法があります。

処方せん発行元や患者さんの希望もあるので難しいとは思いますが、作業を単純化して例外を減らすだけで、ストレスはだいぶ軽減されます。

調剤以外の業務にかかわるストレス

診療報酬にかかわるストレス

保険調剤を行う薬剤師は皆保険薬剤師で、診療報酬の内容を理解していることが求められます。

しかし、診療報酬の内容を不得手とする薬剤師は多いです。

にもかかわらず、患者さんに保険点数について質問されたら答えなければならないですし、加算ミスがあった場合には入力を直す必要もあります。

入力に関しては事務さんに任せることができるかもしれませんが、知識がなければミスを指摘することすらできません。

大きなミスの場合はレセプトが返戻されることもあるので、責任重大です。

多くの薬剤師は経験から診療報酬の内容を理解していくものですが、完璧に理解するのは難しいものです。

このような診療報酬にかかわるストレスを軽減するには、調剤事務の資格が取れる通信講座の受講をおすすめします。

通信講座ならば休日やスキマ時間を利用して勉強できますし、教科書やDVDをみるだけでも診療報酬について詳しくなります。

診療報酬は頻繁に改定されるのでフォローが大変ですが、基本を理解していれば改定があってもストレスがだいぶ少なくなります。

入力ミス等のストレス

レセコンの入力ミスも、時にはストレスの原因となります。

技術料等の加算のミスがあると、患者さんの負担金が変わってきます。返金・追加請求の連絡をするのは結構なストレスになります。

さらに、用法や用量が薬袋にそのまま印字される場合には、入力ミスが負担金のみならず患者さんの飲み間違いにもつながります。

こういった入力ミスは、処方の変更があった場合に多発します。

したがって、服薬指導前のチェックの際に処方の変更がなかったか確認するといいでしょう。

変更があった場合には、加算もれがないか、用量用法がしっかり処方せん通り入力されているかどうかを確認します。

こういった確認は、電子薬歴だと比較的簡単にできるようになっています。紙薬歴の場合でも、変更点にマーカーで印をつける等の工夫でチェックはしやすくなります。

拘束時間にかかわるストレス

多くの調剤薬局では、シフトは1日8時間もしくは週40時間で組まれていると思います。

ただ、日によっては勤務時間が長かったり残業が生じる場合もあります。完全週休2日でない職場も多いですし、会社から携帯電話を渡され休日に電話待機をすることもあります。

このように拘束時間が長いと、誰でもストレスを感じるものです。

こういったストレスを解消するには、シフトや業務配分の見直しを行ったり、服薬指導に力を入れて不要不急の電話連絡を減らすといった努力が必要です。

また、どうしても休みたい場合には一緒に働いているメンバーと相談をして譲り合って休みを取るのが良いでしょう。

シフトを見直す場合は長時間勤務が続かないようにするのはもちろんのこと、残業が予想される場合には予め残業時間も含めてシフトを組む工夫も必要かもしれません。

また各薬剤師の負担が偏らないように、業務に関するタイムテーブルを作って発注業務や在宅医療の担当者の負担を減らすと良いでしょう。

チェーン店ならではのストレス

チェーン店では、他店舗からの応援依頼があったり異動があるのが当たり前です。しかし、応援や異動でなれない店舗で仕事をすると非常に緊張しますし、ストレスもたまります。

そこで、応援依頼に対しては可能な限り店舗ごとに担当者を決めると良いでしょう。例えば応援先の店舗での勤務経験がある人ならば、応援先でのストレスもだいぶ少ないでしょう。

また異動の場合は、慣れるまで他の人に監査をしてもらうと安心です。

人間関係にかかわるストレス

職場の人間関係

どの職場でもあることですが、人間関係はストレスの要因となります。

いわゆる「ハラスメント」に当たるものは会社の担当者に相談するべきですが、ちょっとした行き違いであれは「報告・連絡・相談」をすることで解決される問題もあると思います。

例えば、休みのとり方やシフトの変更、調剤ミスのフォロー、患者さんからのクレーム等は上手に情報共有しないと職場の雰囲気が悪くなる可能性があります。一方で情報共有することで問題解決できる可能性もあります。そこで「連絡ノート」のようなものを作ると良いでしょう。

紙に書くことで情報を整理することができますし、シフトの関係ですれ違いになってしまう人とも情報共有することができます。

患者さんとの人間関係

また、患者さんとの人間関係もストレスの要因となることがあります。

話をしてくれない患者さんや不機嫌な患者さんと接するのはつらいものです。一方で、かかりつけ薬剤師となって担当の患者さんとの関係が深くなると、患者さんの状態が悪化した時につらい思いをすることもあります。

解決方法として、話をしてくれない患者さん等に対しては、ポイントを絞って重要なことだけ伝えるようにします。

こういったことを繰り返すことによって、心をひらいてくれる方も中にはいらっしゃいます。

一方で親しくなった患者さんの状態が悪化した時につらくても、自分を責めないで下さい。

過誤を起こした場合は別ですが、多くは患者さんに起こるべくして起きる症状なのです。どうにもつらい場合には、その事実を受け止め自分のものとし、次に同じことが起きないよう仕事の糧としてください。

まとめ

以上、調剤薬局の薬剤師ならではのストレス要因とそれを解決する方法を検討してきましたが、いかがでしたか?

もちろん、すべてのストレスを解決することは難しいものです。しかし薬剤師のストレスは調剤過誤の原因にもなります。

「努力をしているけれどストレスが減らない」「薬局・会社の教育・管理体制に問題があるのかもしれない」と悩む方もいるでしょう。

そういった場合には、転職という選択肢もあると思います。

ただ、ストレスから逃げたいために適当な職場に転職すると同じ失敗を繰り返すことになります。自分にとって最適な職場を見つけるために、広い視野で転職先を探しましょう。