派遣薬剤師には、いくつか注意しておくべき法律があります。本記事を参考に違法な働き方にならないよう気を付けましょう。

派遣薬剤師は注意!労働派遣法の改正について

労働派遣法といえば、2000年に改正されてから薬剤師の派遣が可能になりましたね。そんな労働派遣法の改正の中で、2012年と2015年の内容には注意しなくてはいけません。いくつか規制されるポイントが追加されました。

上限3年

まず、一番記憶に新しい改正内容から説明します。2015年の9月に改正されたもので、同じ派遣先で働くことができる期間が上限3年になるというものです。3年以上同じ職場で派遣として働くことができないということですね。

3年経ったらどうなるのかについてですが、派遣会社が正規雇用依頼をするということになっています。3年勤めて、その上で「どうですか、正社員にしませんか?」と訴えかけてくれるということですね。ただ、これはあまり意味があることではありませんね。

3年というスパンでなら、働き出を交代させれば正規雇用でなくてもずっと派遣に仕事を任せることができます。3年という期間が開くのであれば、企業にとって痛手はまったくありません。むしろ正規雇用より派遣に任せ続けようという動きになることが予測されます。

30日以内の短期派遣は不可能

2012年に改正された内容ですが、30日以内の短期派遣ができなくなっています。以前は、1ヶ月の短期派遣も存在したんですが、今では30日以内の短期派遣は違法です。あまりに短い期間での雇用は、派遣会社・派遣先双方が雇用管理責任を果たすことが難しいというのが理由になっています。

日雇い派遣はもう存在しないというわけですが、一定条件を満たす人であればOKです。

  • 60歳以上
  • 学生
  • 年収500万円以上(ダブルワーク)
  • 世帯収入額が年間500万円以上で、その主たる生計者以外

以上のいずれかにあてはまる人は、日雇い派遣などが可能です。

1年以内に退職した職場に派遣できない

まず、正社員としてどこかの会社に就職していたとしましょう。○○グループの調剤薬局で働いていたとします。

その1年以内に派遣登録して、同じ会社の薬局で派遣薬剤師として働くことは不可能です。復職を考えている場合には、気をつけていなければいけませんね。

正社員から派遣社員にランクを下げるということが無いように作られた決まりです。この決まりが無ければ、企業側は正社員から派遣社員に格下げすることができます。雇用問題を解決するための策というわけですね。

管理薬剤師の派遣はどうなの?

管理薬剤師について、派遣はどうなのでしょうか。

管理薬剤師の派遣は違法

一般薬剤師の派遣は認められていますが、管理薬剤師の派遣は認められていません。

管理薬剤師というのは、薬剤を管理する役目を負っている薬剤師です。薬局やドラッグストアなど、薬を扱うところでは必ず一人は配置しなくてはいけません。

とても責任の重い役目。さらに、保健衛生上支障をきたさないように慎重に管理しなくてはいけません。その二つの観点から、管理薬剤師は派遣で働くことができないとしています。そもそも2000年より前、薬剤師の派遣が不可能だったのは責任の重さによるものでしたからね。

紹介予定派遣ならOK

管理薬剤師であっても、派遣として働く方法はあります。それは、紹介予定派遣です。

紹介予定派遣というのは、簡単に言えば正規雇用を前提とした派遣。一定期間派遣として働き、その後に双方合意が得られればその職場で正社員として働くというものです。

紹介予定派遣は、薬局ではなく製薬会社・医療機器メーカーなんかに多いですね。こういうところは実務経験よりも職場で実際に働いてどうだったかなどを重視することがあります。そのため、紹介予定派遣が多いのです。

管理薬剤師で派遣から正社員という流れで就職したいのであれば、紹介予定派遣しかありません。

まとめ

派遣薬剤師関連の法律について説明してきました。派遣に関しては労働派遣法に順ずるものです。派遣という働き方を選ぶのであれば、労働派遣法の改正などのニュースには敏感になっておく必要がありますね。