血液センター薬剤師の仕事内容
薬剤師といえば調剤というイメージがあり、薬剤師とはかけ離れているような印象が血液センターにはあるでしょう。でも実は薬剤師がとても活躍している場所。血液センターというのはどのような場所なのか、そこで働く薬剤師たちはどのような仕事をしているのかなどについてお話しいたします。
血液センターでの薬剤師の仕事内容
血液センターでは血液製剤に関する仕事をします。
血液製剤を作る
血液センターでの主な仕事といえば、血液製剤を作ることです。血液製剤をつくり、つくった血液製剤の品質を管理してきっちりとした状態で保存すること。新しい血液製剤の開発をするということもあります。研究職に似ている仕事ですね。
でもこれは実は数ある部署のひとつでしかありません。血しょう製剤や赤血球製剤をつくるこの仕事は、製造関連の部署に配属されたときに行う仕事です。ほとんどの場合、血液センターといっても部署があり、配属先で仕事内容は大きく異なります。
他の部署ではどんな仕事をしているのか
製造関連以外の部署ではどんな仕事をしているのか。例えば品質管理系の部署に配属されたならば、抗体検査や微生物検査という試験を行うことになります。薬剤師としての技術をかなり活かすことのできる部署なので、結構人気ですよ。血液自体の品質管理ですね。
また、品質管理系の部署に入ることになれば血液製剤の製造などに必要になってくる原料の品質管理や、機械のメンテナンスなども任されることがあります。管理薬剤師に近い仕事内容というわけです。
血液センターで働いているのは薬剤師だけではない
血液センターで働いているのは、薬剤師だけではありません。看護師や医師などの医療スタッフと連携をとることによって仕事を行っています。病院のような「入院患者さんとのコミュニケーションを取って、それに合わせた治療を全ての職種の人で行う」というチーム医療ではありません。
ただし、同じチームの一員としてコミュニケーションを行っていく必要があることは変わらないですね。
薬剤師が血液センターで働くやりがいとデメリット
調剤をせずとも薬剤師としてのスキルを活かせることが、大きなやりがい。
やりがいは大きい
血液センターの薬剤師たちは、薬剤師としてのスキルを活かせることをやりがいとしている人が多いようです。血液センターでは調剤薬局のように調剤業務を行うわけではありませんが、血液製剤の製造や血液自体の検査など、製造や試験に関わることが多く、薬剤師としてのスキルを活かすことができます。
「薬をいじりたい」「検査したい」「作りたい」という願望を持っている薬剤師の方も多いかと思いますが、そういった人には血液センターは合っているかもしれません。血液製剤をつくったり血液の検査をするというのは、そういったことを目的として薬剤師になっている人にとっては楽しい仕事でしょう。
魅力のある仕事だと思うことができると思います。
ただ、研究職のような色もかなり強いので、患者さんと関わりたいという人。患者さんの「ありがとう」をやりがいとしている人には、向いていないかもしれませんね。基本的に患者さんと直接関わることもありませんから。自分の働きによって、どこかで誰かが助かっていることを想像するしか、ありません。
デメリット
先ほど述べたように、直接患者さんと関わることができないというのも人によってはデメリットでしょう。血液製剤を作ったり検査をしたりということがあっても、調剤業務が出来ないというのも、デメリットです。
そんなデメリットの中でも、一番のデメリットとなりがちなのが、プレッシャーや、交通の便です。血液センターは「血液」に関する仕事。血液というのは人間にはなくてはならないものです。血液に少しでも異物が混じると、人間は体に大きな不調をきたしてしまいます。
そんな血液の品質を管理したり、採血をしたり血液製剤をつくるというのは、とても大きなプレッシャー。プレッシャーに弱い人にとっては、とても胃が痛いことでしょう。
交通の便に関しては、交通が不便な場所に通勤することもあるので、デメリットとして挙げました。
まとめ
血液センターの仕事は、プレッシャーも強いですが、その分やりがいが大きい仕事。血液という人間の健康の根幹に関わることのできる魅力的な仕事です。