薬事監視員の資格概要
薬事監視員というのは、厚生労働省管轄の保険所で勤務する国家公務員です。
仕事の内容は、医薬品や医療機関・化粧品などの製造販売輸入を行う会社に実際に立ち入って品質・安全性などを実地で検査すること。それぞれ薬事法を守って行われているか、危険な成分は入っていないか。承認内容と違うことをしていないかどうかなどを検査する役割というわけです。
万が一都合の悪いことが見つかったという場合にはその医薬品や化粧品の回収を行い、廃棄させ、業者に対して指導と改善の命令を行います。そのため、医薬品メーカーや化粧品メーカーからは少し嫌われていたり恐れられているというような風潮もありますが、重要な役割です。
薬事監視員がいなければ安全な医薬品・化粧品の流通はありえないでしょう。
平成23年4月の段階で勝つ都道府県や保健所設置市・特別区すべてあわせて4,059名が配置されています。
薬事監視員に必要な知識や技術
必要とされるのは薬学の知識と薬事法に関する知識と理解です。どんな薬剤にどんな効果があるのか、危険な薬剤とはどのようなものか、安全な薬剤とはどのようなものか。それらをきっちりと理解し、医薬品の安全性を見極めます。
また、薬事法に関係する仕事も多数あるので、薬事法に関して深い理解ができていなければ薬事監視員は務まりません。薬事法によって禁止されているような薬品がどのようなものかを理解し、そのような薬品が出回っていないか注意深く調査しなければいけない。常に情報収集を怠らないマメさも必要です。
薬事監視員になるには
任命資格
- 薬剤師や医師、歯科医師または獣医師免許を持っていること
- 旧大学令に基づく大学、旧専門学校例に基づく専門学校や学校教育法に基づく大学もしくは高等専門学校で、薬学・医学・歯学・獣医学・理学または工学に関係している専門課程を修了したもので、薬事監視についての知識経験が十分に備わっている者
- 一年以上、薬事に関係している行政事務に従事した者、薬事監視についての十分な知識経験がある者
以上が、薬事監視員になるために必要不可欠な要件です。
試験の有無
薬事監視員になるのに試験というのは特にありません。先述した資格さえ持っていて薬事行政事務に従事している公務員であればなることができます。
とはいっても、そういう要件を満たしている人全てが誰でもなれるというわけではありません。ましてや自己申告で「なります」と言えばすむものでもありません。薬事監視員になるためには、試験こそ必要ありませんが、任命を受けることが必要になります。
必要な要件を満たしていてなおかつ適正があると認められた人が任命される資格です。会社の昇進のようなものと考えればイメージがしやすいですね。
薬事監視員になるための道筋
最もわかりやすいので薬剤師の場合で説明します。
まず一般的な道からです。高校を普通に卒業して薬学部に入学します。6年間勉強して卒業し、薬剤師免許の試験を受ける。合格して薬剤師免許を手にして国家公務員試験を受けます。国家公務員試験に合格したら普通に仕事をすることに。
仕事をしながら経験を積んで認められれば薬事監視員になれます。
高校専門学校などを卒業する場合も途中からは同じで、国家公務員試験に合格して所定の仕事をし、認められれば薬事監視員になれるということです。
薬事監視員になるのに試験は必要ありませんが、認められなければいけない・任命されなければいけないので、そういう意味では試験を受けるよりもれる確立が低いかもしれません。運の要素も絡んできます。
薬事監視員の活躍の場
厚生労働省管轄の保険所で勤務することになります。そこで事務的な仕事をこなしながら監視や指導も行うというわけですね。任命される資格ということで、任命されれば給料も当然よくなります。国家公務員なので安定した将来性を望むことができます。
徐々にですが昇給もあるので、安心ですね。