調剤薬局の求人情報を収集していると、「マンツーマン薬局」と呼ばれる薬局があることに気がつくと思います。

「マンツーマン薬局って何?」と思われるかもしれませんが、これは比較的小さな病院やクリニック、診療所のすぐ近くにあり処方せんを受け付けている薬局のことです。

仕事内容はどの形態の薬局でもほとんど同じですが、ここではマンツーマン薬局ならではの薬剤師の特徴や求人選びのポイントを紹介していこうと思います。

マンツーマン薬局で働く薬剤師の仕事の特徴

比較的小規模な薬局が多い

マンツーマン薬局は、総合病院の門前薬局と比べると処方せん枚数が少なく薬剤師も事務員も少なめなので、規模の小さな薬局が多いです。

もっとも、受け付けている診療科目や処方せん枚数によって事情は異なってきます。

私が勤務していたマンツーマン薬局は内科と小児科をメインとする診療所の横にあったので、1日の処方せん枚数が100枚程度、多い時は150枚を超える時もありました。

そのため、常勤の薬剤師が4人、パート薬剤師が1人いて、事務さんは3人もいました。

医薬連携を実感しやすい

マンツーマン薬局では、門前の病院や診療所の医師・看護師と密に連絡を取り合っていることが多いです。

そのため、疑義照会や処方提案をしやすい環境にあります。また、クレームなどがあった場合にも連携して迅速に対応できます。

さらに、医師から信頼されるようになると様々な相談(例:○○という薬のジェネリック品はあるか。錠剤を粉砕して飲ませたいが粉砕可能か。

粉が苦手な子どもに水剤を出したいが△△と同じ効能の水剤はあるか。など)を受けることもあり、医薬連携を実感することができます。

未経験者でも比較的働きやすい

マンツーマン薬局では、午前の診察が終わって午後の診察が始まるまでの間に比較的余裕があります。

その時間を使って先輩薬剤師が薬局内の機器の使い方や内規について様々な指導をしてくれることが多いです。

決まった指導担当者がいなくても手の空いている薬剤師が色々教えてくれることが多いので、未経験者を受け入れやすい環境が整っているといえます。

また、他の薬局と比較して診療科目が絞られているため、余裕を持って疾患や薬剤の勉強をすることができます。

これらのことから、他のタイプの調剤薬局に比べると未経験者でも就職しやすい職場と言えます。

土曜日が休みになることはほとんどない

小さな病院や診療所は、土曜日の午前中も診療をしていることが多いようです。そのかわりに、水曜日あるいは木曜日に半日もしくは一日休診というパターンが多いようです。

マンツーマン薬局もこれに合わせて休みとなることが多いので、土曜日が休みになることはまずありません。

そのため「土日はしっかり休みたい」という人には不向きです。

中抜け時間が長いと拘束時間が長くなる

マンツーマン薬局では、午前の診察が終わって午後の診察が始まるまでの間に患者さんが来ることはあまりありません。

そのため、「中抜け」と呼ばれる長めの昼休憩が設定されていることがあります。

中抜け時間が長いと、一日の勤務時間が8時間であっても拘束時間が長くなります。

受付終了時間が遅め

受付終了時間は病院や診療所に合わせて設定されるので表向きは18時~19時くらいまでであることが多いですが、たいてい最後の患者さんの診察が終わるまで受付を行います。

診察が長引いたり点滴を行っていたりすると、必然的に受付時間は延長されます。

患者さんが多くなりがちな大型連休前や冬場には、1時間以上も受付時間が延長されることもあります。

当直がある可能性も

病院や診療所が休日夜間の当直の場合には、薬局にも当直依頼が来ます。

大病院の門前薬局とは異なり、マンツーマン薬局はまさに「一対一」で処方せんを受け付けているわけですから、当直依頼を拒否することはできません。

マンツーマン薬局の求人選びのポイント

職場訪問で雰囲気をチェック!医療機関との関係も忘れずに!

マンツーマン薬局は比較的小規模なので、中小規模の薬局が運営していることも少なくありません。

そのため、職場が合わなくて異動を希望しても希望がかなわない可能性もあります。

したがって、一度就職したら辞めるまでその薬局にいる覚悟が必要です。そこで、就職前に職場訪問をすることをおすすめします。

訪問時間は、中抜け時間を希望すると良いと思います。リラックスした時間の従業員の雰囲気が良ければ、たいてい人間関係もうまくいっていることが多いです。

また、可能ならば病院や診療所との関係も聞いてみましょう。いうまでもなく医師・看護師との関係が良好な薬局が望ましいです。

病院・診療所の診療科目にも気をつけて

マンツーマン薬局では、病院・診療所の診療科目にも注意が必要です。

例えば、診療科目が産婦人科の場合、患者さんが男性薬剤師を避ける可能性があります。

また、子供が苦手という人は、小児科をメインとする薬局は避けたほうが無難です。

精神科などデリケートな科目を受け付けている場合は「知り合いが来た時にどうしたらよいか困る」という悩みを抱えることもあるようです。

ストレスなく働くために、薬局が主に受け付けている診療科目にも気をつけましょう。

中抜け時間・休日や当直の有無を確認

マンツーマン薬局では、総合病院の門前薬局に比べて拘束時間が長く休日が少ないことが多いです。

勤務時間は平均して1日8時間あるいは週40時間となっていることが多いと思いますが、中抜け時間の有無や受付終了時間をチェックし、1日の実質的な拘束時間を確認しておいたほうが良いでしょう。

また日曜祝日以外の休日がどのように設定されているのか、当直勤務がどの程度あるのかも確認しておくべきです。

家族と予定を合わせるのが難しいと、勤務するのがつらくなってきます。自分や家族のライフスタイルに合致する職場かどうかをしっかりチェックしましょう。

残業時間は多くないか

マンツーマン薬局では受付終了直前まで調剤業務を行っていることが多いです。

午前の薬歴は午後の診察開始までに消化できることが多いですが、午後の受付終了間際の患者さんの薬歴は記入しきれないことがあります。

そのような場合、残業が発生することもあります。

残業が続くと勤務がつらくなってきてしまうので、どの程度残業が発生するのか、季節変動がないかも確認しておいたほうが良いでしょう。

勉強会は充実しているか

小規模な薬局では、勉強会があまり行われないこともあります。

確かにマンツーマン薬局では取り扱う薬剤が比較的限られていますし、薬局にある薬剤をしっかり理解しておけば業務に支障はありません。

しかし、勉強会があれば業務に直結した知識を得ることができます。

できれば定期的に勉強会を開催している薬局が望ましいでしょう。

まとめ

マンツーマン薬局は中抜け時間があったり完全週休二日制でなかったりする場合も多く、プライベートの時間を取りにくいというデメリットは確かにあります。

しかし、比較的余裕がある職場ですし診療科目が限られているので、調剤薬局未経験で自信がない人でも安心して就職できる職場と言えます。

私も調剤薬局未経験で初めて就職したのはマンツーマン薬局でした。

そこで1年弱キャリアを積んだ後に総合病院の門前薬局へ異動になったのですが、初めての調剤経験が余裕のあるマンツーマン薬局でよかった、と心底思いました。

もし、勤務時間や休日に不安があるようならば、まず契約社員やパート職員として勤務してみるのも良いと思います。

働いてみたいマンツーマン薬局があったら、まず申し込んでみましょう。

最初の一歩は不安かもしれませんが、調剤未経験の薬剤師にとってはとても良い職場だと思います。

勤務体制などをしっかりチェックして、無理のない転職をしてくださいね。