香川県の企業薬剤師は、全体的に求人数が少ないです。製薬会社、臨床開発・医薬品商社とその幅はあるのですが、それぞれの求人数が少ないという傾向があります。ただ、製薬会社の事業所数は多いため、求人が出回る可能性は多いにあると言えるでしょう。

全体的な傾向としては以上のようなものですが、それぞれの会社・業種ごとの傾向としてはどのようになっているのか、ひとつずつ簡単に説明します。

香川県の製薬会社・薬剤師求人

香川県の製薬会社ではどのような職種が募集されているのか

香川県の製薬会社は、MR・品質保証・研究開発及び検証などさまざまな職種が募集されています。ただ製薬会社は新卒採用がメインとなっているため、中途採用の数はそれほど多くはないようです。

中途採用は未経験者採用ではなく、ある程度の経験を有する経験者採用であることが多くなっているため、それぞれの業務を経験したことが無い人にとっては、製薬会社はハードルが高いと言えるでしょう。中には未経験者採用のある求人もありますが、数としてはごくごく少数です。

製薬会社で働く薬剤師の状況と傾向

製薬会社で働く薬剤師は、比較的給料が高いです。製薬会社の新卒採用を見ていると、初任給がわかります。

初任給は22万円から28万円というのが一般的なようですが、薬剤師は特殊業務手当や薬剤師としての資格手当が含まれていることがあり、比較的給料が高くなるのです。つまり22万円から28万円の中の、28万円に近い数字の給料がもらえるということになります。

中途採用を見ていると、450万円から600万円程度に年収が設定されている求人が多いです。新卒から高い給料を得て、そのまま経験していくと450万円から600万円、長く働いてそれなりのポストに就けばそれ以上も可能ということになります。香川県の企業薬剤師の中では特に給料が高いほうです。

もちろん、応募する職種によっても年収が上下してくるため、一概には言えません。ただ、年収が高い代わりにワークライフバランスは犠牲にしています。残業が多く、休日出勤もありえるという話です。会社によっては残業代が出ないということもあるとのことなので、会社選びは慎重にしましょう。

香川県に事業所を置く製薬会社リスト

  • 増田化学工業株式会社
  • 英和化学株式会社
  • 大杉製薬株式会社高松営業所
  • イヌイ株式会社高松営業所
  • 日本製薬株式会社四国支店
  • 日本メジフィジックス株式会社高松事務所

香川県の各種メーカー・薬剤師求人

香川県ではメーカーの薬剤師求人が少ないのですが、2016年5月現在1件のみ化学メーカーの研究開発職の求人を見つけることができました。

法人名非公開で独自に調べることが不可能であるため、求人票から情報を抜粋して、どのような求人なのかを説明します。「そんな求人もあるのか」と参考程度にご覧ください。

まず業務内容ですが、新製品の企画立案と開発テーマ選定・コア技術を活かしての新製品研究開発および製造方法の開発・プラントでの試験生産・量産化と工場への生産移管・取引先との打ち合わせや開発品提案と技術的なフォローなど多岐にわたっています。有機合成化学研究開発経験者であることが必須で、薬剤師は優遇されるという程度です。

想定年収は350万円から500万円、雇用形態は契約社員。土日祝日休みの完全週休2日制、各種長期休暇あり、社会保険制度もあり、財形貯蓄・住宅建設資金貸付制度、各種クラブもありです。福利厚生は充実していますね。年収も低いわけではないので、気になる人は探してみるだけの価値がある求人と言えます。

香川県の臨床開発・薬剤師求人

臨床開発の求人状況

香川県では、臨床開発モニターの求人がほとんど出回っていないのですが、治験コーディネーター(CRC)の求人が多いです。ただし、応募者数が求人数を上回る傾向があるようで、見つけたら即応募する気持ちで転職活動をしていなければ厳しいところがあるでしょう。

香川県では、株式会社EP綜合・サイトサポート・インスティテュート株式会社などといった売り上げ上位の治験会社の事務所が求人を多く出しています。

ただし、両方の会社ともあまり良い評判は聞きません。これは後ほど詳しく述べますが、特にサイトサポート・インスティテュートに関しては厳しい意見も飛び交っています。

臨床開発で働く人材の傾向と状況

CRCとして実際に働いている人材がどのような状況になっているかということですが、特に求人数の多いサイトサポート・インスティテュートを例にとって考えてみます。

治験コーディネーターは薬剤師や看護師などの資格を持っている人が就く職ということで、やはり女性がほとんどです。

仕事を覚えて自立していき、ゆくゆくは管理職を目指すということであれば、非常におすすめの職場となります。

女性が多いから女性が上に上がりやすいということでもそうですが、治験コーディネーターの数はそれほど多くないため、薬剤師としての知識経験を活かして努力することで、上を目指すことも十分可能だからです。ただ、上司がコロコロと変わる傾向があります。

年収は350万円から430万円程度で、残業は多いです。残業が多いのは治験コーディネーター全体に言えることですね。香川県だけでなく、全国的にその傾向があります。

現場での仕事と、その報告書など書類をまとめる作業とがあり、業務時間内は現場での仕事に追われるため、書類作成をしようと思えば残業するしかなくなるのです。

さらに、香川県のCRCはみなし残業制が採用されていることが多く、一ヶ月に20時間を越えなければ残業代が支払われません。

20時間を越えたとしても、その超過分しか支払われないため、必然的に残業代は少なくなります。給料はみなし残業制のことを考えて基本給を下げているため、結局は残業をしても年収が大して上がらないということになるのです。

治験コーディネーターの数が少ないことに対し、求人は出回りやすい。つまり、香川県の治験コーディネーターは退職する人が多いということになります。それほど大変な仕事だということを意識しておきましょう。福利厚生についても、たいしたものは望めません。

香川県のその他企業薬剤師求人

香川県で、その他に該当するような企業薬剤師の求人は、商社です。医療機器商社や医薬品商社にて薬剤師が求められています。商社の求人傾向を見てみましょう。

まずは年収ですが、想定年収はだいたい400万円から450万円となっています。低いということは決してありませんが、薬剤師としては平均的な給料で高いとも言えませんね。

業務内容は、DI業務であることが多いです。医薬品の情報を収集し、管理・提供する仕事ですね。主にインターネットを通じた情報配信を任されることになります。

福利厚生は各種社会保険・通勤手当に住宅手当・家族手当や営業手当などが用意されているようです。休暇に関しても夏季休暇や年末年始休暇などの長期休暇を取得することができ、特別休暇を設けている企業もあります。

土日祝日休みが基本です。商社は年収・福利厚生ともに突出するところはありませんが、バランスが良い職場となっています。

まとめ

香川県の企業薬剤師は、年収がそれほど高くは無いというところが多いですね。福利厚生については、どの業種も期待できそうにありません。

ただ、製薬会社が最も高い年収を期待できる業種と言えます。ワークバランスが悪いのですが、福利厚生は他の業種と似たり寄ったりです。福利厚生が期待できないところが多いのであれば、いっそのこと捨ててしまって、年収を重視して製薬会社への転職を図るというのが一番安全でしょう。