中高年薬剤師の復職事情

再就職先で多いのは調剤薬局

中高年の薬剤師が再就職をするとき、調剤薬局をその職場として選ぶことが多いです。調剤薬局が多いのは単純に数が多くて求人数が多いということもあります。パートや派遣など、働き方の選択の自由がきくというのも理由として挙げられますね。

一番多いのは、中高年薬剤師は体力的にも精神的にもゆったりしたいということです。製薬会社とかだと求人が少ないということもありますが、残業が基本の業界になってしまいます。そうなれば体力的にかなりきついことは明らか。

精神的にも余裕がなくなってくるというものです。さらに、製薬会社やメーカーなどの企業は、調剤薬局に比べて中途採用が少ないことを考えると調剤薬局に人が集まるのは自然なことというわけですね。

場合によっては再就職は簡単

中高年の薬剤師の再就職は過去の経験・キャリアが大切になります。何かしらの理由で職を離れたとしても、その前の経歴やキャリアが良いものであれば再就職は簡単です。

調剤薬局で長い間働いていたという場合は調剤薬局での再就職に有利になりますが、調剤薬局で働いておらず、メーカーや製薬会社や治験会社などで働いていたとしても、そこでの成績がよければ再就職に苦労することはありません。

20代・30代前半程度だと、復職と言ってもそれほど長い間勤めることなく職から離れ、復職という流れになっているでしょう。中高年は比較的長い間勤め、離職している人が多くなります。そのため、より過去の経験が重要になるのです。

中高年の薬剤師が再就職をする際の注意点

法改正がされていないかに注意しよう

まず注意するべきことですが、法改正がされていないかどうかに注意しましょう。もしも長い間仕事から離れていた場合・薬剤師業界から離れていた場合は法改正などの情報にもうとくなっていることが考えられます。

そんな場合に、新しい法律にのっとって動くのは難しいです。仕事をしていると余裕もなくなります。中高年になってくると、本人が思っているよりも頭が動かないもの。仕事をしながら覚えられると思っていても、なかなか覚えられなかったりします。

事前に勉強しておくべきこととして、少なくとも法改正についてはチェックしましょう。改正されている場合はどのように変わったのかを頭に入れておくだけでも再就職後の仕事が楽になります。新しい薬の調剤などに関しては、中高年とはいっても仕事中に嫌でも覚えるので大丈夫です。

ゆっくり働けるところがいい

中高年は思ったよりも頭が動かないと述べましたが、体も案外動かないもの。体力的にも精神的にも余裕をもって働くことができる職場でないと少しきついです。同じ調剤薬局でも比較的忙しいところと、ゆったり働けるところとがあります。

新しい薬品の調剤や服薬指導について覚えるという意味でも比較的ゆっくり自分のペースで働けるところを探しましょう。「残業時間」「処方箋枚数と薬剤師の人数」について注意深くチェックして求人を探すと間違いありません。

再就職の実例紹介

実際に再就職に成功した中高年薬剤師の例を紹介します。

40代男性薬剤師

彼は薬学部卒業後に製薬会社でバリバリ働いていました。研究職でしたが、あまりにも忙しく人間関係も殺伐としているので精神的に病んでしまい、36歳の頃に退職。うつ病の療養生活に入りました。うつ病と戦った末、復職可能なレベルにまで落ち着いたので再就職。

職場は再び精神を病まないように調剤薬局を選びました。職種が違いますし、患者さんと関わることが無かったので、服薬指導の勉強に苦労したようですが、見事再就職を果たしたというわけです。

40代女性薬剤師

彼女は調剤薬局で働いていましたが、30代の頃に結婚と出産。出産してから小学校を卒業するまでの間は仕事から離れていましたが、子供の小学校卒業をきっかけに再就職。職場は同じ調剤薬局でしたし、長い間働いた薬局と同じグループ会社の薬局に再就職したので、結構簡単に再就職できました。

職種が違う場合や、うつ病などで離職していた場合は再就職の難易度があがりますが、しっかりと対処すれば問題はありません。同じ職種で子育てだった場合は比較的簡単に再就職できます。いずれの場合も、自身のキャリアを利用するようにしましょう。