岐阜県の企業薬剤師の求人は、他の地域と比べて特別多いとも少ないとも言えません。ただし、少しだけ珍しい傾向というものが、全体的にあります。その傾向というのがどのようなものなのかということについては、これからいろいろと語る中で判明していくのでお楽しみに。
岐阜県は全体的に、企業の求人において一般薬剤師よりも管理薬剤師の募集のほうが多くなっています。特に薬キャリで探した場合、2016年5月時点で岐阜県の企業薬剤師の公開求人数は4件でしたが、そのうち全てが管理薬剤師の募集でした。
岐阜県で出回っている全ての企業薬剤師の求人がそうとは言いませんが、多くが管理薬剤師の募集なのです。管理薬剤師として経験のある人は転職がしやすく、管理薬剤師として経験が無い人には少し厳しいかもしれませんね。
岐阜県の製薬会社・薬剤師求人
製薬会社の求人状況
珍しい傾向というのがどのようなものか、ここですでに判明します。どの地域も、企業薬剤師の求人と言えば製薬会社の求人が多いです。企業薬剤師を募集している企業が限定的である場合、その多くは製薬会社の求人となっています。岐阜県は限定的なわけではありませんが、製薬会社の求人がとても少ないのです。
たとえば冒頭で薬キャリの2016年5月時点での岐阜県における企業薬剤師求人数が4件であることを述べましたが、そのうち製薬会社の求人は0件となっています。他のサイトで探してみても、見当たりませんでした。どこの地域でも、たいてい1件は見つかるものなのですが、非常に珍しい求人状況です。
求人を見つけることができず、岐阜県の製薬会社について語っている口コミなども見られないため、年収や福利厚生にどのような傾向があるのかを述べることはできません。
ただ、製薬会社の事業所が無いというわけではないため、事業所の名前で探したり、会社の採用ページから探せば、求人が見つかることもあるかもしれないのではないでしょうか。
岐阜県の製薬会社リスト
- 株式会社奥田又右衛門膏本舗
- 大日本住友製薬株式会社岐阜営業所
- 協和発酵キリン株式会社岐阜営業所
- 合名株式会社東宝製薬
- 小林薬品工業株式会社/岐阜営業所(各部署毎に営業所有り、工場も有り)
- エーザイ株式会社岐阜出張所
上記のリストは、gooタウンページから抜粋しております。上記の企業のホームページに採用情報ページがある場合、そこから岐阜県の情報にアクセスし、求人情報を得ることも可能です。求人があるかどうかは別ですが、探す価値はあるでしょう。小林薬品工業については、工場の求人を探せば、薬剤師の仕事も見つかるのではないでしょうか。
岐阜県の各種メーカー・薬剤師求人
岐阜県でメーカーの薬剤師求人を調べたところ、2016年5月現在、公開求人で1件見つかりました。ただし、法人名非公開であり、何のメーカーとは書かれていないため、何メーカーかは不明です。仕事としては薬事の仕事であるため、薬品関係のメーカーであることが考えられるでしょう。
ただ、想定年収には残業代が含まれているため、毎月ある程度の残業があり、みなし残業となっていることが予想されます。みなし残業ということは、どれだけ残業をしても給料が同じということです。さらに、基本給が低く設定されているということでもあるでしょう。
モデル年収としては、40代課長で650万円、50代部長で800万円なので、低いかもしれません。ただ、役職手当や技能手当など手当の制度が充実していますし、各種保険・社員旅行などの福利厚生もあります。土日休みで長期休暇もあるということで、しっかりと休みたいという人にはいいかもしれませんね。
岐阜県の臨床開発・薬剤師求人
CRAは少ないが、CRCは多い
岐阜県の臨床開発において、臨床開発モニター(CRA)の求人は少ないのですが、治験コーディネーター(CRC)の求人は多い傾向があります。CRAに関しては求人が無いといっても良いかもしれません。
少なくとも、2016年5月現在の公開求人では、CRAの求人は出回っていませんでした。近日中に求人が発生する可能性も低く、長い目で探す必要があるでしょう。
岐阜県の医師会は、治験に対してとても積極的な特徴があるため、治験コーディネーターが多いのはそのためであると考えられます。また、地理的にも近隣にあたる愛知県と協力をすることも多いようです。
求人傾向と治験会社について
岐阜県ではCRCの求人が多いのですが、岐阜県にはSMO(治験会社)の求人があまりありません。岐阜県にある治験会社といえば、株式会社新日本化学臨床薬理研究所などとなります。
一昔前は岐阜県にはほとんど治験会社が無かったようですが、近年数件の会社が岐阜県に事業所を設置しているためか、求人数は多くなっているようです。
これは中途採用での入職時の給料であり、低かれ高かれこれからさらに上がっていくことが期待できるでしょう。一概に給料が低いとは言えませんね。ただ、他の会社の場合は先ほど述べたように300万円から400万円なので、給料についてこだわりたい人は、新日本化学臨床薬理研究所の求人を探してみると良いでしょう。
岐阜県のその他企業薬剤師求人
公開求人では医薬品卸会社が多い
岐阜県の公開求人で、企業薬剤師求人を探した際に多く出てきたのが、医薬品卸の求人です。薬キャリでは4件中4件が管理薬剤師だったと述べましたが、そのうちの半分が医薬品卸企業となっています。医薬品卸企業の倉庫で働く管理薬剤師を募集しているのです。
業務内容は倉庫内の医薬品管理業務や、職員に対する薬事の教育指導などとなっています。
給料は350万円から500万円程度、土日休みの完全週休二日で、長期休暇の制度も整っています。年収が少なくても350万円ということで、決して低くはないでしょう。休みについては長期休暇は制度としてあるというだけで、実際に取れるかどうかは定かではありませんが、制度があるだけでも良い傾向です。
管理薬剤師でしかも企業薬剤師の募集ということで、いずれの業務も経験したことが無いという人は不安でしょう。しかし、岐阜県の医薬品卸の求人を見ると、未経験OKとしているところがほとんどであるため、未経験でも安心して応募してください。
福利厚生は、薬剤師手当・営業手当・生計補助など、財形貯蓄に共済会傷病休暇積立、介護休暇に出産休暇、育児休暇に福利厚生クラブ加入などがあります。比較的整っているほうではないでしょうか。体制が整った会社で働きたいという人は、意外と医薬品卸が狙い目かもしれませんね。
専門商社の求人も多い
薬キャリの求人の半数が医薬品卸でしたが、もう半分は何かというと、専門商社の求人です。これも管理薬剤師の求人となっています。中途採用求人に設定されている給料は、年収340万円から660万円というものと月収25万円から45万円までというものがありました。
給料のふり幅が大きいのですが、専門商社はおそらく、年収の伸び率が良いのでしょう。薬剤師はスタートの給料が良いのですが、頭打ちが早い傾向がありますが、専門商社ではその傾向とは逆になっていると思われます。一般企業とあまり変わらないということですね。
福利厚生も充実しているため、医薬品卸と同じく狙い目でしょう。
まとめ
岐阜県は治験コーディネーターや、医薬品卸・専門商社での薬剤師の求人が多く製薬会社の求人が少ないという、やや珍しい地域です。治験コーディネーターの場合は年収が低いまま、もしくは最初から高く、頭打ちする傾向があります。
専門商社や医薬品卸の場合だと高い年収を期待できるでしょう。自分がどの仕事が向いているのか、どの仕事の求人傾向に惹かれたのかによって、希望転職先を決めると良いかもしれません。