働く女性につきまとう悩み、それが子育てと仕事をどうやったら両立できるかという問題です。子どもの面倒も見ないといけないし、生活費を稼ぐために仕事も手を抜けません。かといって、どちらも疎かにはしたくない・・・。

「両立なんて不可能だよ!」そんな声があちこちから聞こえてきそうです。しかし、実際に子育てをしながら仕事もしている薬剤師は大勢います。むしろ、薬剤師は両立しやすい職種なんです。

薬剤師はどちらかというと男性よりも女性の方が多いイメージがありますが、まさにその通りで、約60%が女性です。

裏を返せばつまり、それだけ女性でも働きやすい環境が整っているということなのです。

夫婦共働きの世帯が増えてきている今、働きながら子育てにも奮闘しているママ薬剤師はたくさんいます。

では、どうやって子育てと仕事を両立しているのでしょうか。ぜひぜひ、センパイ薬剤師の意見を聞いてみたいところですね。

ここでは、ママ薬剤師が子育てと仕事を両立していくポイントなどを実際の声を交えて紹介していきます。

薬剤師の子育てと仕事の両立が難しくなる要因

子どもの預け先が見つからない

一番の問題はやはり子どもの預け先が中々見つからないということでしょう。現在、待機児童の数はびっくりするほど多くなってきています。保育園に入れたくても中々入れられません。

同じように空きを待っている人が何万人もいるのです。

ここまで来ると、子どもを預けられるかどうかは、もはや運です。働きたいのに働けない、そんな状況が働くママを邪魔してしまっているのです。

育児に理解のある職場が少ない

忙しい日々の中で、なかなか育児のことまで気にかけてくれる職場は多くはありません。妊娠や出産を機に仕事を辞めてしまう女性がたくさんいることが、このことを強く表しています。

薬剤師が子育てと仕事を両立するための工夫・心がけ・考えるべきこと

預け先もない、仕事先もあてにならない、じゃあどうやって子育てと仕事を両立するの?!

実はちょっとした心がけや工夫をすることでぐっと両立が楽になるんです。

まず子育ては一人では難しいということを認識する

子どもはいつ熱を出したり風邪をひいたりと、体調を崩すか分かりません。その上、困ったことに大人よりも格段に体調を崩す頻度は高いのです。

仕事中に「お子さんが熱を出したので迎えに来てください。」と連絡が入ることはしょっちゅうあります。

「子どもが体調を崩しちゃったので、仕事に遅れます。」なんてこともあります。小さな子どもは大人よりも免疫機能が未熟なので仕方のないことです。

しかし、これが何回も続くと「仕事場の人に迷惑をかけてないかな?」と心配になっちゃいますよね。

でも、これが当たり前なんです。ただ、周りの人への感謝の気持ちはいつでも忘れないようにしてくださいね。

誰にも迷惑をかけずに子育てをするなんて、そもそも不可能です。人間は一人で生きていける生き物ではないんです。

子育てをしている限りは誰かに迷惑をかけてしまうこともあります。

自分一人の力ではどうにもならないことだってあります。

けど、それが当たり前なのです。「一人で何もかもしなくちゃいけない!」と頭を抱え込まずに「誰かを頼ることだって必要なんだ!」と思考を変えてみてください。

旦那さんや家族に協力してもらう

子育ては一人では難しいというのは先にお話しました。一人で厳しい時は身近に頼れる人がいないかどうか探してみて下さい。

旦那さん、母親、兄弟、友人、誰か力になってくれる人がいないでしょうか。周りの人にも子育てのフォローをお願いしてみましょう。

しかし、「子どもが熱を出したから悪いけど、お迎えお願い!」なんて急に頼まれては皆困ってしまうのは想像しやすいかと思います。

そんな急に頼まれたって、こっちだって用事があるのに。と断られてしまう可能性もあります。そのため、協力を得るためにあらかじめ相談を持ちかけておく必要があります。

「○日なんだけど、この日は仕事が外せないから、もし保育園から電話があったらお迎えお願いしていい?」というようにアポを取っておきましょう

前もって連絡しておくことで、日程の調整もしやすくなります。また、自分が仕事でも旦那さんが休みの時もあるかと思います。

当たり前かもしれませんが、そういう時は旦那さんにお子さんのことをお願いしておきましょう。誰よりも子育てに協力しなければいけないのは父親でもある、あなたの旦那さんです。

子育てについて旦那さんと決め事をする

何度も言いますが、子育てを一人でこなそうとするのは非常に難しいものです。自分だけですべてをやろうとすると、まず体力が持ちません。

そこで、一番身近にいる旦那さんと子育てのルールを作っておきましょう。

  • 保育園へ送るのは旦那さん、迎えは自分
  • 子どものお風呂は仕事が休みの人が担当する
  • 突然のお迎えは行けるほうが積極的に行く

こんな感じで役割分担をしたりルールを決めたりしておくことで、一人ひとりの子育ての負担はかなり軽くなります。

どうすれば負担を少なくして子育てができるのか、よく二人で話し合ってルールを作ってみて下さい。もちろん、この時に一方的に相手に仕事を押し付けずに互いに協力しあう心を忘れないように、というのが大前提です。

すべてを完璧にこなそうとしない

特に新米ママにありがちなのが「なんでも完璧にしようとし過ぎる。」というものです。初めての子ども、始まったばかりの新婚生活、完璧を求めすぎてしまうがために心と身体は常にボロボロ。

意外とこのような状態の方は多いんです。初めてのことが多すぎて、どこまで手を抜いて良いのかが分からないんですよね。

手を抜きすぎれば怠慢なイメージを持たれてしまうし、きっちりやり過ぎても疲れてしまう、今にも発狂してしまいそうな状況が毎日のように続きます。

子育て、仕事、家事、そして給料。求めている姿と現実のギャップはある程度はできてしまうものなのです。これは子育てをしている、していないは関係ありません。

「すべてを完璧に。」ではなく「ある程度を確実に」を目指して毎日を過ごすようにしましょう。これは今はできないから仕方ないと自分なりの妥協点を作って生活をしていくことができれば、心も身体もゆとりを持たせることができます。

子育て中のママネットワークを作る

子育てって大変なことが多すぎて、毎日がとても忙しく過ぎていきます。子育て中のママにしか分からない苦労もあり、旦那と共有できない悩みだっていくつもあります。

そこで活躍するのがママネットワークです。ママ友でも良いですし、職場の先輩ママでもOKです。子育ての経験のあるママたちと繋がりを作っておくと何かと便利なんです。

子育ての悩みも相談できますし、いざという時は助け合うこともできます。誰かに相談できる環境というのは思っている以上に大切で、これがあるのと無いのとでは子育ての負担はかなり変ってきます。

助けられつつ、助けつつでママネットワークをうまく活用できると、子育ても幾分か楽になります。

子どもが大きくなってからのことを考える

子育てに仕事に毎日とてつもなく忙しい日々を送っているとふいに考えてしまうことがあります。

それが「私ってこのままの働き方でいいの?」というものです。どうしても子育てをしながらだと思うように仕事に精を出すことができません。

疲れてしまうというのもありますが、そこまでの余裕がないのです。

「薬剤師としてこのままで良いのか?」
「自分はどういう薬剤師になりたかったのか。」

こんなことを考え始めてしまうと、子育てにも影響してしまうこともあります。子どもがいるからなりたい自分になれない、と本当は責めたくないのに子どもにあたってしまう場合も。

そこで子育て中に一度考えて欲しいのが「子どもが大きくなってからどのように働きたいか。」ということです。

今は難しいけど、子どもの手が離れたらこういうことをしたい!というのをいくつか考えてみて下さい。これからの人生設計をしてみましょう。

認定薬剤師の資格を取りたいとか、もっと患者さんに頼られる薬剤師になりたいとか、何でもいいんです。今後について考えることで、ほんの少し気持ちが楽になりませんか?

子育ては今この瞬間しかできませんが、仕事に関しては今はできなくても、後からいくらでもやりたいことはできます。どうしても子育てを始めたばかりの頃は仕事が思うようにできなくて悩んでしまうことが多くあります。

「仕事に費やせる時間が増えたらしたいこと。を考えることで、子育てが捗るといったことはないですが、気持ちに余裕ができるのではないでしょうか。

最後に

子育ては常に色々な悩みを生み出します。その悩みに潰されないようにする最善の方法は「一人ですべてを抱え込まない。」ということです。

何もかもを自分だけでやり遂げるのは不可能に近いことです。頼れる人を作りお互いに協力しあうことが子育てと仕事を両立する一番のポイントです。