NR・サプリメントアドバイザーの資格概要

NR・サプリメントアドバイザーの前身である栄養情報担当者(NR)は、平成24年までは国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所で実施されていました。

これが平成22年度に政府決定で一般社団法人日本臨床栄養協会に移管。協会認定のほかの資格と統合されて、NR・サプリメントアドバイザー制度という制度になりました。

栄養情報担当者の資格、NR・サプリメントアドバイザーの役割は、保険機能食品やサプリメントの国民への啓発活動。トクホと呼ばれている特定保健用食品などは保険効果の科学的根拠が明確にされているものです。消費者にもそれは広く知られている。

ただ、世の中には根拠が曖昧なサプリや保険機能食品などがあります。「これ本当に効くのか?」と疑問を投げかけたくなるようなものもあるというのが現状。健康食品について感心が高まっているからこそ、世の中にたくさんのものが出回っています。

それらについて正しい情報を消費者に伝え、適切な商品を消費してもらえるようにする。それが栄養情報担当者の役割であり、使命。

NR・サプリメントアドバイザーに必要な知識や技術

NR・サプリメントアドバイザーに必要になるのは、食品学や栄養学の知識だけでなく、予防医学や行動科学・病理学・疫学など多岐に渡っての知識。薬剤師であれば、栄養学や予防医学、病理学、疫学については理解している人も多いでしょう。新しく勉強しなければならないとすれば、食品学や行動科学などですね。

そう考えると薬剤師にとっては有利な資格と言えます。薬剤師として必要な知識をかぶるところも多く、理解もしやすい。サプリメントなどは薬剤師が扱うこともある分野です。そこにプラスアルファの知識を付け足す。

ただし、グローバルに情報収集などを行わなければいけないので、その「プラスアルファ」というのが結構大変です。

NR・サプリメントアドバイザーになるには

受験資格とおおまかな流れ

栄養情報担当者(NR)であった以前までは受験資格が複雑でしたが、NRの資格が「NR・サプリメントアドバイザー」となってからは受験資格はかなり単純になりました。日本臨床栄養協会の会員であることと、研修単位を40単位取得していること。たったこれだけです。

あとは願書とともに提出書類を提出するのみ。提出書類は、日本臨床栄養協会会員証コピーと研修単位40単位を取得した証明となるもののコピー、受験料振込み証明のコピーです。受けるまでのハードルは低いですね。

流れとしては、まず日本臨床栄養協会に入会。入会金と初年度の年会費は9,000円かかります。入会したら、今度はNR・サプリメントアドバイザー講座を受講しましょう。通信教育になっているので、自宅で簡単に受けられます。

受講費用は50,000円。受講しながらも日本臨床栄養協会学術大会に参加しましょう。そこで10単位もらえます。参加費用は12,000円。公認テキストを使って勉強をし、認定試験を受験。

認定試験の受験料は15,000円です。認定試験は年に1回、毎年12月の第一土曜日に行われることになっています。そこで合格すると、晴れてNR・サプリメントアドバイザーの資格を得ることができる。認定証と認定カードが授与されます。

資格は5年ごとの更新。更新するためには研修単位を50単位取得し、レポートを提出する必要があります。抗心身清涼は5,000円です。学術大会二酸化したり通信教育を再受講したりするのにさらにお金がかかります。

試験について

試験は毎年12月第一土曜日に行われますが、願書は9月下旬から10月上旬までと期間が短いので注意しましょう。最終日の消印有効ではなく、必着となっていることにも気をつけなければいけませんね。

試験方法は解答用紙に記入する形での択一式。選択問題ですが、マークシートではありません。出題数は全部で90問。科目に関しては、例えば役割と倫理を問う問題、生理学や生化学の基礎を問う問題、生活習慣病の概論など、さまざまな分野の基礎を問う問題が多い傾向があります。

合格率は第2回(2014年)のもので48.2%。薬剤師の合格率は91.8%でした。薬剤師であれば問題なく合格できるといった感じの難易度になっています。

NR・サプリメントアドバイザーの活躍の場

NR・サプリメントアドバイザーの資格者は、健康食品やサプリメントを作っている会社やそれらを扱っているドラッグストアなどで活躍している人が多いです。他にも、給食センターや保健所・保健センター・病院・福祉施設などがNRの活躍の場として挙げられます。

活躍の幅はとても広い。将来性もあると考えられます。