認知症サポーターの資格概要

認知症サポーターは、特定非営利活動法人地域ケア制作ネットワーク全国キャラバンメイト連絡協議会が実施している資格です。認知症サポーターキャラバン事業の養成講座を受講し、修了したことの証明という位置づけになっています。

少子高齢社会であり、今後は超少子高齢社会へと移り変わっていくと考えられている昨今。認知症についての問題がとても重要なものとなってきています。認知症は誰にでも起こり得るもの。そのサポートというのは家族であっても困難です。

認知症の身内を抱える人たちが精神的な病になってしまうというケースも多数あります。さじを投げてしまう人も多い。そんな中で、認知症についての幅広い知識を持ち、適切なサポートを行うことができる人材としての役割が求められます。

認知症サポーターになったからといって、何かをしなければいけないということもありません。あくまでも、認知症のサポートや手助けを行うことができる人材ですよという証明です。各自出来る範囲での活動を出来る時間に行っています。ボランティアとはいきませんが、それと似たような役割です。

認知症サポーターに必要な知識や技術

認知症サポーターに必要とされるのは、認知症についての正しい理解。認知症になるとどうなってしまうのか。認知症の人への上手な対応の仕方などを把握しておいて、実際にそれを実施しなければいけません。

自分自身がそれを実践することも必要ですが、それを認知症や認知症予備軍の人たち、認知症になっていない高齢者、その家族に伝えるということも大切です。物事をうまく伝える力というのも必要となります。

介護の知識があるともっと幅広く実践的な活動を行えるので、介護の知識もあると良いでしょう。必ず必要というわけではありませんが、認知症サポートと介護は切っても切り離せません。身に着けておく方が好ましいです。

認知症サポーターになるには

養成講座について

認知症サポーターは、養成講座を受けることによってなることができます。認知症サポーター要請講座については、各都道府県や市町村の行政が受付を行っているもの。募集要項などは各都道府県によって違います。

各都道府県・市町村の認知症対策窓口または高齢者支援を担当している課に問い合わせてみると良いでしょう。開催は10人以上の参加人数をあつめられなければいけませんが、受講は誰でもできます。受講料も無料です。

講座はとても短いもので、一時間から一時間半。内容は認知症についての基礎知識、認知症の症状(中核症状と周辺症状)。認知症の診断はどのようにして行われるか、治療はどのようにして行えば良いのか。認知症の予防について、認知症の人と接する時の心構えや介護者の理解。認知症サポーターには何が出来るのかといったことです。

養成講座の講師は基本的にボランティア。過去に同じ養成講座・研修を受講して修了した先輩たちが講師として教鞭を振るってくれます。原則として、実際に医療や介護に従事している人たちや、民生委員や行政職員などが行うものです。

薬剤師が認知症サポーターになるなら

認知症サポーターになるのはとても簡単なことですし、薬剤師の人は薬剤師の知識をあまり活かせないと思うかもしれません。「誰でも慣れるなら薬剤師じゃなくても・・・」と思うでしょう。

そこで、薬剤師が認知症サポーターになるのであれば、認知症サポーター養成講座の講師役であるキャラバンメイトになることも視野に入れると良いですね。研修を受ける必要がありますが、対象者は行政職員や介護従事者や医療従事者となっています。

要項に薬剤師というワードは出てきていませんが、「医師 看護師などの医療従事者」には薬剤師も含まれる。仕事として使えるものではありませんが、講師として活動すれば仕事にもつながることがあるかもしれません。

認知症サポーターの活躍の場

冒頭に述べたとおり、認知症サポーターは特別何かをどこかでしなければならないわけではありません。普段の仕事などは薬剤師として、医師として介護福祉士としてそれぞれの職場で行っている人が多いです。

認知症サポーターとしての活躍の場は、普段の日常生活。持っている知識を日常で活かすことが求められています。たとえば、夜道を早足で歩く高齢者を見かけて「あの人はもしかしたら認知症で徘徊症状が出ているのかもしれない」と考え交番に連絡を入れるということ。

そういった普段の生活での何気ない活動を行うのが認知症サポーター。活躍の場は、無限に広がっています。