私は2014年の10月に調剤薬局薬剤師から病院薬剤師へと転職しました。
転職の理由
転職前の職場は総合病院の門前にあるチェーン薬局でした。県内でも最大規模の総合病院の門前薬局だったため患者さまも多く、処方箋の内容も抗癌剤や麻薬、粉砕や一包化、小児科の調剤など複雑な内容のものが多かったので、新卒で就職したばかりの当時の自分のスキルではミスをしないように調剤するだけでいっぱいいっぱいでした。
採用品目が多く、新薬や特定分野に指定されている薬なども積極的に採用していたので、医薬品に関する知識を高めるという点ではかなり良い環境だったとは思うのですが、それ以前に通常の業務や雑務が非常に多忙だったため、なかなか自分の知識を深める余裕はなく、実際のキャリアアップにはあまりつながりませんでした。
また、調剤薬局はどうしても患者さまの来局される時間帯が集中してしまうため、その時間帯はどうしてもスピードとの勝負になってしまうような部分がありました。大学時代の友人に話を聞いてみるても、やはりどの友人も同じような状況のようでした。
そこで、病院薬剤師として働いている友人に話を聞いてみたところ、調剤薬局よりも病院の方がある程度余裕を持って業務にあたれると知り、病院薬剤師への転職を検討しました。
転職先の病院に求める条件
転職の際の希望条件としては下記を条件としました。
給料面
転職前の給与よりも大幅な減額とならないこと、減額となる場合は住宅手当などの何らかの手当てがあることを条件としました。一般に病院薬剤は調剤薬局の薬剤師よりも給与が低いと聞いていたため、なかなか難しいのではと不安に思っていました。
前職の不満点を解消できる
これまでに触れた「前職での不満点」を解消できるということも重要でした。つまり、忙しすぎず落ち着いてしっかりと経験を積むことができる環境であるという点も条件としました。
処方監査システム
加えて、転職前の調剤薬局には相互作用のチェックなどを自動で確認するシステムがなく、すべて調剤や監査にあたる薬剤師が各自で確認するしかなかったので、できれば処方監査システムを導入している職場であること、というのも希望的な条件として取り入れました。
紹介会社をつかっての転職活動
実際に転職活動を行うにあたり、まずハローワークに登録したのですが、なかなか希望の条件に合う職場が見つからなかったのでインターネットで検索した薬剤師用の人材紹介会社を利用することにしました。
1つの会社に絞りれず複数のサイトに登録しそのあと数回電話やメールでやり取りしましたが、提示していただいた求人の情報が多かったり、対応が丁寧で自分に合っていると感じたある1社に絞ってやり取りを続けました。
担当してくださったのは私と同世代の女性の方で、メールや電話での連絡の際も時には一緒に悩んでくださったり、面接の際も同席して一緒に勤務条件や契約内容などを確認していただいたりと、本当にお世話になりました。
自分では言い出しにくいことや確認しにくい事項も、前もって紹介会社の担当者の方から病院の人事担当者の方に確認していただけるようにお願いしていたので、不安や不満もある程度解消して雇用契約を結ぶことができました。
面接
再就職先の病院での面接は事務長、薬局長と紹介会社の担当者の方、私の4名で行い、これまでの職歴や志望動機、前職の退職理由などを聞かれ、その後雇用条件の説明などがありました。
私は可能であれば院内薬局の雰囲気などが知りたいとお伝えしていたので、面接終了後に薬局長と一緒に薬局へ移動し、調剤室の見学や実際に働いていらっしゃる薬剤師の方や調剤助手の方に紹介までしていただきました。面接での感触もよく、職場環境もゆったりとしていて働きやすそうだったので、3日後に内定のお知らせをいただいた後すぐに雇用契約の手続きをしました。
病院薬剤師に転職をしてみての感想
転職前のハードな勤務に比べ、転職後は落ち着いて働くことができ、とても満足しています。勤務を開始してしばらくは、簡単な内服薬の調剤や監査からスタートし、徐々に注射剤の調剤やベッドサイドでの投薬、抗癌剤の調整などに移るというように、段階的に業務を行うように計画していただいたのですんなりと慣れることができました。
また、薬局内での勉強会があったり、月末には薬剤師同士での特定の分野の薬剤についての意見交換を行ったりする機会も設けてあったりと、知識・経験を確実に積み上げていけるようになりました。さらに不安だった給与面も住宅手当が加算される分、転職前より1万円ではありますが、アップすることとなりました。
現在の職場の特徴としては、調剤など通常の業務の他に医師からの問い合わせへの対応が多く、院内では全く採用のない薬剤についてや抗癌剤の新規採用についての知識を求められたりすることもよくあります。今すぐ知りたいと言われることも多いので緊張感はありますが、薬剤師として頼りにされていると実感できるようになり、転職してよかったと思っています。