漢方薬・生薬認定薬剤師とは

漢方薬・生薬認定薬剤師は漢方薬や生薬に関する専門的知識を持っているということを認定するための制度。公益財団法人日本薬剤師研修センター・一般社団法人日本生薬学会によって実施・運用されています。研修会を終了して、試問に合格すると認定を受けることができますよ。

生薬の調剤を行うにはこの資格が必要で、漢方薬や生薬についての情報提供・服薬指導などもより実践的で専門的な業務が可能になります。この認定資格を持っていないと、漢方薬や生薬について実践的で専門的な業務を行うことができません。そのため、この認定資格を持っていると職場の人たちから大いに頼られる存在になりますよ。

2015年6月30日の時点で、新規認定者は1,248名で、更新認定者が1,545名と薬剤師の認定資格の中ではかなり人数が多い方ですね。

漢方薬・生薬認定薬剤師に必要な知識や技術

現代医療において幅広く使われている西洋の薬と、漢方薬とではその役割や処方の仕方、調剤の仕方などがかなり変わってきます。漢方薬は生薬の組み合わせによってさまざまな効果を引き出すことができるため、組み合わせの例と、効果について深い知識を持っていなければいけません。

また、生薬の配合はほんの少し配合率が違っているだけで別物が出来上がってしまうほど繊細なもの。配合率を正確に把握しているということも必要ですね。配合の技術に関しては実際の生薬の調剤業務を行っていくうちに身につきます。

漢方薬・生薬認定薬剤師になるには

簡単な道筋

漢方薬・生薬認定薬剤師になるためには、日本生薬学会と、研修センターが実施している各種研修会を受講して、試問に合格しなければいけません。漢方薬・生薬認定薬剤師になるための道筋は以下の通りです。

まず、漢方薬・生薬研修会に参加します。これを終了すると、修了証書を発行することができるので発行しましょう。修了証書を取得してから、試問を受けることができる。そこで不合格なら、次年度の試問受験資格を手にすることになるので、また来年度頑張りましょう。

そこで合格したのであれば、1年間有効の合格通知書が発行されます。合格通知書を無事手に入れれば、漢方薬・生薬認定薬剤師の申請を研修センターに届け出ることができる。必要書類は、以下の通りです。

  • 漢方薬・生薬認定薬剤師申請書
  • 更新申請の場合のみ、漢方薬・生薬研修手帳
  • 手数料払い込み受領書の写し

上記必要書類を全て提出して、研修センターで漢方薬・生薬認定薬剤師として登録します。そうして漢方薬・生薬認定薬剤師証が交付される。そうして晴れて認定薬剤師になることができるというわけですね。

ちなみに更新は3年ごとで、更新のためには単位取得をする必要があります。合計30単位以上を取得することができれば、その単位を漢方薬・生薬研修手帳で管理し、それを提出して更新の申し込み。そうして更新ができるというわけですね。

研修について

研修は、座学研修・ビデオ集合研修・インターネット研修の三種類で開催されます。講義は全部で45講義。それら全てを受講して、1度だけ薬用植物園での実習をすることが研修の内容です。テキストは、「漢方薬・生薬薬剤師口座テキスト」を使用。平成26年は第4版でした。

座学研修・ビデオ集合研修・インターネット研修、それぞれで別途に受講料が必要です。テキストと試問料が込みになっていて、座学研修は税込み61,714円。ビデオ集合研修は、税込み51,429円。インターネット研修の場合は税込み51,429円かかります。

なお、この数字は平成26年に行われた研修での受講料です。年によって微妙に変動するという可能性もあるので気をつけましょう。

試問について

設問形式は、3択式選択問題が基本となっています。漢方薬や生薬に関係している歴史からの出題から、漢方薬の効果や副作用についてどんなものが考えられるのかという専門的なことまで幅広く出題されます。

しかし、講義内容やテキストに沿っているので、対策をきっちりとしていればそこまで難しくはありません。過去問とテキストを中心的に勉強していれば、まず合格できるでしょう。

漢方薬・生薬認定薬剤師の活躍の場

現在、調剤薬局に比べて漢方薬局の数は少ないですが、漢方の注目度が近年高まっているということもあり、漢方薬局の数が増えてきています。また、将来開業するという人も結構多いので、そういう道もあり、漢方薬・生薬認定薬剤師の将来性は高いと言えます。

漢方薬局以外でも、漢方薬・生薬の製薬会社や、卸会社などで活躍することも考えられますよ。