「最近残業ばっかり!終電で帰宅する毎日にはもう疲れた!」「MRの仕事はノルマばっかり要求されるからもう嫌!」こんな悩みを抱えながら企業に勤めている薬剤師さんはいらっしゃいませんか??
「調剤薬局やドラッグストアみたいな平凡な職場はつまらない!」などと思って企業に勤めてみたものの、仕事はきついし昇給ペースも遅いしで正直ウンザリしている方もいることでしょう。
世間一般の会社員の方でしたら「何を甘ったれたことを言っているんだ!そんなことじゃ社会ではやっていけないぞ!」などと厳しい言葉が飛んできそうですが(笑)、薬剤師免許を持っている皆さんであれば話は別です!
現在、調剤薬局やドラッグストアはどこも深刻な薬剤師不足が続いており、かなりの売り手市場となっています!
そのため、もしも皆さんが企業勤めに疲れてしまっているのであれば、こうした業界なら転職口はいくらでもあるのです。
この記事では企業から調剤薬局、病院、ドラッグストアなどの他の業界への転職を考えられている薬剤師さんを対象に、転職することによってどのような悩みが解決できるのかを紹介したり、各個人の状況に合わせたお勧めの転職先などをアドバイスしたりしています。
現在企業で働いている薬剤師さんで転職を考えている方はもちろんのこと、何となく転職に興味のあるという方もぜひご覧いただき、将来のプランの参考にしていただければ幸いです!
企業から転職した薬剤師はこんな理由で転職している
企業から他の職種に転職したいと思う理由は様々ですが、代表的な理由は以下のようなものになります。
- 残業が多いから
- ノルマがキツイから
- 地方に転勤させられるから
- お給料がなかなか上がらないから
- 満員電車の通勤に疲れたから
- 嫌な上司がいるから
- 同僚とそりが合わないから
- 人事評価の内容が不満だったから
- 人事異動で嫌な部署に回されたから
- 仕事の内容が面白くなかったから
- 社風が合わないから
- 成果主義が強くてみんなが足の引っ張り合いをしているから
- リストラ候補に挙がったから
- 会社の経営状態が悪く将来が不安だから
- 自分または家族が病気になったから
- 調剤薬局などで薬剤師免許を活かしたいから
いかがですか?このように企業で働いている薬剤師さんは様々な不満や悩みを抱えており、それが原因となってみなさん転職に踏み切っていることが分かりますね。
企業で働くあなたもおそらく、これらの悩みの中に最低一つは当てはまるものがあるのではないでしょうか??
悩みが生じた場合はそれを解決するために何らかの努力をすることが大切になります。
多くの問題に常に頭を悩まされながら働き続けることは精神衛生的にも好ましくなく、下手をすれば大きなストレスから身体を壊してしまうおそれもあります。
現在の職場での悩みが大きくなりすぎて、適切な解決手段が見つからないという方は、こうした事態を避けるためにも他職種への転職を考えることも大切といえるでしょう。
企業から転職したい薬剤師の転職先の選択肢一覧
企業から転職する薬剤師さんは、通常は以下のような職場を選択することになります。
ここでは、こうした職場に転職することでどのような悩みが解決されるのかをご紹介いたします!
企業から病院
企業から病院に転職することで以下のような悩みを解決することができます。
仕事のノルマから解放される
企業勤めの薬剤師さん(特にMRさんなど)は売り上げなど一定のノルマの達成を厳しく求められることが多々ありますよね?
「はぁ~今月も成績が悪かったから部長に叱られる…」などと毎月ため息を吐いているかたも多いことでしょう。
その点、病院は医療機関であり、営利企業のように数値目標の達成を迫られることもほとんど無いため、こうしたプレッシャーからは解放されます。
「成績!成績!」と口うるさく言われ、従業員を売上でランク付けするような会社にウンザリしている方にはぜひとも病院をお勧めいたします!
転勤や配置転換がない
企業勤めの方で転勤を苦にされている方も多いことでしょう。
地方の支社をあちこちとたらい回しにされたり、長期に渡って単身赴任生活を強いられると、正直嫌になっちゃいますよね?
その点、病院薬剤師は国公立病院などの一部の公務員薬剤師を除けば基本的に転勤や異動がありません。
マイホームを購入したなどの理由で一つの場所で末永く勤めたいと思っている方には、病院はぜひともお勧めしたい職場といえるでしょう!
薬剤師としてのスキルをアップさせることができる
「うちの会社は自分が定年になるまでもちそうにないけど、将来倒産したときに転職できるのかな?」
こんな風に悩まれている零細企業勤めの薬剤師さんもいることでしょう。
2000年代初めに薬学部が乱立したせいでこれから先は薬剤師も歯科医師のように飽和することが予想されているため、将来は、調剤の経験やスキルがないとせっかく薬剤師免許を持っていても転職できないという事態が発生する可能性もあります。
その点、病院できちんとした調剤スキルを獲得した薬剤師であれば病院や調剤薬局、ドラッグストアへの転職は非常に有利になります!
病院薬剤師はいわゆる「潰しが利く」薬剤師の代表格とも言えるため、将来に対する不安もグッと減らすことができるでしょう!
企業からドラッグストア
企業からドラッグストアに転職することで解決できる悩みには以下のようなものがあります!
短期間での収入アップが期待できる
ドラッグストアは一般に企業と比べて昇給のペースが早いと言われています。
中途採用の場合ですと、年収600~650万円スタートし、数年で700万円に到達する場合も少なくありません。
企業に勤めながらなかなか年収が上がらないと悩まれている方にとっては、ドラッグストアはぜひお勧めの職場と言えるでしょう!
座りっぱなしの不健康な仕事から解放される
企業はデスクワークが多いため毎日座りっぱなしで仕事をされている方も多いことでしょう。
「最近少しお腹が出てきた気がする…」「座りっぱなしでお尻が痛い。もしかして痔になったかな…?」などと悩まれている方にはドラッグストアがお勧めです。
ドラッグストアは立ち仕事が多く、頭脳労働と肉体労働の中間のような性格をもっています。
日用品の品出しなどを嫌がる薬剤師さんもいるみたいですが、実はこうした体を動かす作業はとってもいい運動にもなるんです!
私も以前働いていたドラッグストアでは栄養ドリンクの品出しをしていましたが、適度に体を動かすことでストレス発散にもなり運動不足からも解放され、おまけにお給料までもらえるとはなんてお得なんだろう!と思いながらやっていました(笑)
運動不足を気にされている方にはドラッグストアはお勧めの職場なのでぜひチャレンジしてみてください!
仕事が終わった後のつきあいから解放される
ドラッグストアは営業時間が長いため早番、遅番などのシフト制で勤務する職場が多いです。
このため、企業によくあるアフターファイブなどのつきあいはほとんどありません。
「仕事が終わった後は早く家に帰りたいのに、上司や同僚の飲み会に付き合わされるのがめんどくさくて嫌!」という方にはドラッグストアはお勧めの職場といえるでしょうね。
ラフな服装で出勤できる
企業勤めの場合はスーツで出勤しないといけない職場がほとんどですよね??
冬場はまだしも、真夏のうだるような暑さの中で毎日ネクタイを締めて通勤することはかなりの苦痛を伴います。
その点、ドラッグストアであればラフな服装で出勤出来る職場もかなり多いです!特に薬剤師は白衣を着て仕事をするため、細かい服装規定がないことがほとんどです。
私が以前働いていたドラッグストアではジーパンやチノパンの着用が当然のように認められていました。
そのため、夏はジーパンにポロシャツという涼しいスタイルで通勤できたため、暑さもそれほど苦にはなりませんでした。
快適な服装で働きたいという方にとって、ドラッグストアはぜひお勧めの職場といえるでしょうね!
企業から調剤薬局
企業から調剤薬局に転職することで解決することができる悩みには以下のようなものがあります!
通勤が楽になる
企業に勤められている方って都心に通勤される場合がほとんどですよね。
企業の本社は大都市に集中しているため、企業がで働く以上はこうした事態を避けることはなかなか難しいといえます。
東京周辺に住んでいる方は毎朝通勤ラッシュでもみくちゃにされながらへとへとになっているという方も多いのではないでしょうか?
この点、調剤薬局の店舗は全国に5万件以上もあるため、地元の薬局に就職することも十分に可能です。
私が以前に勤めていた薬局は自宅から自転車で5分ほどのところにありました。
始業時刻は朝8時半でしたが、家からとても近かったため毎朝ゆっくりと準備をすることができて大変快適でした!
通勤時間を短縮できるとプライベートの時間もふえ、充実した毎日が送れるようになります。
日々の通勤に苦痛を感じている方はぜひとも調剤薬局を検討されてみてはいかがでしょうか??
パソコン操作から解放される
企業はデスクワークが多いため、パソコンでの資料作成などに割く時間も多くなります。
ワードやエクセルを駆使して各種の報告書や資料を作成する機会も多く、こうした作業を苦手にされている方も多いことでしょう。
その点、調剤薬局ではこうしたパソコン関連の業務がほとんど無いところもたくさんあります。
レセコンの入力は事務さんがやってくれるため、パソコン操作といえばインターネットで薬の情報を検索したり電子薬歴を書くといった程度の薬局も多く、パソコンを苦手とされる方にとっては調剤薬局はお勧めの職場です!
屋内で快適に仕事ができる
企業勤めの方(特にMRさんや治験コーディネーターさんなど)は外回りをさせられることが多いですよね?
真夏や真冬、花粉の飛び交う春などに朝から晩までいくつもの病院を回るのは大変な苦労を伴います。
その点、調剤薬局であれば冷暖房の効いた建物の中で快適に勤務することができます!
毎日あちこち歩き回るのに疲れ果てたという方はぜひ、ぜひ、調剤薬局での勤務を検討されることをお勧めいたします!
残業が少なくなる
企業での長時間残業に疲れ果てた方には調剤薬局の派遣求人がお勧めです!
派遣薬剤師は一般に時給が高いため、残業をさせられることはほとんどありません。
定時キッカリに退社することができて、年収ベースでは正社員と同じかそれ以上を稼げる求人もたくさんあるため、残業を避けたい方はぜひ、こうした調剤薬局の派遣薬剤師を検討してみてください!
出世しやすくなる
「企業で長い間働いているけどなかなか出世ができない!」と悩んでいるあなたには調剤薬局への転職がお勧めです!
調剤薬局は1店舗辺りの人数が少ないため、管理薬剤師などの管理職に比較的簡単に就くことができます。
平均で入社してから2~3年、早ければ1年程度で管理薬剤師になれる職場も多く、短期間での出世を希望する方には最適です。
また、多店舗を展開する薬局であれば管理薬剤師の次はエリアマネージャーになってさらなる収入アップを実現することもできます。
上昇志向が強く出世意欲が旺盛な方はぜひ調剤薬局での管理職を目指されるとよいでしょう!
企業から他の職場に転職するなら『薬剤師専門の転職サイト』が必須
企業から他の職場に転職するときには、以下のような理由から迷わず『薬剤師専門の転職サイト』を使われることをお勧めいたします!
そもそも薬剤師の求人自体が普通の求人サイトにはあまり載っていないから
企業にしか就職したことのない薬剤師さんには分からないかもしれませんが、調剤薬局やドラッグストアなどの薬剤師求人は特殊なため一般の求人雑誌にはほとんど載っていないんです。
なので自分にピッタリの条件で募集している求人を見つけるためには、薬剤師専用の求人が集結した『薬剤師専門の転職サイト』を利用することが最も効率的で近道になります!
業界に精通したコンサルタントのアドバイスを受けられるから
一般企業と違い、調剤薬局、ドラッグストア、病院などの薬剤師転職市場は独特です。
皆さんが企業に就職するときに培ってきた経験やノウハウなどが通用しないケースも多々あるため、こうした業界に転職する場合はぜひとも薬剤師専門の転職サイトに登録しておきましょう。
各サイトには、薬剤師の転職業界に精通したコンサルタントやキャリアアドバイザーなどがいるため、業界に不慣れな方でも丁寧に転職のアドバイスをしてもらうことができます。
例えば、企業でしか働いたことの無い方は調剤薬局やドラッグストアなどの給与相場が分からないため、不当な条件の求人に応募してしまう可能性もあります。
このため、こうした質の悪い求人に引っかからないためには、事前に転職のプロと相談しておくことが大変重要になります!
慣れない業界のため転職に失敗してしまったということがないように、転職をする際にはぜひ、薬剤師専門の転職サイトを利用するようにしましょう!
【現状別】企業から転職したい薬剤師にアドバイス
ここでは企業で働いているみなさんの現状別に他業種に転職する際のアドバイスをしてみたいと思います!
企業から転職したい+「子育てと両立したい」
小さなお子さんがいるママ薬剤師さんにお勧めしたい職場はズバリ、調剤薬局です!
調剤薬局はドラッグストアに比べて営業時間が短く、夜遅くまで勤務させられる可能性も低くなります。
また、パートなどの非常勤薬剤師であれば午前中のみの勤務でOKという職場もかなり多く、子育てが忙しいママ薬剤師さんにはうってつけといえるでしょう。
さらに調剤薬局によっては子育ての事情を考慮して、正社員なのに遅番免除の条件で採用してくれる職場もあります。
実際に私の知り合いが勤めている調剤薬局では最近ママ薬剤師さんを2名採用したそうですが、どちらも夕方までの勤務の条件で正社員として雇ってもらったとのことです。
個人経営の調剤薬局などは社長の裁量しだいでかなり柔軟な勤務体制にしてもらうことができるため、正社員での勤務を希望されるママ薬剤師さんは面接のときに事情を話して交渉してみるとよいでしょうね!
企業から転職したい+「収入アップしたい」
企業で働く薬剤師は高収入のイメージがありますけどそれって一部の大企業だけですよね??
確かに大手製薬会社のMRなどでは年収が1000万円を超える場合もありますが、中小の医薬品卸の管理薬剤師なんかだと年収500万円以下のこともザラにあります。
こうした人たちが収入アップを狙う場合は企業で働き続けるよりも薬剤師免許を活かして調剤薬局やドラッグストアに転職するほうがよっぽど効率がいいといえます。
特に調剤併設型のドラッグストアは、OTC専任タイプのドラッグストアと比べて給料が高い傾向にあり、年収650~700万円で募集しているところがたくさんあります。
また、調剤薬局ほど高度な調剤スキルも要求されないため、企業勤めの経験しか無い人でもきちんとした研修や自己学習を積めば実務がこなせるだけの実力を身につけることができるでしょう。
「てっとり早く高収入をゲットしたい!」と思う方はぜひこうした職場を狙っていくことをお勧めします!
企業から転職したい+「プライベートを充実させたい」
プライベートを充実させたい薬剤師さんには処方箋枚数の少ない調剤薬局をお勧めします。
1日の処方箋枚数が30~40枚程度の小規模の薬局であれば残業になることもほとんどありません。
9~18時などの定時で働くことができ、もちろん休日出勤になる可能性もほとんどありません。
小規模薬局は売り上げが高くないためそれほどの高収入は期待できませんが、プライベートの時間はきっちりと確保することができます。
残業ばかりの企業勤めに疲れてしまったという方はこうした薬局を積極的に狙っていきましょう!
企業から転職したい+「未経験者OKの職場で働きたい!」
調剤やOTC販売などの薬剤師としての経験が全くないという方は、ドラッグストアに転職されることをお勧めします。
OTC販売はそれほど高度な薬学的知識を必要としないため、未経験の方でもあっさりと採用してもらえます!
また、たとえOTC販売の研修がない職場でも本屋で書籍を購入するなどして独学で勉強することで2~3ヶ月もすれば一人前に薬剤師として接客をこなせるようになるでしょう。
私も以前、派遣社員としてドラッグストアで働いていた経験がありますが、働き始めのときは薬剤師としての経験が全くない状態でした。
しかし、本を買って独学で勉強した結果、一ヶ月も経つ頃には問題なく商品を販売することができるようになりました!
このように未経験の方でもドラッグストアであれば比較的容易に転職することができるので、ぜひチャレンジしてみることをお勧めします!
企業から転職したい+「企業での経験を活かした仕事に就きたい!」
企業の中でも製薬会社のMRさんや、CROで治験関連の仕事に関わっていたという方は病院薬剤師の仕事に就けば前職での経験を活かすことができます!
MRさんなら病院の内部事情や医師・看護師との接し方にも精通していることでしょう。
また、CROの出身者で治験担当者であれば、病院でも治験担当の薬剤師として活躍することも十分に可能です。
医薬品卸の物流センターの管理薬剤師さんなどであれば医療用医薬品の知識を活かして調剤薬局の募集を狙うのもよいでしょう。
卸の内部事情に精通している方は薬局で薬の発注や返品などの在庫管理業務をするときにも前職での経験を十分に役立てることができます!
最後に
現在、調剤薬局やドラッグストアは慢性的な薬剤師不足に悩まされているため、薬剤免許を持っている方には大変転職が有利な状況であるといえます。
年収やその他の待遇面でも企業に負けないような求人を数多く見つけることができるため、せっかく持っている薬剤師免許を使わずに一般企業に勤め続けるのは宝の持ち腐れともいえるでしょう。
企業に就職してみたものの、自分が思っていたイメージとは違い、後悔してしまっているという方はぜひ、この機会に薬剤師免許を活かしてこうした業界に転身されてみてはいかがでしょうか??