研修認定薬剤師とは
研修認定薬剤師は研修認定薬剤師制度で定められている資格です。
公益財団法人日本薬剤師研修センターが主催していて、2015年6月30日の次点で研修認定薬剤師の人数は39,871名にものぼります。そのうち、新しく認定された人が9,838名で認定を更新した人が30,033名です。
この資格の目的・役割は、薬剤師の生涯教育の支援。薬剤師が自分の技術や知識を磨き、自己啓発させるための環境をつくり、それをサポートするのが研修認定薬剤師の役割です。
研修認定薬剤師に必要な知識や技術
研修認定薬剤師に必要なのは、一般的な薬剤師としての技能と知識です。それらは研修センターが行っている各研修にて得ることができます。研修はセンターで行うものからビデオで行うもの、インターネットで行うものまであり、それらすべてを履修して単位を集める必要があります。
試験があったりするわけではないので「この知識や技術が必要」というよりは「とにかく単位が必要」ということです。各自勉強をするのはもちろんですが、薬剤師の免許がとれたのであれば問題はないでしょう。研修に参加して単位を集めることが研修認定薬剤師になるためには最も大切なことです。
研修認定薬剤師になるには
研修認定薬剤師になるまでの道のり
まずは研修手帳を手に入れましょう。研修手帳を手に入れたら、今度は研修受講シールを集めます。シールは研修手帳に貼っておき、研修内容を記録しておくためのものです。シールが単位の指標となり、4年以内に40単位以上をとったら、センターに申請します。
センターに申請したら、今度は手数料を振り込んで研修手帳と研修認定薬剤師新規申請書を各都道府県の薬剤師研修協議会に提出。これで登録が済み、認定薬剤師証がもらえます。研修認定薬剤師証は、3年ごとに更新する必要があります。
研修手帳の購入方法
研修手帳を購入するには、インターネットの手帳申し込みフォームで申し込むか、FAXや郵送で申し込む必要があります。
定価は税込みで514円。送料は1冊あたり140円で、郵便振替にて支払いをします。振り込み手数料がかかる場合は、自分で負担することになります。支払いは、先払いではなくて後払い。手帳が届いてから1週間以内に払うのが原則となっています。
また、研修手帳を申し込んでから届くまでには2週間ほどの期間を要するため、できるだけ早めに申し込んでおくのが好ましいですね。
研修にはどのようなものがあるのか
研修は、6種類に大別されます。
- センターが主催している研修
- 認定対象集合研修会
- e-ラーニング研修
- ビデオ集合研修
- ビデオ・オンデマンド研修
- 1日薬局・病院実務研修
センターが主催している研修に関しては、申し込み情報や行われる研修会の情報などを研修センターのホームページで確認することができるのでその都度確認しましょう。認定対象集合研修会というのは、センターが認定した集合研修実施機関によって開かれる研修会。「みんなで集まって研修しましょう」ということですね。
e-ラーニングというのは、ストリーミング配信で行われています。申し込んでストリーミング配信によって研修を受ける。簡単に言えば通信教育みたいな形ですね。臨床判断についての研修や、病態や薬理に関しての研修など医療薬学に関するさまざまな知識について学ぶことになります。
ビデオ集合研修というのは、センター主催の座学集合研修が実施できなかった地域などで、要望があればその都度行うという形の集合研修です。「病態・薬理シリーズ研修」「がん疼痛緩和講習会」の2種類があり、遠くの地方に住んでいる人にとってはありがたい研修の形ですね。
1日薬局・病院実務研修というのは、その名前の通り実務をしながら行う研修。実際の業務を行いながら、座学ではどうしても習得できない知識や技術を身につけるのが目的となっています。
研修認定薬剤師の活躍の場
研修認定薬剤師の活躍の場は、「調剤薬局」「ドラッグストア」「病院」「メーカーの研究職」「MR」「治験コーディネーター」「臨床開発モニター」などさまざまです。一般的に薬剤師の職場とされているところであれば、活躍することができます。
研修認定薬剤師を取得する人の多くは、ブランクを埋めるため。一度薬剤師の職を離れていたけれども薬剤師として再就職したいときに「ブランクを埋めるべく勉強をしてきた」ということの証明に使われるのが一般的です。