「正社員として働くのはちょっと難しい」あるいは「スキルアップのために今とは違う職場を経験したいけれど、今の仕事も続けていきたい」という場合、思いつくのが非常勤薬剤師として働くことですよね。

とはいえ、一言で非常勤薬剤師といっても、派遣・パート・アルバイトと働き方はさまざまです。

ところで、この3種の違いは何なのでしょう?

そこで、ライフスタイルに合った働き方を見つけるために、この3者を比較してみようと思います。

雇用形態の違い

派遣薬剤師

派遣薬剤師の場合、雇用主は派遣会社となります。お給料アップの交渉などもすべて派遣会社に行うことになります。

雇用主が勤務先ではないので、働く時間や働く曜日などが勤務先の都合で変更されるということはまずありません。

なお、雇用主は派遣会社ですが、派遣先で働く期間は勤務先の会社が決めた期間となります。

パート薬剤師

パート薬剤師の場合、雇用主は勤務先の会社となります。勤務先の会社と直接雇用契約を結ぶことになり、定期的に契約更改を行うことが多いです。

働く時間や働く曜日は契約時に決められることが多いですが、勤務先の都合で適宜変更される可能性はあります。

アルバイト薬剤師

アルバイト薬剤師の場合も、雇用主は勤務先の会社です。勤務先の会社と直接雇用契約を結ぶことになります。パート薬剤師同様、契約更改を定期的に行うことが多いようです。

働く時間や働く曜日は決められていることが多いですが、適宜変更される可能性はあります。

働きやすさの違い

派遣薬剤師

派遣薬剤師の場合、福利厚生は派遣会社の制度が適用されます。

一定の条件をクリアすれば、社会保険に入ることもできます。

働く期間が限られているので、人間関係にしばられることはあまりないようです。万が一派遣先の人間関係になじめなくても、契約期間の延長を行わなければ大丈夫です。

雇用主が派遣会社であること、また残業が生じると勤務先の人件費がかさむことから、残業はないことが多いです。

なお、契約期間中に契約を打ち切られることはまずありませんが、契約終了後に新しい仕事があるという保証はありません。

パート薬剤師

パート薬剤師の場合、勤務先の福利厚生が一部適用されないこともあります。

ただし、一定の条件をクリアすれば社会保険に入ることはできます。

継続雇用が前提なので、人間関係に恵まれないとツライかもしれません。

勤務先の要請で残業や休日出勤が発生する可能性もあります。契約更改時に、次回以降の契約が打ち切られる可能性は否定できません。

アルバイト薬剤師

アルバイト薬剤師の場合も、勤務先の福利厚生が一部適用されないことがあります。

一定の条件をクリアすれば社会保険に入ることはできますが、時間数が少ない場合や副業の場合は難しいでしょう。

勤務期間が長期におよぶ場合、人間関係にも配慮が必要です。

勤務先の要請で残業や休日出勤が発生する可能性もあります。アルバイトもパート同様、契約更改時に契約が打ち切られる可能性は否定できません。

お給料の違い

派遣薬剤師

派遣薬剤師の場合、時給制であることが多いようです。単価は3種の中で一番高く、場合によっては月収が勤務先の管理薬剤師を超えることもあるようです。

ボーナスはないのでは?と考える方も多いと思いますが、派遣会社の方から支給されることもあるようです。

パート薬剤師

パート薬剤師もほとんどが時給制です。お給料は地域の相場やキャリアなどに左右されます。

ボーナスの有無は勤務先によります。全く支給されない会社もあれば、売上に関係なく毎年同じ額だけもらえる、という場合もあります。

アルバイト薬剤師

アルバイト薬剤師もほとんどが時給制です。パート薬剤師同様、お給料は地域の相場やキャリアナなどに左右されます。

パート薬剤師とアルバイト薬剤師では、お給料はそれほど変わらないようです。しかし、夜間のみのアルバイト・土日のみのアルバイトは時給が高めです。

ボーナスの有無は勤務先によります。

どのような人に向いているか

派遣薬剤師

派遣薬剤師は、比較的短期間で勤務先が変わります。そのため、期間限定で働きたい人、いろいろな職場を経験したい人、人間関係に縛られたくない人におすすめです。

またお給料の水準が非常に高いので、短期間でしっかり稼ぎたい人にもおすすめです。

なお、派遣先が居住地の近くにあるとは限らないので、転居可能という人のほうがよいでしょう。

パート薬剤師

パート薬剤師は、多くの場合異動がほとんどありません。また、正社員と比較して働き方の自由度が高いです。これらのことから、一つの職場で長く働きたい人、時短や曜日限定で働きたい人、家族の都合に合わせて働きたい人におすすめです。

アルバイト薬剤師

アルバイト薬剤師も異動がないことが多いのですが、勤務先によっては人手の足りないところに応援に行くよう指示される可能性があります。土日や休日夜間のみの募集も多いので、ダブルワークをしたい人、今の職場とは違う職務内容を経験してスキルアップしたい人などにおすすめです。

まとめ

以上、非常勤薬剤師の働き方について比較してみましたが、いかがでしたか?あなたのライフスタイルに合う働き方は見つかりましたか?

いずれの働き方も自由度が高く魅力的ですよね。気になる働き方が見つかったら、薬剤師の求人サイトに登録して情報を検索してみましょう。

なお、パートとアルバイトの区別をしていない職場も多いので、「パート」「アルバイト」という言葉に惑わされず、職務内容をしっかり検討して夢を叶える職場を見つけてくださいね。