薬剤師業界は時間外手当が貰えないことが多い

薬剤師業界、サービス残業が問題に

「サービス残業が多い」というのは、今時どこの業界でも耳にすることのある愚痴ですが、薬剤師業界でもよく耳にします。口コミサイトなんかを見てみても、残業代が出ない・サービス残業が多いと嘆いている人が多いです。

一時、内部告発されて「薬剤師のサービス残業問題」がメディアで取り上げられていました。あれから長い年月が経っていますが、いまだに残業代が出ないということが基本になっており、時間外に働いたのにただ働きということが少なくはありません。

特に企業薬剤師はその傾向が強いですね。残業代が支払われる職場はほとんどが薬局となっています。ただ、薬局の全体数から見るととても少ないです。

企業でも薬局でもそうですが、特に新人薬剤師はサービス残業が当たり前になってしまっています。「新人薬剤師は研修中だから残業手当が出ないよ」と言われることが多いのです。抗議したとしても、「そりゃあ、仕事が一人前にこなせないんだから、当たり前、勉強だと思え」とのこと。半年間は残業代がつかないことがあることも多いです。

門前薬局は選ばないが吉

時間外手当がつかないところと言えば、門前薬局です。ただ、門前薬局は残業になることも多いと言えます。門前薬局は隣接している病院・クリニックの患者さんが全員はけなければ店を閉めることができません。

そのため、診療が長引いたりすると残業をしなければならないということになるのです。特に週始めや週末、月初や月末には残業をしなければならないことが多くなります。それなのに、残業代はつきません。常にあることでは無いにしても、単純計算で週に2日間は残業になるというのに残業代はつかないのです。

時間外手当(残業手当)の傾向

管理薬剤師は特に貰えない

時間外手当が貰えないといえば、管理薬剤師ですね。管理薬剤師は残業をすることが多くなります。管理薬剤師は、置いてある薬の状態管理や従業員の出勤管理などがあり、その上で通常業務も行います。通常業務が忙しいと管理業務が業務時間中にできないことがあるのです。

むしろ、そういった場合がほとんどです。残業が当たり前になりすぎて残業手当が支払われないということになっています。また、管理者には手当てを払わなくてもいいと思っている人も多いようです。労働基準法では「管理監督者」は「就業時間などの制限を受けない」としています。

ただ、管理薬剤師は権限的に「管理監督者」と認められないことがほとんどです。店長と管理薬剤師が同じになっているという場合でなければ、管理監督者として認められません。それほどの権限が無いですからね。

つまり、「管理薬剤師でも残業手当は支払われなければならない」のです。ただ、現状的にそういったところが少なくなっています。もしも職場に抗議するのであれば、労働基準法を引き合いに出してみると良いかもしれませんね。

残業なし・ほぼなしのところのほうが多い

時間外手当を支払うところよりも、「残業無し」または「残業がほとんど無い」ところのほうが多いです。調剤薬局には特にそういったところが多くなっています。管理薬剤師でもない限りは、残業時間が短いということですね。

そのため、残業手当が支払われるかどうかということよりも、残業時間が短いかどうかを基準にして求人を探すほうがいいかもしれません。残業手当が支払われるかどうかを基準にすると、地域によっては「求人数0」ということにもなりかねないので、現実的ではないのです。

サービス残業は嫌だと感じるのであれば、残業時間短めをアピールしている求人を探すことに意識を向けてみると良いかもしれません。

まとめ

現在、薬剤師業界はサービス残業が基本となっています。メディアで取り沙汰されても変わらないというのは、どこの業界でも同じですね。日本という国全体が「サービス残業」に悩まされてると言っても過言ではありません。

残業手当を支給するところを重視して求人を探すと、地域によっては全く見つからないということもあります。残業無し・残業ほぼ無しというところのほうが多いので、残業時間が短いところを条件にして求人を探すということが大切です。

また、管理薬剤師は残業手当が支払われなくても良いわけではありません。職場に残業手当の制度があるのに、管理薬剤師だからと支払われていない人は抗議してみてもいいかもしれませんね。