医療機器って薬剤師にはあまり関係ないと思っていませんか?
薬剤師として勤務していたら、医薬品には毎日触れていると思いますが、勤務中にそこまで医療機器を意識することはないのではないでしょうか。
実は医療機器メーカーでも管理薬剤師は勤務していて、医療機器の製造・販売に関わっているのです。
今回は、あまり知られていない医療機器メーカーの管理薬剤師の働き方や、就職するにはどのようなポイントに注意するべきか紹介します。
医療機器メーカー管理薬剤師の仕事内容
医療機器メーカーの管理薬剤師の勤め先は、自社が管理する倉庫・営業所での勤務と本社での勤務があります。
倉庫・営業所が勤務先の管理薬剤師の場合は、自社の医療機器の品質・在庫管理をします。
本社が勤務地の管理薬剤師の場合は、自社の医療機器を販売するためのマーケティング業務をします。
具体的には、以下の様な業務をしています。
営業所での勤務
- 営業所・倉庫での医療機器管理状況の確認
- 報告書作成
- 医療機器販売帳簿の管理
- 行政の監査対応
- 社員への薬機法(医薬品医療機器等法)教育
本社での勤務
- 製品企画に関する市場ニーズ調査
- 学術・技術資料の作成
- 営業担当者への教育
- 顧客からの問い合わせ対応
どちらの勤務地も資料や報告書の作成などのデスクワークがメインです。
あまり機会はないものの、新しい医療機器の開発に携われる場合もあるようです。
医療機器メーカー管理薬剤師の求人傾向
医療機器メーカー管理薬剤師の求人は企業の管理薬剤師の中で数が少ない方です。
医療機器メーカーは、それぞれの医療機器において業界シェアを独占しているような会社が多く、あまり競合他社がいません。
そのため医療機器メーカーの数自体が少なく、求人が少ない傾向があります。
他の業種にくらべて会社の数が少なく、現在勤務している管理薬剤師が退職するか転職するかして欠員が出ない限り新しい管理薬剤師を募集しないことが医療機器メーカー管理薬剤師の求人が少ない理由です。
採用条件はそこまで厳しいものではなく、3年以上薬剤師経験があれば十分です。
管理薬剤師経験があればなお就職しやすいです。
医療機器メーカーの管理薬剤師に向いている方の特徴は、薬剤師として今まであまり関わっていないような分野に飛び込むのでやる気あふれるような方、新しいことに興味のある方が向いています。
医療機器メーカー管理薬剤師の求人選びのポイント
医療機器メーカーの管理薬剤師に就職したいと思ったときに、求人選びの確認しておくべきポイントを紹介します。
まず求人を見つけよう
医療機器メーカー管理薬剤師に就職するうえで、一番ハードルが高いのは求人そのものを見つけることです。
薬剤師からの認知度がそれほど高くないにも関わらず、給料がそこそこで福利厚生も充実しているので、穴場の就職先ですが求人の数が少ないのが非常に残念です。
そのため、医療機器メーカー管理薬剤師の求人で少しでも気になるものを見つけたら、まずは求人に連絡して担当者に話を聞かせてもらい、条件面などの確認をすることがお勧めです。
給料・福利厚生を確認しよう
企業ということもあり福利厚生は、調剤薬局・ドラッグストアの管理薬剤師にくらべて充実している傾向にあります。
年間休日も多く、有給も取得しやすいことが多いです。
しかし、他の企業管理薬剤師にくらべて初任給は低い傾向にあるようです。
一方で昇給はかなり期待できるため、最終的には他の企業管理薬剤師と同じ水準まで上がることも多く、企業によっては年収1000万円も夢ではありません。
医療機器メーカーの管理薬剤師の就職したときの初任給が、企業によって450~850万円と幅が広いので、就職するときは最初からいくら給料がもらえるか確認したほうがいいです。
会社の主力医療機器を確認しよう
それぞれの医療機器メーカーは、独自の特許を持っていてどのような分野の医療機器に力を入れているか違います。
レントゲンなどの撮影技術に強いメーカー、ペースメーカーや人工心臓弁などの臓器の代わりになる機器の開発に強いメーカー、病院で大量に使用される注射針やメスなどの小物類に強いメーカーでは働き方が全然違います。
医療機器メーカーの管理薬剤師の求人は会社名が非公開のことが多く、正確な情報はわかりにくいです。
しかし、多くの医療機器メーカー管理薬剤師の求人でどんな種類の医療機器の取り扱いをしているか、どのような技術で業界シェアのトップを取っているかなどを紹介していることが多いです。
それを確認すれば自分がどのような医療機器を取り扱っている会社かわかるので自分の仕事している姿を想像しやすいです。
正確に知りたいのであれば、求人の担当者に確認を取ることをお勧めします。
まとめ
薬剤師にとって医療機器メーカー管理薬剤師は、調剤薬局・ドラッグストアや他の企業薬剤師にくらべて、なじみの薄い仕事かもしれません。
しかし、薬剤師が調剤する薬も医療機器メーカーの開発する医療機器も患者さんの病気をよくしたいという根本の理念は共通しています。
薬剤師が調剤するときに使用する器具も医療機器メーカーの製造した医療機器であり、決して遠い存在ではありません。
調剤の現場で医療機器を使用していた経験を活かして医療機器メーカーで勤務すると新しい画期的な医療機器の開発に貢献できるかもしれません。
少しでも興味のある方は、ぜひ求人を探してみてください。