子育てもしないといけないけど、お金も必要、そんなママ薬剤師に人気なのが派遣薬剤師という働き方です。
一般的な薬剤師の平均時給は2000円前後ですが、派遣薬剤師はなんと3500円~4000円もの時給を貰うことができます。
しかし、いくら時給が高くても子育てと両立できないのであれば意味がありません。実際そのあたりどうなの?
新しく求人を探しているママ薬剤師には、その辺りがとても気になるところですよね。
派遣会社によって子育てとの両立のしやすさに違いがあるのか、派遣薬剤師でも子育て支援を受けることができるのかなど、気になることについて詳しく説明していきます。
派遣会社によって働きやすさは違う?!
派遣薬剤師ってどこの派遣会社に登録しても同じじゃないの?と言う人がいますが、それは大間違いです。
むしろ、どの派遣会社を利用するかによって働き安さが変わってくるのです。どうせ働くなら、働きやすい環境で仕事をしたいのは誰もが思う当たり前のことです。
時給や勤務先だけに囚われずにまず最初に派遣会社についてしっかりと見ておかなければなりません。
福利厚生は派遣会社のものが適用される
働く上でとっても大切な福利厚生ですが、派遣薬剤師の場合は派遣先ではなく大元の派遣会社のものが適用されるってことを知っていましたか?
そのため、どの派遣会社を利用して働くかというのは思っているよりもとても大事なことなのです。
主要な社会保険である以下の四つがあるのかは、あらかじめ派遣会社に確認しておいたほうが良いでしょう。
- 健康保険
- 厚生年金
- 雇用保険
- 労災保険
特に労災保険は勤務中に何かあった時にとても重要です。大切なお子さんをしっかり育てていくためにもここは確認しておくべきところです。
薬剤師賠償責任保険も完備されているか確認しておいた方が安心です。万が一調剤ミスをしてしまった時に保険に加入していることで、賠償金を負担してくれます。
家庭を持つ身としては必ず入っておきたい保険です。
有給休暇は貰えるの?
有給休暇と聞くと、正社員しか貰えないようなイメージがありますが実は派遣薬剤師でも貰えることがあります。もちろん、有給が貰えるか貰えないかは派遣会社によるのでご注意を。
有給が何日貰えるのかは、勤務時間や勤務日数によって変わってきます。子育て中の薬剤師だと週に3日程度の勤務が多いですが、この場合は半年で5日間の有給、一年で6日間の有給が付与されます。
有給休暇については労働基準法で定められている決まり事なので、ほとんどの派遣会社で取得することが可能です。
ただし、繁忙期だったり人手がたりなかったりなどで有給を使いたい日に使えない場合もあります。
突然のこどもの体調不良はもちろん、少し長めの休暇を取りたい時に有給休暇といのはとても役に立つ制度です。
有給が貰えるのか、それを好きなタイミングで使うことができるのか確認しておきましょう。
育児休暇・介護休暇があるか
実は派遣薬剤師でも育児休暇や介護休暇は取れるんです。派遣薬剤師って意外と正社員に負けないくらいの福利厚生が整っているんですよね。
かなり自由に勤務日数や勤務時間を選べるため、派遣薬剤師として活躍している薬剤師には女性が多くいます。その影響で育児休暇や介護休暇などの制度が整っている派遣会社が多く存在します。
子育てをしながら働くとなると、どうしても急に仕事を休まなきゃいけなくなる時があります。そんな時は有給を使って穴埋めをすることもできますが、できるだけ有給は使わずに温存しておきたいですよね。
そこで活躍するのが育児休暇や介護休暇です。これらの休暇を使うことによってムダに有給を消化しなくて済みます。
このような制度があるのか確認しておくと良いでしょう。まれに制度はあるものの活用できていない場合もあるため、前歴も見ておくとなお良しです。
派遣薬剤師として働くオススメの職種は?
派遣薬剤師って調剤薬局に派遣されるイメージが強くありますが、実はそれだけではありません。正社員やパートと同じように病院やドラッグストアでも派遣薬剤師として働くことが可能です。
ここではそれぞれの職種によって、働き方にどのような違いがあるのか見ていきましょう。
調剤薬局
薬学部が4年制から6年制になったことによる薬剤師の不足や、調剤薬局の店舗数の増加により薬剤師の供給が追いついていません。
その影響で人手不足を補うために派遣薬剤師を欲しがる調剤薬局は多くあります。人手不足が深刻であることから短時間勤務のみならずフルタイムでの勤務も求められています。
求人が多くあることから比較的良い条件の求人が多いのが特徴です。駅から近い、残業ゼロ、土日休み、一日2~3時間から、など様々な条件が提示されています。
そのため、調剤薬局・病院・ドラッグストアの三つの職種で比べた場合に最も希望の職場を見つけやすい職種であると言えます。
子育てと仕事を無理なくしっかりと両立したいなら、派遣薬剤師として調剤薬局で働くのはかなりオススメです。
しかし派遣薬剤師の場合は大きな責任を負う監査のような仕事はあまり任せられることがありませんのでそこだけ注意してください。
病院
実は労働派遣法で病院への派遣は禁止されているのです。そのため、派遣薬剤師として病院で働くのは難しいというのが現実です。
まれに求人で紹介予定派遣として病院の求人が出ている場合がありますが、これは普通の派遣薬剤師とは異なるので気をつけてください。
紹介予定派遣と通常の派遣との大きな違いはまず派遣先に直接雇用される事を前提としているところにあります。一定期間派遣として働いた後は派遣期間終了時に病院と本人の合意次第で直接雇用に切り替えられるのです。
そのため、後々は病院で働きたいという人以外は応募するべき求人ではないので注意してください。
ドラッグストア
調剤薬局の求人と比べると格段にその数は少なくなりますが、派遣先としてドラッグストアも実はあります。
調剤薬局の場合は派遣薬剤師には責任の大きな仕事はあまり回ってこない傾向がありますが、ドラッグストアは違います。
ドラッグストアも常に人手不足に悩まされているため、派遣薬剤師であろうと即戦力となる人材を欲しています。そのためOTCの経験がある人が望ましいでしょう。
求人があまり多くはないため、場合によっては子育てと両立できるような条件の職場を見つけるのは少し大変かもしれません。
また、ドラッグストアには薬剤師の人数が1人~2人ほどしか確保されていません。そのため、急な休みも取りにくい可能性があります。
まとめ
派遣薬剤師と聞くと何か特殊な働き方のような気もしますが、実は正社員と待遇はほとんど同じです。
むしろ融通が利くので子育てと両立しやすい働き方であると言えます。しかし、派遣会社によって働きやすさもも異なるので、まずは派遣先よりも派遣会社についてしっかり情報を収集しましょう。
それから良い派遣先に出会えたら完璧です。派遣薬剤師の勤務先はほとんどが調剤薬局ですがまれにドラッグストアなどもあります。
自分の働きやすいスタイルを見つけてうまく子育てと仕事を両立していきましょう。