副業や掛け持ちといったダブルワークでOTC販売をしたいとお考えの薬剤師の方のために、ここでは、いくつかのタイプ別に求人選びのポイントと注意すべき点について紹介します。

正社員として働きながら掛け持ちでOTC販売の仕事をしたい場合

すでに正社員の薬剤師として勤務している場合、平日の日中に正社員として勤務しているのであれば、おのずから休日や夜間の勤務が多くなるかと思います。

以下の項目ごとに、求人のポイントを考えてみましょう。

1.収入面

なるべく短時間で効率よく稼ぐためにも、できるだけ好条件の掛け持ち先を探したいところかと思います。

ドラッグストアの派遣OTC薬剤師であれば、時給の相場は2,500円から3,000円程度ですが、中には4,000円以上といった好条件もありますので、日頃からよく情報収集しておきましょう。

ドラッグストアであれば、夜間に時給が割り増しになる求人もあります。夜間の時給が2,500円のところで週に3日間3時間勤務するだけでも月9万円にもなります。

どれくらい収入をアップさせたいかを考え、無理のない範囲で計画的に掛け持ちをしましょう。

2.将来性を見据えて

例えば、いま調剤薬局で正社員として勤務されている方は、将来の転職先の検討も踏まえて、OTC薬剤師を経験してみたいという方も多いのではないでしょうか。

OTC販売は未経験だから不安という方なら、未経験可という求人を頼りに探すとよいでしょう。

そうした方には、週一日の勤務でも可という求人もありますので、そこから始めてみることをオススメします。

掛け持ちで少しずつ経験を積んでOTC販売について理解が深まってきたら、勤務時間を増やしていき、もっと好条件のところにトライするのもよいでしょう。

3.注意点

ただし、正社員で掛け持ちをする際には、一点だけ注意が必要です。

正社員の薬剤師として、週40時間以上勤務している場合、掛け持ち先にもそのことを正直に打ち明けておく必要があります。

正社員の方が掛け持ちをすることで、法定の労働時間(1日8時間1週40時間)を超える場合、例えば、掛け持ち先が時間外手当(通常賃金の1.25倍)を支払わなければならなくなります。

つまり、正社員であるあなたを雇うために、掛け持ち先である雇い主は、通常よりも多く時給を払わなければならない可能性があります。

これまで正社員として培ってきた知識も活かしながら、掛け持ち先でもしっかり活躍しましょう。

派遣薬剤師としてOTC販売の仕事を掛け持ちしたい場合

派遣としてお勤めの方がOTC薬剤師を選ぶ場合の求人のポイントは以下のとおりです。

1.収入面

派遣薬剤師の場合も同様に、時給は効率的に稼ぐことに直結してくるため、できるだけ好条件を選びたいところです。

都市圏にお住まいの方であれば、ドラッグストアも多いため、派遣OTC薬剤師の求人も潤沢にあります。

しかしながら、何が何でもとにかく短期間で効率よく稼ぎたいのであれば、地方へ移住することも視野に入れてはいかがでしょうか。

北海道や東北地方では、派遣OTC薬剤師で時給5,000円といった好条件もありますので、短期間で集中的に稼ぐことができます。

また、ドラッグストアのOTC販売であれば、調剤薬局との組み合わせで掛け持ちするのがよいでしょう。

調剤薬局は日中の勤務が多いと思いますが、ドラッグストアであれば、夜間の勤務も選べます。

先ほども書いたように、夜間であれば時給が割増しになるドラッグストアがありますので、昼は調剤薬局、夜はOTC販売というように組み合わせることで、より効率的に稼ぐことができます。

2.スキルアップ

派遣薬剤師にとってスキルアップはとても重要です。

例えば、調剤薬局で処方薬を学び、ドラッグストアでOTCを学ぶというように異業種で働くことによって薬剤師の幅は広がります。

もちろん、OTC販売を極めたいのであれば、ドラッグストアを掛け持ちするのもよいでしょう。

店舗が変われば環境も変わりますので、気持ちの切り替えにもなるでしょうし、違ったメンバーと働くことで、あなたのコミュニケーション能力も上がります。

大手ドラッグストアなどの求人では、研修制度の充実をアピールしているところも多いです。

自分がどういった方面にこれからキャリアを築きたいのかを考えるとき、職場でどのような教育プログラムが導入されているかを知っておくのも重要かと思います。

3.注意点

ただし、派遣で掛け持ちをする際に注意すべき点がひとつあります。

チェーン系ドラッグストアによっては、同業種の勤務をお断りしているところもありますので、事前確認が必要です。注意しましょう。

もちろん、求人の中には、掛け持ち可というドラッグストアもありますので、よく探してみましょう。

最後に

薬剤師であれば、収入面を安定させながら、働き方を自由自在にコントロールすることができます。

薬剤師として様々な職場で経験を得ることは、収入のみならず、必ず自身のスキルアップにつながります。

また、様々な職場を経験することで、自分にとって合う職場とはどういうところなのかが分かってくるかと思います。

裏を返せば、自分に合った職場かどうか、働きやすい雰囲気かといった求人情報からは読み取りきれないところについては、やはり一度自分の目で確かめてみるしかありません。

つまり、そこであなたが実際に働いてみることでしか得られない情報があるということです。

求人情報はたしかに大事ですが、自分にとって最適な職場環境を見つけるためには、掛け持ちをより多く経験していくことが一番の近道といえるのかもしれません。