介護老人保健施設の薬剤師求人

介護老人保健施設には薬剤師の配置義務があります。介護老人保健施設で薬剤師は調剤室で調剤を行ったり、薬の管理をしたりするのが仕事。

数がどんどん増えていっている介護老人保健施設。薬剤師の求人状況は、どうなっているのでしょうか。また、今後どのようになっていくと考えられるのでしょうか。

介護老人保健施設の薬剤師求人の現況

介護老人保健施設は現在、薬剤師の募集数が多いとは言えません。

求人数について

介護老人保健施設は、現在日本中に多数ありますが、薬剤師の求人数については多くはありません。全国で考えても50件に満たない数の求人です。薬局やドラッグストアの求人は千件単位である時期もありますし、病院薬剤師も多い時期だと全国で50件程度はあります。

そう考えると、薬剤師のほかの職種と比べてもかなり級因数が少ないことがわかります。「調剤薬局よりは少ないけど、介護老人保健施設が増えているのに、どうして薬剤師の求人が少ないの?」と疑問に思う人も多いでしょうが、それにはちゃんと理由があるのです。

現在求人の数が少ないのは、1つの施設に少数の薬剤師しか働いていない・雇っていないからということになります。入所者300人あたりに1人の薬剤師を置くことが義務化されているため、それに満たないところはパートタイムの薬剤師を雇用するだけ。それでも人数は少ないです。

常勤の薬剤師を雇っているところとなると少ないですし、その人数も1人。パートの薬剤師で常勤の薬剤師が休んでいるところを埋めるといった感じでまわしているところがほとんどです。昇給制度もあるので長く勤めようとする人も多く、離職率も高いわけではありません。

そういうわけで、求人数が少なくなっています。

介護老人保健施設の薬剤師募集条件

まず勤務時間ですが、正社員だと9時から18時担っていることが多いです。パートタイムの勤務時間は施設によってばらばらで、9時17時のところもあれば、9時16時のところもあります。大体はパートでも1日5時間程度の勤務時間になっていて、週に10時間から20時間までとなっている傾向にありますね。

雇用形態は正社員よりもパートのほうが圧倒的に数が多いです。

休日に関しては正社員だと、4週6休、4週8休など「4週間で何日休みがある」と定めているところが多く、完全週休二日制などの企業に多い休日体制はとっていません。中には週休2日のところもありますが、少数はですね。

パートの人の休日は、「希望による」とのことで働く側の希望する休日と雇う側との都合をすり合わせて決定されるというパートやアルバイトによくある休日形態になっています。

正社員だと、有給休暇や年末年始の長期休暇などを設けている。健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険・医療過誤保険・退職金制度・薬剤師会加入・勉強会開催などの福利厚生がしっかりしているところが多いですね。

薬剤師会加入については、施設内で1人のみと決まっているので、その施設に入っている人がいない場合にのみつく福利厚生ですが、薬剤師会に入っていると学校薬剤師に選ばれるチャンスもあり道が広がります。

介護老人保健施設での薬剤師採用の今後

介護老人保健施設で働く薬剤師は、今後今より求人数が増えることが考えられます。

現在、少子高齢化がどんどん進んでいます。結婚をしない生き方を選ぶ人も増えてきていたりと、日本は今後もどんどん高齢化社会に向かって進んでいくと考えられているようです。

そのため、介護老人保健施設は今後さらに入所者が増えていくでしょう。施設での薬剤師の必要性も認められてきています。以上のことを考えると、今後はさらに薬剤師の採用が増えて開かれた世界になることが考えられるというわけです。

独立はあり?

介護老人保健施設で働く薬剤師の中には独立を考える人も少なくはありません。介護老人保健施設を立ち上げようと考える人も覆いかと思いますが、薬剤師が介護老人保健施設を経営していく際には施設の確保が難しいので注意してください。

介護老人保健施設を構えることができる立地条件というのは案外限られています。現在かなりの数の介護老人保健施設があることを考えると、新規で独立するのは非常に困難でしょう。あまり現実的とは言えないですね。

まとめ

現在、介護老人保健施設では求人数が少ないですが、募集を出しているところは本気で薬剤師を欲しがっています。正社員で入る場合、待遇が良いというところも多いです。

もしも介護老人保健施設で働きたいのであれば、調剤薬局などで経験を積みながら求人が出るのを待ち、出たらすぐに飛び込むというのが好ましいでしょう。