薬剤師からCRAに転職するメリットとデメリット
薬剤師から、CRA(臨床開発モニター)への転職を志す人が増えています。臨床開発モニターが薬剤師に人気なのは、収入面の良さなどがあるのです。しかし、薬剤師からCRAに転職する場合は、いろいろと注意すべきことがあります。
薬剤師から臨床開発モニターへの転職で求められるもの
薬剤師から臨床開発モニターへの転職をする際には、さまざまなスキルが求められます。
英語のスキル
普段薬局などで薬剤師をしていると、英語なんて使う機会があまりありませんよね。来るのは日本人。使う書類も日本語。調剤をして患者さんに説明するのにも英語を使う機会はなかなか訪れません。英語力というのは軽視されがちなものです。
でも、CRAに転職をするのであれば英語のスキルを磨いておくほうが良いです。英語のスキルがあると、いろいろな仕事を任されるようになります。英語を使う仕事もあるのですが、それを任されるようになると年収が大幅アップするなんていうこともあるので、持っていて損はありません。必ず必要なものではないですが、一度英語力を試してみるのも良いでしょう。
違う種類のコミュニケーション能力
CRAが直接患者と話したり被験者と話をしたりすることはありません。でも、コミュニケーション能力は求められます。病院などで勤めていた人はわかるかもしれませんが、調剤薬局で勤めていた人はちょっと要注意です。
薬局やドラッグストアで求められるコミュニケーション能力と、CRAに求められるコミュニケーション能力は別物です。前者が患者さんに対するコミュニケーション能力であれば、後者は同業者や異業種の人たちと関わるためのコミュニケーション能力。
同じようにすればいいというわけではありませんからね。どうしても、医師や他の薬剤師の人たちと連携をとらなくてはいけません。治験監査委員の人たちとも連携をとらなくてはいけませんし、結構大変です。ビジネス的なコミュニケーション能力が問われます。
薬剤師からCRAへの転職で注意しておくべきこと
薬剤師から臨床開発モニターへの転職。注意しておくべきことはたくさんあります。
家族の理解
夫や妻、子供などの家族がいる場合。家庭を築いている場合には、家族の理解が必要なこともあります。調剤薬局やドラッグストア、病院などで働いていると、「出張」なんてありませんよね。どこかに出張して宿泊・・・なんていうことはないのですが、CRAだとそれがあります。
そこで、家族の理解を得る必要があるというわけです。たいていの場合、理解してくれるでしょう。でも、たまに「家族の理解が得られなくて転職を断念した」という人もいるので、家族とよく話し合って決める必要がありますね。
ひとりひとりの負担と責任
臨床開発モニターは、ひとりひとりの仕事量と責任がとても大きいです。基本的には、ひとりで治験の準備から終了までの仕事を請け負います。モニタリングもひとり。CRAとしてその治験に参加しているのは、自分ひとりだけという状況が当たり前です。
負担と責任がとても大きいので、プレッシャーに強く、むしろそれにやりがいを感じる人でなければ結構厳しいでしょう。
必ずしも、臨床経験が有利とは限らない
薬剤師として臨床経験を積んだ方も注意が必要です。求人によっては、臨床経験者を優遇するところとしないところがあります。臨床経験があると医師や看護師、薬剤師との連携がとりやすくなったりと、メリットはあるのですが、経験がなくてもできる仕事ですからね。
むしろ別段優遇しないところのほうが多い傾向にあります。臨床経験を武器にして転職をしようと考えているのであれば、別の武器を探したほうが良いかもしれませんね。
ただし、そこで身に着けた薬の知識などは無駄にならず、きっちり活かせるのでそこのところは安心してください。
まとめ
収入面や福利厚生面から考えて、臨床開発モニターに転職する薬剤師の人数は年々増加しています。
臨床開発モニターは確かに魅力的な仕事で、やりがいも大きい仕事です。ただし、それ相応の収入を得るからには、苦労も伴います。はじめは薬剤師として活躍していたときとのギャップなどを感じるかもしれません。治験の施設や病院などで働く薬剤師がまぶしく見えることもあるようです。
そんな中でも、きっちりとやりがいを持ち、楽しみながら仕事が出来る人は、転職を志してみてもいいかもしれませんね。