大阪府の企業薬剤師は、全体の数自体もその種類も両方ともが多いです。やはり関西圏最大の街であるほどはありますね。都市部にはオフィス系の仕事が、郊外のほうだと工場や倉庫での管理業務系の仕事の求人もあるようです。

求人の数が多いのは、ダントツで大阪市内となっていますが、先ほど述べたように市外にも多くの求人があります。市外の求人の数だけでも、他の都道府県の企業薬剤師求人数を超えてしまうことがあるほどです。

2016年5月現在に出回っている求人を元にして、製薬会社・メーカー・臨床開発・その他について求人状況や求人傾向などを簡単に見てみましょう。

大阪府の製薬会社・薬剤師求人

募集されている職種や求人数などの状況

大阪府では、製薬会社のさまざまな求人が出回っています。たとえば研究員・管理薬剤師・品質管理や薬事管理などの管理薬剤師です。管理薬剤師の求人が最も多いですが、研究員の求人もあるというのが、大阪という都市圏ならではのことですね。地方の求人だと、管理薬剤師とMRばかりで、研究員の求人が全く見られません。

求人の種類が多いだけでなく、それぞれの職種の求人の数も多いです。雇用形態も、正社員からアルバイト・パート・契約社員までさまざまな形で募集されています。

経験者のみの採用も中にはありますが、未経験採用が盛んに行われているようで、経験は特に問わないとしている求人が多いです。

求人内容の傾向:年収

求人の数が多いので、年収が低いものから高いものまで様々ありますが、相場としては350万円から450万円程度となっています。地方と比べると年収が低いです。積極的に未経験を受け入れるということも、年収に関与しているのでしょう。未経験者を想定しているため、想定年収が低くなっているのです。

年収が特に高い求人は、研究員の求人でした。管理薬剤師に比べると求人数自体は少ないのですが、想定年収の幅がとても広く、400万円から700万円までとなっています。

研究員の求人は、必要なスキルや必須である条件が多く厳しいですから、年収が高くなるのは当然と言えるでしょう。

研究員の求人に求められている条件について、ひとつの求人を例にとってみます。まず、薬剤師資格・初級程度の英語力は必須。それから、医歯薬理光学系大学院・博士後期課程卒または同等の能力もしくは、製薬企業で5年以上開発に携わってきた方という条件がありました。

さらに、次のうちどれかひとつ以上の業務について、3年以上の経験を持っていることも条件となっています。その条件となっている業務というのが、以下の通りです。

  • 遺伝子組み換えたんぱく質の大量発現および精製
  • たんぱく質の文化学的・分子生物学的な解析および分析
  • in vitro培養細胞を用いたスクリーニング系の開発
  • マウスなどの実験用小動物を用いた疾患モデル動物の作成と薬効評価
  • その他各種薬効薬理評価試験

やや年収の話題から逸れてしまいましたが、つまりは「研究員は高年収が期待できるが、求められる経験・能力も厳しくなる」ということです。

求人内容の傾向:福利厚生・手当・その他

福利厚生や手当・休日休暇などの待遇については、求人票で詳しく言及していない企業が多いです。言及されていないということは、一般的に考えられうるものしか無いということでしょう。特筆すべきことが無いから、書かないのです。

手当や休暇制度などが言及されているのは、年収が比較的高いものが多い傾向があります。

そういったところだと、社員旅行・通勤交通費支給・住宅手当・資格手当・役付手当・時間外手当が設定されていることが多いです。休暇制度はどこも似たようなもので、夏季休暇・年末年始休暇に慶弔休暇・有給休暇が定められています。

大阪府の各種メーカー・薬剤師求人

メーカーの求人状況

大阪では、漢方・食品・化学製品メーカーでの管理薬剤師の求人が多いです。ただ、メーカーの求人数自体はそれほど多いというわけではありません。

漢方・食品メーカーについては様々な企業が求人を出していますが、化学製品メーカーは同じ会社の求人が多く見られます。いずれも未経験者歓迎としているため、未経験でもチャンスがあると考えられるでしょう。

メーカーの求人内容の傾向

どのメーカーも、350万円から500万円程度に年収を設定しています。500万円よりも高く設定している求人は見られず、いわゆる高年収求人はありません。経験不問・語学力不問というのですから、妥当でしょう。

手当については様々なものが設けられている傾向があります。

住宅手当・薬剤師手当・皆勤手当・通勤手当・管理薬剤師手当・・・。薬剤師手当は3万円というところもありました。福利厚生は特に無し、休暇制度も夏季休暇や年末年始休暇などよくある長期休暇制度くらいのものです。

土日休みであるところもあれば、第2・第3・第5土曜日と祝日が休みというところもあります。

残業時間は0から20時間まで。残業時間や休日以外はあまり変わりが無いので、できるだけ残業の無い会社に応募することがキーとなりそうですね。

大阪府の臨床開発・薬剤師求人

臨床開発の求人状況

大阪では、臨床開発モニター(CRA)・治験コーディネーター(CRC)ともに求人があります。さらに未経験でも応募可能としているところが多いです。臨床開発の求人は、公開求人であったとしても法人名を公開していることが多い傾向があります。応募前にその会社について調べるということができるので、ぜひやっておきたいところです。

求人内容の傾向などについて

想定年収は、CRAもCRCも変わらず、450万円から500万円程度であることが多いです。中にはモデル年収を求人票に記載しているところもあり、そのモデル年収によれば、入社8年目31歳課長代理という役職で850万円という年収になる会社もあるとのこと。

その会社は珍しく法人名を公開していなかったため、どの会社かは定かではありませんが、CRAの求人を探していれば、見つかるかもしれません。

裁量労働制またはフレックスタイム制のいずれかを採用しているところが多いです。フレックスタイム・裁量労働制のどちらが自分にとって都合が良いのかを考えて、求人選びをすると良いでしょう。残業時間に関してもついでに見ておきたいところです。

福利厚生に関しては、臨床開発業界が最も充実している傾向があります。もちろん、皆無に近いところもありますが、中には交通費支給・財形貯蓄制度・法人向福利厚生クラブ会員・リゾート型保養施設の会員・健康保険組合の保養所などの福利厚生を設けているところも多いです。

大阪府のその他企業薬剤師求人

メディカルコピーライター

メディカルコピーライターの求人が、何度も出されていました。同じ会社から多くの求人が出されているということで、なかなか人材が埋まらないのだと考えられます。つまり求人を見かけたときが狙い時ということですね。勤務地は梅田などのある大阪市北区。正社員の求人となっています。

年収は300万円から600万円までで経験などを考慮して決定されます。随時昇給もあるとのことです。福利厚生は特に書かれていませんが、年間休日は120日程度。広告代理店ということで、残業時間が長いことは覚悟しておかなければならないでしょう。ただ、興味のある人にとっては魅力的な求人なのではないでしょうか。

統計解析やデータマネジメント

統計解析もデータマネジメントも臨床開発ですが、あまり一般的な部類のものではないため、その他で紹介します。どちらも求人数が多いわけではありませんが、数件は見られました。いずれも薬剤師紹介会社で見られたもので、薬剤師向けの案件となっていますが、薬剤師資格が問われているわけではありません。求められるのは、それぞれの実務経験です。

年収は公開されていないので、不明となっています。福利厚生については、財形貯蓄・企業年金に社員持株会制度・資格取得奨励金制度・資金貸付制度などが設定されていることが多いです。

まとめ

大阪は求人数も多く、求人の種類も多いため、多くの求人を比較しながら検討をすることができます。最初から職種を絞って探すことも可能ですし、職種を絞らないのであれば時間はかかりますが、より良い求人を得ることもできるでしょう。

数と種類がおいからこそ、自分が「これだ」と思う求人を見つける努力を惜しまないようにしなければなりません。