「調剤薬局に就職したいけれど、どんな職場なんだろう?」「現職の薬剤師たちはどんなことで悩んだりしているのだろう?」そんな風に思って就職を躊躇している方もいるかもしれませんね。

そこで、調剤薬局の薬剤師が抱えがちな悩みをピックアップして、悩まないための職場選びのポイントを考えてみたいと思います。

調剤薬局の薬剤師の悩み ①人間関係

調剤薬局では限られた空間で長時間同じメンバーで作業をするので、人間関係がギクシャクしやすいという話をよく聞きます。

また、女性の多い職場なので非常に気をつかうという話も聞きます。

人間関係がうまく行かなくて退職する人も確かにいます。でも、それは調剤薬局だから人間関係が特別に悪いというわけではないと思います。

確かに調剤薬局での一連の作業は、複数人が関わるチームプレーです。途中で逃げることもできません。事務さんも含め女性が多いのも事実です。

しかし、雰囲気の悪い職場ばかりではありません。人間関係がうまくいっている薬局も多いです。

そういった薬局では、事務さんと薬剤師、あるいは正社員とパート従業員との間で格差がなく、互いに尊敬しあって仕事をしているように思います。

就職してから人間関係で悩まないようにするためには、職場訪問をするのが良いでしょう。

特に、事務さんと薬剤師が仲良くしているかどうかをみれば、その薬局の人間関係がわかるといいます。

患者さんが少ない時に事務さんがニコニコして薬剤師と接している薬局は、たいてい人間関係がうまくいっている事が多いです。

また、一般的に女性が多いと人間関係に気をつかうと言われているので、男女比を確認するのも良いでしょう。

さらに、どうにも人間関係がうまく行かなくなったときの逃げ道として、異動が可能かどうかも調べておくといいでしょう。

チェーン薬局ならば異動が可能なことが多く人員の入れ替えもありますが、中小規模の薬局では異動が全くない場合もあるので、人付き合いが苦手な人は考慮したほうがいいかもしれません。

調剤薬局の薬剤師の悩み ②勤務体制

調剤薬局は、比較的拘束時間が長く完全週休二日制ではないことも多いです。残業が多い薬局もあります。

また、他の薬剤師が急病やインフルエンザなどにかかった場合には、頭数を揃えるために休日を返上して出勤しなくてはならない時もあります。

そのため、プライベートを重視する人にとっては若干働きづらい職場と言えます。特に、子供が小さいうちは運動会などに合わせて休みが取れる保障がないので、つらい思いをすることもあります。

就職してから休みが少ない・残業が多いなどの勤務体制に関することで悩まないようにするためには、以下のことをチェックして就職活動すると良いでしょう。

まず、休日について確認をします。完全週休二日制なのか、休みは固定されているのか、といった点をチェックします。年間休日数が120日程度ならば、完全週休二日制とみて良いでしょう。

次に、応援体制があるかどうかの確認が必要です。他店舗からの応援体制が充実していれば、比較的休みは取りやすいです。チェーン薬局では応援体制が充実していることが多いので、この点では有利でしょう。

さらに、残業時間も可能ならば確認します。季節によって残業時間が増えることもあるので、その点もチェックできると良いです。

残業時間が明確でない場合には、処方せん枚数と常勤薬剤師数を確認します。

応需する科により若干違いはありますが、一日の処方せん枚数が薬剤師一人あたり30枚を超えるとすごく忙しいと感じます。35枚を超えると、業務時間内に仕事を終えるのが難しくなります。

なお、一日の拘束時間についても注意が必要です。いわゆる「中抜け時間」が長いと、拘束時間も長くなります。拘束時間が長いと疲労感は増すものなので、だんだんつらくなってきます。

調剤薬局の薬剤師の悩み ③異動・他店舗応援

チェーン薬局でよくあることですが、ある程度仕事に慣れた頃に異動があったり、他店舗への応援に行かなければならない事もあります。これらも悩みのタネになります。

なれない店舗での勤務は、とても緊張します。見慣れない処方や扱ったことのない薬剤、初対面の患者さん・・・何もかもが初めてなのに、当然のことながらミスは許されません。

また新人ではないので、その店舗の常勤薬剤師が手取り足取り教えてくれるわけでもありません。

もちろんフォローはしてもらえますが、ある程度仕事ができることが前提となっているので、わからないこと・困っていることは自分から聞かなければ教えてもらえないこともあります。

このようなことで悩まないためには、就職活動時に異動の有無を確認するといいでしょう。

チェーン薬局では異動はあるのが当たり前ですが、中小規模の薬局ならば異動がない場合もあります。

また、「応援体制が充実している」ことをアピールしている薬局は、裏を返せば応援に行く可能性があるということなので注意が必要です。

調剤薬局の薬剤師の悩み ④勉強

調剤薬局に就職すると、薬剤について覚えるべきことが多いので大変な思いをすることもあります。

特に大病院の門前薬局ではありとあらゆる科を応需することになるので、就職した直後は誰もが毎日添付文書や医薬品集とにらめっこです。これに挫折して調剤薬局を辞めてしまう人もいます。

せっかく調剤薬局に就職しても勉強が追いつかず、悩んで辞めてしまうのは残念なことです。

そこで知識量に自信がない場合は、単科の医院あるいは病院の門前薬局に就職すると良いでしょう。大手のチェーン薬局では希望の店舗に就職できるとは限らないので、中小規模の薬局のほうがおすすめです。

単科であれば、比較的ストレスも少なく勉強することができます。そういった店舗でキャリアを積んで自信をつけてから、総合科目を応需している薬局へ転職というのも良いと思います。

一方で、調剤薬局は病院に比べて勉強会などが少ないと言われています。これを悩む薬剤師も少なくありません。

確かに勉強会は病院に比べて少ないですが、薬局の規模にかかわらず定期的に勉強会を行っている薬局も少なくありません。

また勉強会があることをアピールしている薬局もあります。その他、e-ラーニング受講の補助がある場合もあります。

就職活動時に勉強会の内容や頻度まで確認するのは難しいですが、面接時に聞いてみると良いでしょう。

まとめ

以上、調剤薬局の薬剤師が抱えがちな悩みをピックアップして、悩まないための職場選びのポイントをあげてきましたけど、いかがでしたか?

どんな職場でも悩みはつきものですが、悩みは少なければ少ないほどいいですよね。

就職活動時には待遇面だけでなく、よりよい環境で働くための様々な要因をしっかりチェックする必要があります。

つまり、「職場の雰囲気」「男女比」「休日日数」「拘束時間(中抜け時間の長さ)」「残業時間」「処方せん枚数」「常勤薬剤師数」「異動の有無」「応援体制の有無」「主に応需している科目」「勉強会の頻度」などです。

もちろんこれらすべてをチェックするのは難しいので、自分にとってストレスとなりうる項目に絞って確認すると良いでしょう。

就職してから悩みを抱えないように、最高の職場を見つけてくださいね。