学校薬剤師の仕事内容

薬剤師の勤務先として一般的に知られているのは、病院・薬局・ドラッグストア・企業などでしょう。メジャーではありませんが、学校も薬剤師の勤務先になっています。では、学校の薬剤師というのは具体的にどのような仕事をするものなのでしょうか。

学校薬剤師の仕事内容と役割

学校薬剤師は、教師や医師などと協力し、学校での保健の仕事をします。

学校薬剤師の仕事内容

学校薬剤師の仕事内容として最も薬剤師らしいのは、保健室や理科室の薬品点検です。保健室や理科室にはさまざまな薬品があるので、当然薬剤師の資格を持つ人が管理などを行わなくてはいけません。

学校内においてある薬品についての、使用上の注意・保管する上での注意点などについて保健の先生や理科の先生などに指導し、アドバイスします。劇物や毒、引火する恐れのあるものなどについては特に厳しくチェックし、指導。災害時にどのような対応をとるのかなどさまざまなことを教師陣に指導します。

近年、学校のごみ処理問題が取りざたされていましたね。焼却炉はダイオキシンが発生するため禁止となったり、3Rを生徒たちにも徹底させたりと、ごみ処理に関して厳しくなっています。薬剤師がごみの分別方法やリサイクルの方法などについて指導をするということも多いです。

そのときは、薬学的な物の見方で(これを燃やしたら、どういう物質が出てどういう影響を及ぼすかなど)説明する必要があります。

家ではゴキブリを結構見るのに、学校ではゴキブリを見ないということがあったでしょう。薬剤師が学校で衛生害虫の駆除などの仕事も行っているからです。薬剤師が駆除に関わるのは、殺そ剤や殺虫剤を使用するため。どのような使い方が正しいのかを指導したり、自ら使用したりします。

夏になるとプールが始まります。そのプールの検査をするというのも薬剤師の仕事です。塩素濃度などをはかったり、水質が安全に保たれているかを必ず朝一番でチェックします。実際に水に塩素を混ぜるのも薬剤師の仕事です。

他には、飲料水の安全を検査したり、学校給食・食堂の衛生管理・薬物乱用防止運動の実施・教室の照明の光度検査・騒音チェックなども行うことがあります。

学校での薬剤師の役割

学校での薬剤師の役割というのは、医師や教師たちと連携をとって学校保健に関わること。学校保健委員会に参加して、近頃の環境問題や健康問題についての情報を集めたり医薬品の情報を集めて共有したりします。

学校の安全と健康をつかさどるのが学校薬剤師というわけですね。

学校薬剤師に必要なもの

学校薬剤師は、薬剤師であれば誰でもなることができます。その他に必要な資格はありません。教員ではないので教員免許も不要です。学校薬剤師に必要なのは、そういった資格的なものではなく、能力・知識面でのもの。

学校教育に関する知識や近頃の社会の動向などさまざまな知識が必要になります。さらに、人間性まで問われますよ。教育者ではなくとも、学校という教育機関で仕事をするわけですから、子供と関わることもあります。そのため、教育するにふさわしい人間性があるかどうか、教育を理解しているかなど、さまざまな条件をクリアしなければいけません。

薬剤師免許があるからなれるというものではないということですね。

学校薬剤師になるデメリットや大変さ

学校薬剤師は、さまざまな分野に携わることができるのが最大の魅力。薬剤に関することだけではなく、各種の衛星検査や学校保健に関わることまで、広い業務内容が魅力でありメリットです。

学校薬剤師のデメリットを挙げるとすれば、その裏返し。業務内容が広いことで発生する大変さですね。薬剤師の得意分野・専門分野は医薬品や薬剤に関することです。どうしても、専門分野外の仕事をすることもありますし、薬剤師として仕事をしている実感も得にくくなります。それが一番のデメリットと言えるかもしれません。

まとめ

保健室や理科室においてある医薬品や劇物の管理から学校全体の衛星管理に関わることや教員たちへの指導まで幅広い業務内容を行うのが学校薬剤師。

学校薬剤師として働くのであれば、子供たちの安全な成長のために尽くす気持ちが大切です。