MRの資格概要

医薬情報担当者(以下MR)というのは、資格制度ではないので認定証がなくても仕事をすることができます。ただ、現在働いているほとんどのMRがMR認定証を持っています。MR認定証はMR認定センターが実施・運用している認定資格。

MRは医薬品の適正使用を普及することを目的としている仕事。よく仕事の役割が営業職であると言われています。営業職という役割を担うことは確かなのですが、自社製品を売っていくというよりはその情報を流して適切な使用をしてもらうようにすることが仕事です。

医薬品情報を扱うスペシャリストとしての働き、役割が与えられます。社会的役割でいえば、患者さんの安心と安全を情報面から担う役割と言えますね。

MRに必要な知識や技術

もちろん、薬学に関する知識や医薬品の成分に関する知識は必要です。それ以上に必要なのがMRとしての知識と技術・経験です。医薬品情報収集に関する技術を身につけ、新しく流れてくる医薬品情報をキャッチし、ありとあらゆる医療従事者や社員に伝えなければいけません。

副作用情報を集めることにもなるので、副作用に関する知識も必要です。どのような副作用が発生したらどのような成分によるものなのかを成分と効果から逆算して考え、原因をつきとめるために副作用情報を広くしらしめます。個人の伝達能力というのも必要な技術です。

MRになるには

受験資格

  • 製薬会社またはMR派遣業にてMR導入教育を受けて修了認定を受けるか、センターの教育研修施設で基礎教育300時間を受講して修了認定を受けること
  • 薬剤師や医師、歯科医師の資格を持っている人に関しては「医薬品情報」「疫病と治療」に関しての導入教育の受講と受験が免除される

受験資格はたったこれだけです。薬剤師の仕事であると言われるMRですが、MR認定試験を受けるために薬剤師の資格が絶対に必要ということはなく、導入教育さえしっかりと受けていれば問題無いです。薬剤師資格などが無駄にならず、受講と受験の免除という方向で役立つのは良いですね。

2012年までは薬剤師資格などによる免除などはありませんでした。これは2012年度から新しくなった認定制度の概要で決められているものです。

試験について

試験は、正誤問題・3択問題・5択問題の3つの形式で出題されるもので、範囲はMR研修のテキストの範囲のみになります。試験科目は「医薬品情報」が80問、「疾病と治療」が110問、「医薬概論」が80問の合計270問。

薬剤師などの資格を持っていればこの中の医薬品情報と疾病と治療に関する試験が免除されるわけです。ということは薬剤師が受けるのは医薬概論の80問だけということですね。それも6年制薬剤師に関しては免除するかどうかという問題があり、2015年10月現在も検討されています。

毎年12月にのみ試験が行われます。試験会場は例年東京と大阪の2箇所。受験料は科目数によって変動し、4科目以上受験する場合は12,600円、3科目以下の受験の場合は10,500円です。

難易度はやや簡単と言えます。平成26年度のMR認定試験は受験者数が5,535名、合格者数が4,118名で74.4%の合格率でした。平成25年度は合格率70.9%、平成24年度は81.3%の合格率になっています。

導入研修を受けてしっかりとそのテキストに関して勉強してから受験すれば、相当運が悪いとかではない限り不合格になることはありません。入社してから真面目に真剣に取り組んだ人であれば一発合格が可能です。

テキストや過去問などを中心にして問題演習というかたちで取り組むのがベター。薬剤師の場合は一科目に集中できるため、より合格率が上がります。薬剤師資格を持っている人で勉強をきっちりした人であればよほどのことが無い限り落ちません。

MRの活躍の場

MRは製薬会社で働くことになります。MRとして活躍できる場所の幅は狭いですが、この認定証を持っていればMRとして転職をすることも容易になりますし、MRは薬剤師からの転職先として給料が良い仕事として知られているので将来性はあると言えるでしょう。