定年後の薬剤師再就職の実情
薬剤師の場合、薬局だと定年の定義すらないところあります。企業だと定年があるのですが、企業と薬局の定年のギャップを利用すると、まだ働くことができそうですね。
中小の薬局なら再就職可能
定年後は薬局で働くことになると考えましょう。製薬会社や病院薬剤師などは定年があります。大手の薬局だと同じように定年を設けているところがあるのですが、中小の薬局なら定年退職の定義がかなり曖昧になってしまっているところが多いのです。
社長との距離がかなり近いというのがその理由として挙げられます。距離が近いが故に「もうちょっと働く?」と提案をしやすく、働いている側も「もうちょっと働きたい」と要望を出しやすくなるのです。それにより、定年を過ぎても働いている薬剤師は多いですね。
正社員としてでもそうですが、パートとしてなら特にそうです。一般企業に勤めている人でも、定年後にアルバイトをしている人は多いですが、それと同じような形で働くことができるということになります。
勉強することは多いけど・・・
企業や病院から調剤薬局に入ると、勉強することは結構多いです。企業なら全く業務が違うわけですし、病院でも共通しているのは調剤業務くらいのもの。同じ調剤でも病院と薬局とではかなり違う場合も多いです。
そのため、再就職してからは勉強・勉強・勉強の連続になるでしょう。定年を過ぎた人にとってそれは辛いことかもしれませんが、ポジティブに考えればそれはメリットです。勉強をすることは脳の活性化にもなるので、ボケを防止することができます。
そう考えると、再就職のメリットは大きいですね。
薬剤師の定年後の再就職実例
実際に定年退職してから再就職した例を簡単に紹介します。
60代男性薬剤師
かつては病院薬剤部長として活躍していた薬剤師でしたが、病院の定年退職制度によって定年退職。でもまだまだ働けるということで、再就職を決意しました。職場は調剤薬局。過去のキャリア的には簡単に再就職できるだろうという感じですが、これが意外と難しいのです。
若い人が多いなか、定年後の人というだけでも大変なのに、さらに過去のキャリアが大きすぎる。うまくなじめないと判断され、面接で落とされることが多かったのです。苦労しましたが、無事再就職。意外とうまく馴染めているようです。
60代女性薬剤師
製薬会社で働いていたのですが、定年退職。定年退職後再就職するつもりはなかったのですが、子供はこれから大学生になるというときでした。お金が必要ということで再就職を決意。再就職先は調剤薬局です。
難しかった理由は、現在勤めている人との年齢のギャップ。若い人が多い職場にいきなり定年後の人間を放り込むことによってすでに形成されている人間の和を乱すことになると判断され、再就職は困難でした。
無事再就職後は、馴染めているかどうかは疑問ですが、少なくとも和は乱れていないようです。
定年後の再就職で注意すべきこと
再就職が可能なことはわかったかと思いますが、注意すべきことはあります。
定年前の給料は捨てる
再就職をするのであれば、定年前の給料は忘れましょう。だいたい定年時の平均年収は700万円を超えていると言われています。薬局で年収700万円と言えばかなり高いです。定年後の人材を雇うよりも若い人材を雇いたいのが本音のところを雇ってもらうわけですから、高い給料を要求するとなかなか再就職できません。
定年前の給料は捨てて、新卒で薬局に入る場合の給料を目安にしておくと再就職しやすいです。
謙虚に誠実に
定年後の薬剤師は自信に満ちている人が多いです。定年まで勤め上げるということは、自信に繋がります。誇りに思って良いことだと言えるでしょう。でも、それを感じ取れるような態度をとるのは絶対にだめです。
謙虚で誠実な対応を心がけましょう。要するに「フレッシュな心で面接を受ける」ということですね。
協調性をアピール
定年まで勤め上げたということで、自分のキャリアをアピールしたくなりますし、アピールしてしまいがちです。しかし、定年後の薬剤師に本当に必要なのは協調性です。実例紹介でも「年齢のギャップに苦しんだ」というような声がありました。
若い人とも協調性をもって協力して働くことができることをアピールするほうが効果的です。