地域手当とは

地域手当ってどんな手当?

地域手当というのは、事業所が複数ある企業で支払われている手当です。地域によって、生活水準というのは異なります。家賃が高かったり、低かったり。物価が高かったり、安かったりと地域によって生活に必要な金額が変わるのです。

そういった金額の変動を調整するために支払われるのが地域手当ということですね。勤務地手当や調整手当、都市手当などと呼ばれることもあります。薬剤師業界では地域手当と呼ばれることがほとんどですが、調整手当という名前で呼んでいるところも多いです。

相場と国家公務員の例

薬剤師業界だけでなく、全体的な相場について述べます。全体的な地域手当の相場は1万5千円から3万円程度です。ただ、薬剤師業界と違い、ほとんどの企業は事業所がそこまで多いわけではありません。地域手当が支給されることが少ないのですが、その中での相場になります。

地域手当と言えば、公務員を思い浮かべる人も多いでしょう。国家公務員の地域手当については割合で決められています。例えば、東京都の特別区と呼ばれるところでは、支給割合が18%となっていますが、同じく東京都の立川市では12%となっているのです。

このように、地域によって大きく違っていますね。支給されない地域もあります。

薬剤師における地域手当

転勤ありの薬局に多い

薬剤師における地域手当ですが、転勤ありを基本的な採用条件としている薬局に多いです。エリア採用などの場合には支給されないことがあります。転勤がある場合には、地域によって地域手当が支払われるということです。

この金額は運営母体となっている企業によっても異なりますし、地域によっても異なります。相場については後に述べますが、基本的には他の企業よりも高いです。薬局における地域手当も、待遇の良さで応募者を増やすための取り組みの一環になっています。

ただ、薬剤師業界は複数事業所(店舗)を持っている企業が多いですが、地域手当を支給するというところは多くはありません。どの地域でも一定数見つかりますが、中途採用の公開求人で見ると少なくなります。

新卒採用で「エリア採用」ではなく「全国採用」を選んだ場合には地域手当が支給されることが多いです。中途採用は「そのエリアでの採用」であることが多いので、求人の基本給に地域手当が含まれているということもあります。

地域手当という概念自体が薄いわけです。

薬剤師の地域手当、相場

薬剤師の地域手当は、1万円から10万円までとなっており、幅が広いです。調剤薬局チェーンの大手である日本調剤では、「最大8万円」としています。基本的にどの企業でも、他の業界より地域手当が高めに支給されるところが多いです。

ただし、10万円までとしているところもありますが、地域によっては1万円ということもあります。地域によっては他の業界の企業よりも地域手当の相場が低くなることがあるので注意しましょう。

薬剤師不足が著しい地域に多い

薬剤師の地域手当が比較的高いのは、薬剤師不足が著しい地域であることが多いです。「物価が高いとか、家賃が高いとかじゃないの?」と思うかもしれませんが、違います。地域手当はそういったものの穴埋めをするための手当ですが、薬剤師業界では「そのエリアに人をつかせるため」の手当という意味合いが強いです。

薬剤師不足が著しい地域にはいきたくないと考えている人が多いようです。生活水準のこともありますが、生活水準に関係なく薬剤師不足のところもあります。同業者が少ないところよりも、同業者が多いところで働きたいという人が多いでしょう。

そのため、薬剤師不足が著しい地域というのは、ただでさえ人が少ないのにも関わらず、新しく人が来ないということになります。負の連鎖ですね。そういったところに店舗を伸ばしているところは、そこに薬剤師を送るために高い地域手当を設定しています。

「地域手当高くしてあげるから、行ってきてくれないかなあ」と交渉材料にしているわけですね。

まとめ

薬剤師業界における地域手当の役割は、生活水準の違いによる実質的な給料の違いを調整するためだけでなく、薬剤師不足が著しい地域へ派遣する際の交渉材料としても使われています。そのため、地域手当の相場が他の業界よりも高くなっているのです。

ただし、中途採用の公開求人で探すと「その店舗で働くことが前提」なので地域手当が支給されないことが多い傾向があります。転勤になった際には支給されるというところもあるので、求人をよく見ておくことが大切です。