臨床開発薬剤師の仕事内容

臨床開発というのは、新薬開発に携わるということ。QA、QC、DMなどさまざまな部門で薬剤師が関わることになるのですが、それぞれの仕事内容とはどのようなものになっているのでしょうか。

臨床開発における薬剤師の部門別仕事内容

QAの仕事内容

QAというのは、品質保証部門。何の略かというと、「Quality Assurance」の略。直訳すると品質保証と、そのままですね。医薬品が製造されて出荷されるまでの過程をデータ化し、評価・検証。不良品が出ていないかなどを徹底的に調査し、不良品を出さないようにするのが仕事です。

医薬品での不良品というのはとても重大な問題。下手をすれば患者さんに害を与えてしまうこともあるので、厳重に管理しなくてはいけません。万が一不良品が出たというときにはその不良品の原因には何があるのかを調査。製造の過程を改善し、不良品が出ないようにします。

また、製造過程を最適化し、スムーズにすすめるようにするのも重要な仕事ですよ。QAは、医薬品のクオリティや、製造過程の効率をよくするというのが主な仕事というわけです。

QCの仕事内容

QCというのは、「Quality Control」の略。直訳すると品質制御。平たく言えば品質を管理する部門のことですね。臨床開発の実際の現場で適切な治験が行われているのかどうかをデータ化し、評価・検証します。

臨床開発モニターが実際の現場で作成した報告書なども徹底的に検証し、新薬をつくるためのデータとして、フィードバックをするというのも大切な仕事です。

QAが実際の製造現場に密着して品質を向上させるものだとすれば、QCは理論やデータ・化学的な側面からアプローチをかけて、医薬品の品質を向上させるものだと言えますね。

DMの主な仕事内容

DMというのは、「Date Management」の略。直訳すると情報を取り扱うということ。部門の名前で言えば、そのままでデータマネジメント部門ですね。

仕事は、臨床開発モニターから受け取った治験データをデジタル化するためのシステムをつくって、実際にデータをデジタル化・管理するというものになります。

治験でどのようなデータがとれたのか、集計をしたり解析をしたりして、信頼できるデータを確保しておくという大切な仕事ですよ。

臨床開発薬剤師に求められるスキル

求められる知識は、薬剤師が一般的に持っている薬学の知識だけではありません。治験に関しての知識や、英語力なども必要になります。

治験に関係することも多いので、治験で使われる用語や、治験が実際どのようにして行われるものなのかなどを知識として蓄え、いつでも取り出せるようにしておく必要があるのです。

また、グローバルデータを活用することもあるので、薬剤師としての英語力は必須。日常の読み書き程度でいいですが、それに加えて薬学の専門用語や医療用語なども読み解けるようにならなくてはいけません。そこまで重要なものではありませんが、ドイツ語のスキルもあったほうが良いですね。

臨床開発薬剤師のやりがい

臨床開発薬剤師のやりがいは、各部門によって異なります。

QA部門で働いている薬剤師であれば、自分の働きで安全で高品質な医薬品が作られているのだということを実感し、患者さんのためになっていることが目に見えずともわかることがやりがいだと答える人が多いようです。

QC部門で働いている薬剤師もQA部門で働いている薬剤師と同じようなことをやりがいとして働いている人が多いようです。アプローチをかける方向は違いますが、目指すのは品質向上安全性の向上と同じですからね。

DM部門で働いている薬剤師の方は、データの取り扱いが楽しいと答える人も多いようですね。自分がデータを分析していることによって、誰かの役に立つ。自分の脳が誰かの役に立っているということに喜びを感じるようです。

まとめ

臨床開発薬剤師の仕事内容及び役割は、各部門によって「品質や製造過程の効率向上」「データによって医薬品の品質を高めること」「より信頼できるデータを確保すること」となっています。それぞれどれもやりがいを感じることのできる職場です。