日本更年期医学会認定薬剤師とは

日本更年期医学会が平成20年度から開始した認定制度が日本更年期医学会認定薬剤師です。

日本人女性の平均寿命は、現在80歳を超えています。昔に比べて長生きをする人も増えて、更年期を迎えてからの人生も決して短いものではなくなってきました。更年期は40代からということを考えると、更年期が人生の大部分を占めているともいえますよね。

そこで、更年期に起こり得るさまざまな身体的症状を改善させ、快適な更年期世代を過ごせるように適切な医療を提供する目的で開始されました。認定されると、更年期関連の分野・領域に関する専門的な知識と技術が一定水準を超えていると判断されます。

日本更年期医学会認定薬剤師はこれからの更年期医療を担う人材としての役割を任されるわけです。

日本更年期医学会認定薬剤師に必要な知識や技術

日本更年期医学会認定薬剤師に必要なのは、更年期医療に対する正しい理解。

更年期医療というのは、現在そこまで一般的ではありません。更年期に関しての相談などを受けてくれる医療施設も、まだまだ少ない。そんな中で更年期の人たちに対する適切な支援をすることができるような人材でなくてはいけません。

また、知識だけ持っていても駄目です。むしろ更年期医療に必要なのはコミュニケーションスキル。更年期の専門的知識を有する必要があるのはもちろんのこと。付け加えて高いコミュニケーション能力があれば、患者さんに信頼され、相談されやすい存在として認識される。それが適切な処置につながるというわけです。

日本更年期医学会認定薬剤師になるには

申請条件など

申請条件はとてもシンプルです。

  • 日本更年期医学会の会員であること
  • 医師、医療従事者、その他更年期分野で活動している人

申請条件は上記の二点だけ。他に複雑な条件はまったくありません。学術論文を3編出していなければいけないとか、他の学会の会員であるとか、そういうものは必要ないので、申請するまでのハードルはとても低くなっています。

薬剤師であり、会員であり、更年期分野で活動していればいいのですから。

認定後は、日本更年期医学会認定薬剤師と呼ばれますが、現在「日本更年期医学会」は「日本女性医学会」という名前に変更されており、認定薬剤師に関しての情報もなかなか得られません。日本女性医学会のホームページにも、医師向けの情報が多くなっています。認定薬剤師に関して詳しい情報を得たいのであれば、こまめにホームページをチェックするのが良いでしょう。

試験について

第1回の認定試験は、平成23年8月に行われました。筆記試験と口頭による試問で構成され、難易度はさほど高くはありません。更年期医療に関して正しい知識さえついていれば全く問題ないといえるほどの難易度です。

なお、2020年からは、制度の改定が行われ、応募概要などが変わります。2020年からは、3年間以上の認定研修施設内での研修を受けることが必要になります。2019年までは、級認定方法による審査も行っています。

まだ学会員でない人で旧認定方法での審査を受けたい場合は、2015年の12月31日までに学会に入会する必要があります。2018年の12月31日までに30単位、学会が指定している研修の単位を取得することができれば、旧認定方法での審査を受けることができるというわけです。

2015年現在、すでに認定資格・専門資格を取得している場合は、新しいカリキュラムに対応している研修を2017年以降に受けなくてはいけなくなっています。

また、認定審査の合否や申請方法などについては学会ホームページに掲載されています。それを見てもわからないという場合は、問い合わせ先メールアドレスに問い合わせをしましょう。薬剤師認定資格に関しての情報について得にくくなっているので、問い合わせてみるのが良いかもしれませんね。

日本更年期医学会認定薬剤師の活躍の場

日本更年期医学会認定薬剤師の活躍の場は、更年期医療を行っている施設がメインとなります。

現在は男性よりも女性のほうが人口が多く、これから更年期に突入してしまうという人も多いので、患者さんの数はこれから増えていくでしょう。そのことを考えると、将来性が無いわけではありませんね。

現在、制度改定のため、旧制度と新制度のちょうど中間。かなり不安定な認定資格だと言うことはできますが、とっておいても良い資格でしょう。