薬剤師からCRCに転職するメリットとデメリット
近年、CRC(治験コーディネーター)への転職を考える薬剤師が増えています。薬剤師は、医薬品に関する専門知識を持っているので、新薬に関して理解するのも早く、仕事を覚えるのも早い傾向にあるので、転職には有利です。
そこで、薬剤師が転職する際のメリットとデメリットなどについて詳しく説明したいと思います。
薬剤師が治験コーディネーターに転職するメリット
薬剤師が治験コーディネーターに転職したとして、考えられるメリットは以下のとおりです。
- 患者さんと関わる機会が多くなる
- 週に2日、土日にきっちり休むことができる
- 薬局と比べると肉体的な負担が軽くて済む
- 大勢の医療現場の人たちとの信頼関係を築くことができる
- 事務スキルを磨くことができる
- 仕事は自分自身の裁量によるものが大きいので、スケジュール管理や調整がかなりしやすい
- 自分が治験に関わった新薬が実際に世に出されると、達成感と喜びが大きい
- 薬局やドラッグストア、病院よりも福利厚生が整っている
まず、患者さんと関わる機会が多くなるということについて。治験コーディネーターが患者さんと関わるのは治験についての説明をするということから、患者さんの悩みや相談をきくようなところまで。かなり深く関わることになり、患者さんからの信頼も厚くなります。
治験コーディネーターは基本的にどこも完全週休2日制のところが多く、土日にきっちりと休むことができるのがかなり魅力的です。薬局やドラッグストア、病院などだとシフト制で休日が定まっていないことも多いので、それから解放されることに喜びを感じる人が多いようですよ。
また、治験コーディネーターの仕事は基本的にひとりです。ひとつの治験につき関わる治験コーディネーターはひとり。その現場にはあなたしかいないということで、仕事は自分自身の裁量による部分がとても大きいです。それが大変さにもつながるのですが、スケジュールを調整しやすいという面ではメリットになりますし、やりがいでもあります。
やりがいに関しては、やはり自分が治験コーディネーターとして関わった新薬が世に出たときの達成感や感動というのがとても大きいでしょう。かなり大きな喜びに包まれますよ。
薬剤師が治験コーディネーターに転職するデメリット
薬剤師が治験コーディネーターに転職する際のデメリットは、以下のようなものが考えられます。
- 給料が下がるかもしれない
- 調剤業務ができない
- 担当する施設や、提示されたプロトコルなどによっては早出という場合もある
- 病院内のスタッフさんや患者さんとの間でのスケジュール調整でストレスが溜まる
- 事務作業が多いので、慣れないうちは残業が当たり前になる
- 自分の裁量による部分が大きすぎて、効率よくできないと残業が増えるばかり
- SMOに所属していると担当施設を選ぶことができない
給料は、以前一度でも治験に携わる業務をしたことがあるという人なら上がります。例えば、以前は臨床開発モニターをしていて、それから薬局へと転職。そして今度は薬局から治験コーディネーターに転職するといった場合です。
ただし、それ以外の場合だと給料が下がる可能性があります。
また、治験コーディネーターの仕事は半分以上が事務作業です。手続きや書類作成などをすることになります。薬剤師は実際に動いて調剤をしたり管理をしたりすることが多いので、事務作業に慣れない人が多いです。慣れないうちは、残業を多くすることになるでしょう。
また、自分の裁量による部分が大きすぎるというのも考え物。効率よく仕事が出来れば良いのですが、そうでなければ残業するのが当たり前になってしまったりしますし、責任も大きい。ストレスの原因になってしまうこともあります。
まとめ
薬剤師からCRCに転職をするのは、メリットもデメリットも多くあります。それらを比べたときに、薬剤師としてこのまま薬局やドラッグストア・病院などの現場で働くのがいいか、それでも治験コーディネーターになりたいのかを自分のこころに問いかけましょう。
快く「それでも、私は治験コーディネーターがやりたいんだ!」という場合はその道に邁進すると良いでしょう。大変な仕事ですが、転職するメリットもかなり大きい。特に、やりがいの部分に関しては魅力的ですからね。
それなりの覚悟を持って転職し、仕事を楽しむことができれば転職してよかったと思えるはずです。