職能手当って?

職能手当とは

薬剤師業界以外にも共通した職能手当ての定義というのは、従業員個々人について評価し、その評価にしたがって賃金をプラスするという手当です。あらかじめランク・クラスのようなものを定めておき、個々人をそれに当てはめます。

このランクの従業員にはこれだけ、このランクの従業員には・・・という風に、ランクによって賃金を決定するのです。職能給とも呼ばれていますね。職能手当については、かなり一般的な制度なのですが、職能手当を支給するところは最近少なくなっています。

これは、どんな業界にも当てはまることです。

個々人の能力は直接評価することは難しいものであるため、職能手当が少ないです。また、本来の「職能に準じた賃金決定」とは違い、「年功序列」的な制度になっているところも多くあります。そのため、問題視されている制度なのです。

薬剤師における職能手当

薬剤師における職能手当に関してですが、「職能給」の考え方とは少し違います。職能手当と職能給ですが、ここからは敢えて区別して述べますね。職能給の考え方というのは、賃金そのものを決定する方式です。

「職能手当」というのは、基本給に少しだけ上乗せされるもの。職能給は「給料そのものを決定してしまうもの」と考えるとわかりやすいでしょう。

薬剤師の職能手当ですが、本来の役割とは少し違った支給のされ方をされていることが多々あります。薬剤師手当を含んだ年収が、経験年数によって差がつかないような場合、職能手当で差額をつけるという使われ方をされているのです。

これは「職能」というよりは「年功序列」に近い考え方ですね。実際の職能でなく、経験年数によって評価し、年収をアップしているということになります。多くの事業所でこのような使われ方をしているため、薬剤師にとって「職能手当」というのは、あまり一般的ではないかもしれませんね。

もちろん、中にはもともとの意味にあるような「個人の能力を評価して給料に上乗せする」という職能手当の考え方をしているところもあります。

職能手当の傾向

職能手当が貰えるところは少ない

薬剤師業界で、職能手当が貰えるところというのは、実はかなり少ないです。ためしに、薬キャリで2016年1月時点で職能手当が支給されると公表している公開求人について調べてみました。そうすると、77件しか見つからなかったのです。

意外と少ないですね。もちろん、この検索というのは必ずしも正確なものではありません。採用条件に「職能手当」と書いている公開求人のみを検索しています。書いておらず職能手当を支給するところもあるでしょう。

ただ、それにしても数が少ないですね。

病院かOTC販売が多い

薬剤師業界で職能手当を支給しているところは、調剤薬局・病院またはOTC販売のドラッグストアがほとんどです。調剤室併設のドラッグストアは、職能手当がつくところがほとんどありませんでした。職能手当の考え方をするところで求人を探したいという人は、調剤薬局や病院またはOTC販売で探しましょう。

大阪には貰えるところが比較的多い

職能手当を支給している求人は、東京よりも大阪のほうが多いです。東京と比べてもそうですが、全国的に見ても大阪が多くなっています。77件中16件が大阪で、そのほかの地域に関しては少数で求人が散らばっているという状況です。

また、大阪府内で職能手当を支給する求人は高年収求人であることが多くなっています。

まとめ

薬剤師の職能手当については、貰えるというところが少ないので、職能手当については期待しない方が良いでしょう。職能手当が支給されるようなところで働いてみたいというのであれば、調剤薬局や病院またはOTC販売の職種で探すことになります。

ただし、住んでいる地域によっては職能手当を支給するとしている求人が見つからないということも大いに考えられるので注意しましょう。

職能手当は高額年収求人が多いですが、それは個人の職能によるものです。職能手当が支給されるとしているところは、経験年数によってあがる給料が少ないことが多く、職能によって年収がアップします。そのため、努力しなければ平均程度または平均以下の年収になってしまうことにも注意しておく必要がありますね。