現在、3歳児の子育てをしながらパート勤務をしているママ薬剤師です。子供が生まれる前には気づきもしなかった壁や私自身の葛藤が様々ありました。そんな中、私自身、インターネットで同じような経験談を参考にさせてもらったことが多々ありました。こうして私がお伝えすることで、子育て中の方、これから子供が生まれる方へ何かしらお役に立てればと思っています。

薬剤師の現場への再就職を考えた理由

独身時代から仕事が大好きで、結婚してからも仕事を続けていました。しかし、さすがに子供を育てながら夜勤や残業をこなすのは無理と思い、出産2か月前に退職しました。出産後もしばらく専業主婦をしていましたが、子供を生んで半年ほど経つと、自分の今までの知識や経験がどんどん色あせていくように感じてきました。

また、子供にとっても兄弟もおらず、私とずっと二人きりで1日中過ごしても刺激がないのでは、保育園に預けた方が子供にとっていいのではないかと感じ、よし!働こうと思ったのがきっかけでした。

仕事を先に探すのか保育園を先に探すのか

まず、困ったのは保育園を探すか、仕事を探すかどちらを先に始めたらいいか困りました。なぜかというと、認可保育園の入所条件として、(自治体によって異なりますが)まず週4回以上、月60時間以上働いていることが条件です。待機児童が多数いる中で、求職中という状態は間違いなく選考で落とされます。

認可外でいいじゃないか、という話になるかもしれませんが、都市部の認可外保育園は園庭が無いところが多く、腕白な私の子供ではとても満足できないだろうと思い、最終手段に取っておきました。

それでは仕事を探し始めようと思ったのですが、仕事の面接ではまず「どれくらい働けますか?」と聞かれますので、いつも「認可に入れれば○○くらいで、選考に落ちたら分かりません」とあやふやにしか答えられない状況です。

とりあえず、保育園見学(認可・認可外)と求職と2つ同時並行で探していくことにしました。保育園の探し方については今回は割愛させていただきます。

私が薬剤師の求人を探した方法

まずはハローワークで

求職活動はまず最初はハローワークに行ってみました私の住んでいるところは地下鉄で20分ほどのところに母親向けのハローワークがありました。端末のそばにおもちゃの置いてある小さな区画があり、仕事を探している間保育士さんが子供の面倒を見てくれます。

条件を絞って検索すると120件との検索結果が出てきてゲンナリしました。その中で気になる案件を数件印刷しましたが、自分にピンとくるものがなく、さらに子供が私の姿を見てギャーギャー言い出したのが気になり、そそくさと帰りました。乳幼児を連れての外出の準備に1時間、往復で1時間、授乳スペースを探したりして1時間、計3時間の求職活動に帰った時はぐったりでした。

薬剤師紹介会社の利用

そこで、薬剤師の紹介会社を利用することにしました。一つのサイトからいくつかの紹介会社を紹介しているページにいき、その日のうちに5件の登録をしました。すると数日以内に全ての社から電話がかかってきました。どの会社もメールと電話でやり取りをしてもらったので、子供が寝た時などに確認できました。

その中でも2社は地元に支店があったので、紹介会社の人と実際会って面談をすることになりました。どちらの紹介会社もそこの会社に出向くか、自宅の近くで面談をしてもらうことができました。しかも子連れで面談OKとのことだったので、1時間ほどの面談の間、抱っこひもをつけ、座るとぐずるので立ったまま面談をしました。

地元の会社の紹介会社はいずれの会社の方もとても親切で、ゆっくりと話を聞いてもらいました。電話のみでやり取りをしていた会社は、こちらの条件を言うと「えー、難しいですね。なかなかないですよ。」と若干上目線で言われたり、希望では無い職種を紹介されたりすることが多々ありました。恐らくこちらの希望がなかなか伝わらなかったのが理由と思いますが、結局それらの紹介会社は次第に利用しなくなりました。

扶養の話と再就職する職場の条件

求職当時は子供は1歳。まず、困ったのは子供の預け先をどこにしようということでした。認可保育園に預けようとすると週15時間の勤務が必要となります。しかし、私は年収130万円以内の扶養範囲内で働きたかったので、認可の条件から外れてしまうことになります。

扶養範囲内というのは、年収130万円以内で働くということです。年収130万円を超えてしまいますとだと夫の扶養範囲外となり、健康保険料月5,000円程度、年金保険料は15000円程度、合計すると月間で2万円、年24万円の負担増となってしまいます。

ただ、薬剤師の時給は1500円~2000円と比較的高額であるため、年間130万円以内、月10~11万円の間で働こうとすれば、週12時間前後が上限となってしまいます。従って、認可保育園の入園は難しいかもしれませんが、職場が決まってから勤務時間については考えようとひとまず「求職中」ということで保育園の申請書を提出しました。

職場の希望としては「自宅から通える」「内科、あるいは総合病院の門前」「扶養範囲内勤務」で探しました。2つの薬剤師紹介会社に転職活動を依頼して、毎週2~3件の紹介がありました。

気になった求人と応募まで

数ヶ月紹介を受けた中で、面接したいと思った薬局が3件ありました。1つはクリニックビル内の薬局A、残り2つはどちらも総合病院の門前薬局B、薬局Cでした。時給はどこもだいたい同じくらいでした。

しかし、話を進めて行くと薬局Aは面接前から勤務条件がコロコロ変わり、しまいには土曜日勤務で週4回フルタイムと提示してきたため、お断りしました。

薬局Bは一番時給が高く、研修会も豊富にあり、一見魅力的な薬局でした。ところが、紹介会社が「勉強はできる環境ですが、実は薬局長の性格がきつく、人間関係がいまいちです。」と教えてくれました。働くなら長く勤めたいのでこちらもお断りしました。残った薬局Cはなんと家から徒歩10分、しかも新規オープンの店舗という超好条件、早速面接の運びとなりました。

再就職の面接はどうだった?

面接の日程は数日後に決まりました。すぐに先方に提出する「履歴書」が必要となってきます。履歴書を書くのは大学時代の就職活動以来だったので、手書きかパソコン作成が望ましいのかさえも分かりませんでした。結局は手書きが望ましいということで、急いでコンビニで履歴書を手に入れ、書き始めました。

しかし、困ったのは写真です。さすがに赤ちゃんと一緒に写真を撮るわけにもいかない、写真を撮ってる間赤ちゃんをどこに置いておけばいいか困りました。結局子供が寝ている隙に、猛ダッシュで家の隣のコンビニ前の機械に走り込み、撮り直しなどせず一発で写真取り、家に帰ってきました。お陰で子供はすやすやとまだ眠っていました。

面接の日は、子供は近所の一時預かりの保育園に初めて預けました。初めて子供と離れることに戸惑いを感じつつ、久しぶりのスタバでコーヒーを飲んで面接までの時間を潰して面接に挑みました。

面接は他店舗の薬局内(勤める予定の薬局は未だ建築途中だったため)で、薬局本社の部長とその店舗の管理薬剤師との面接でした。その際、紹介会社の方も同行してもらいました。

紹介会社のコンサルタントが給与や労働時間、人間関係に至るまで私から聞きにくいことも質問してくれたので、大変助かりました。面接自体は案外あっさりしたもので、20分程度で終わりました。そして、その日のうちに採用のお電話をいただきました。

このようにして、保育園を探しつつ半年ほど求職活動を行い、自分の希望の職場に出会うことができました。

採用後の話

採用が決まってからも、子供の保育園がまだ決まっておらず、どうしようかと悩みました。しかし、認可保育園にこだわらず、認可外も候補に入れて保育園を探すことにしました。結局、保育園は認可保育園は落選してしまいましたが、認可外保育園は手作りの給食、園外保育が充実して、とてもアットホームな園でした。

そしていざ勤務先が決まり、保育園が決まってしまうと、更なる不安が生じてきました。働いたら家事はどうなるんだろう、もし変な職場だったらどうしよう、子供が熱を出したらどうしよう、保育園に子供が馴染めなかったらどうしよう。こんなに悩むなら働くことすら間違えているのかとも思うこともありました。

しかし、実際私が働き始めると、夫が家事に協力してくれるようになったり、保育園に行っている子供が生き生きしてきたり、そして何より家庭以外での自分の居場所を見つけることができたことで子育て一色だった世界が、一気に広がりました。

もちろん時間はないので、毎日バタバタですが、次第に慣れてきます。

いつか働きたいと思っている子育て中の方は、初めの一歩を踏み出してみてください。色々な世界が見えてきます。確かに子育てをしながらの求職活動は大変でした。しかし、自分の譲れない条件をしっかり持つことで、きっと希望通りの職場が見つかると思います。