北海道は企業薬剤師の求人数が多く見られます。2016年5月現在の公開求人数は薬キャリで16件・マイナビ薬剤師で14件・リクナビ薬剤師で3件です。その他一般転職サイトにも出回っている求人を合わせると、求人数はとても多いと言えます。

経験者採用も多いのですが、未経験者OKとしている求人も多いです。経験者・未経験者問わず、多くの求人の中から自分に適した求人を見つけることができるでしょう。求人数が多いため、年収や福利厚生など待遇面はそれぞれの業種によって大きく異なる場合があります。

また、企業ごとによってもピンからキリまであり、年収を重視する人でも福利厚生を重視する人でも、どのような人でもスムーズな求人探しができるでしょう。では、実際は業種・職種ごとにどのような傾向があるのか、2016年5月時点で出回っている求人情報を元にして説明します。

北海道の製薬会社・薬剤師求人

募集されている職種や求人数などの状況

北海道の企業薬剤師求人は多いのですが、その中においては製薬会社の求人が少ない傾向があります。製薬会社では、DI業務や安全管理・品質管理・薬事教育などデスクワークを中心として行う管理薬剤師が募集されていることがほとんどです。また、職務経験が問われないことも多い傾向があります。求人の数が少なくとも、未経験者が応募することのできる求人数は他より多いかもしれません。

求人内容の傾向:年収

年収は400万円から500万円が相場ですが、企業によって400万円を下回る場合もあれば500万円を上回る場合もあるので注意しましょう。下限と上限をしっかりとチェックしておき、自分の経験値・能力であればどの程度の年収が得られるのか皮算用だとしても、やっておくことが大切です。やらない皮算用より、やる皮算用。

求人内容の傾向:福利厚生・手当・その他

管理薬剤師が募集されているということで、ほとんどの求人に管理薬剤師手当の記載があります。ただし、その金額は明示されていません。全国的には2万円までという傾向があるので、多くて2万円少なくとも1万円程度だと考えておくのが無難でしょう。

また、手当が豊富なところだと管理薬剤師手当のほかに薬剤管理手当や生計補助手当などが設定されていることもあります。年収もそうですが、手当についてもある程度は重視したほうが良いかもしれません。企業によって細かな違いが出るところです。

休暇制度はあまり違いがでず、夏季休暇・年末年始休暇のみとなっているところが多い傾向があります。休日は土日休みだが、たまに土曜日出勤があるというところも多いです。年収が高いところだと、休日出勤や残業も覚悟しなければならないとのこと。残業代込みの年収の高さなのでしょうね。

北海道の各種メーカー・薬剤師求人

北海道におけるメーカーの薬剤師求人の状況

北海道ではメーカーの求人は少ないのですが、全く出回らないということはないようです。時期によっては0件ということも十分ありえますが、2016年5月時点では1件の求人を見つけることができました。それは化粧品・バイオメーカーの求人です。

募集されている仕事内容がとても珍しく、医療系システム商品企画開発およびマーケティングとなっています。必要資格は薬剤師または放射線技師または臨床検査技師となっており、薬剤師向けの求人であると言えるでしょう。

メーカーの薬剤師求人内容の傾向

1件だけなので、メーカー薬剤師求人全体としてのものではなく、こういう求人もあったという一例として紹介します。まず年収はスタート地点が記されていないのですが、上限は600万円までとのことです。最初は低く設定され、入社後に実績や適性を評価して報酬額がアップすることもあるとのこと。

この仕事に対する適性があり、入社してしっかりとした実績を挙げることができたならば、600万円までの間で年収をアップさせることができるということですね。勤務地は札幌市で、雇用形態は正社員。募集の背景は組織強化となっています。

福利厚生は通勤手当・福利厚生手当というものがあるのみです。

北海道の臨床開発・薬剤師求人

臨床開発の求人状況

北海道では臨床開発モニター(CRA)・治験コーディネーター(CRC)の両方とも求人が出回っています。未経験者向けの薬剤師求人もそれぞれ多いです。北海道の治験業界の特徴としては、応募者数と求人数がつりあっているのにも関わらず、書類選考通過率および面接通過率が全国平均よりも低いということです。

他県であれば求人数よりも応募者数のほうが多かったりするのですが、それでも通過率自体はそれほど悪くはありません。北海道は企業がとてもよく厳選しつつ採用を行っていることと推測されています。数社受けて全て不採用ということも十分考えられるとのことです。ただし、求人の数も多いため、不採用になったとしてもまたチャレンジすることができます。2社くらいは落としても余裕という心構えで転職活動にのぞみましょう。

特に治験コーディネーターは失敗が許されるほど、求人を出している会社数が多いです。臨床開発モニターは2社落ちた時点で少し焦らなければなりません。

北海道は医師会が治験の実施にとても積極的であり、治験コーディネーターの需要が特に多くなっています。薬剤師でなおかつ未経験OKの治験コーディネーター求人が50件から60件も出回っているほどですから、その需要の高さが伺えるでしょう。対して同じ条件で臨床開発モニターを探すと10件から20件程度の求人数となっています。

北海道に事務所を構えるSMO・CRO

北海道に事務所を構えているSMOは以下の通りです。

  • サイトサポート・インスティテュート株式会社
  • 株式会社EP綜合
  • ノイエス株式会社
  • 株式会社アイロム
  • 株式会社えくさむ
  • 株式会社BELL24・Cell Product

北海道に事務所を構えているCROは、「クインタイルズ・トランスナショナルジャパン株式会社」のみとなっています。求人数の違いにも納得ができるでしょう。臨床開発業界は求人を出している企業ごとに待遇が大きく変わります。それぞれにそれぞれの良さがあり、それぞれの悪い部分があるのです。そのため、下手に傾向を述べるよりも各自で調べたほうが純度の高い情報を得られるでしょう。

北海道のその他企業薬剤師求人

北海道では医薬品卸企業の管理薬剤師求人が多く出回っています。そして、そのほとんどが未経験者OKとなっているのです。年収は350万円から500万円に設定されていることが多く、福利厚生と呼べるようなものは特にありません。年末年始休暇に夏季休暇、出産休暇に育児休暇が備わっている程度です。あまり多くを期待することはできないでしょう。

ただし、ハードルが低いため、企業薬剤師に初挑戦するという人は医薬品卸の求人を一度調べてみることをおすすめします。

まとめ

北海道は求人数が多いため、自分自身で何を重視して転職活動をするのかについてもう一度しっかりと考える必要があります。年収を重視するのか、福利厚生を重視するのか・・・。福利厚生重視という人は、臨床開発業界がおすすめです。年収重視という人は製薬会社やメーカー求人になるのでしょうが、最初は低いことを念頭に入れておかなければなりません、そのように、重視するものによって、選ぶべき道が変わるのです。