漢方アドバイザーの資格概要
漢方アドバイザーは日本チェーンドラッグストア協会が認定している資格。
近年、漢方への関心・理解というのは高まりつつあります。漢方を料理に取り入れようとする人も増えていますし、薬膳料理のお店なんかも多いですよね。漢方について広く認知されるようになってきている現在において、漢方について正しく深い知識を持つ専門家を育成することを目的として作られた資格です。
認知されているからこそ、正しい知識を普及していかなければいけません。漢方アドバイザーは漢方について正しい知識を普及するという役割。一般生活者が正しく漢方を利用できるように、漢方の知識などを分け与え、適切に漢方に親しんでもらえるようにするのが漢方アドバイザーとしての仕事です。
漢方という分野を扱うことから、薬剤師がプラスアルファで取得する資格としての位置づけもあります。
漢方アドバイザーに必要な知識や技術
漢方アドバイザーに必要になるのは漢方の基本的な思想と考え方。漢方の知識や調合方法などです。漢方というのは漢方薬だけに関しての知識を持っているだけでは駄目な分野。漢方薬の知識以外にもさまざまなものが必要になります。
気血水、陰陽、五行、病院学説などなど漢方診断を行うためにはそういった知識が必要です。中国古来から伝わる考え方が必要ということになります。そういった考え方を理解していなければ漢方診断を行うことができません。
一般的なコミュニケーション能力も大切ですが、それよりもそういう思想に基づいたコミュニケーション能力が大切です。適切に漢方診断を行い、適切な漢方薬を見つける。それに関して説明したり、他の漢方と合わせるとどのようなものが出来るか。飲む方法などをアドバイスする力も必要なので、さまざまな知識と能力が必要とされます。
漢方アドバイザーになるには
養成講座について
漢方アドバイザーになるには認定試験を受け、それに合格する必要がありますが、その前に養成講座を受けなければいけません。養成講座は漢方についての基礎知識から深い知識、先ほど紹介した思想についての知識を養うためのものです。
養成講座の期間は10ヶ月で、毎月の終わりに添削問題というものを行います。簡単に言えば「今月学んだことをどれだけ理解できているか」確認するための小テストのようなものです。10回の添削問題があり、それに取り組み合格することを月の目標とするわけですね。
テキストは基本的に5冊ですが別冊もあります。だいたい1,650ページくらいになるのでそこそこの量ですね。それを10ヶ月かけてゆっくりと勉強していくわけです。大体月に165ページ進むことになります。
養成講座はテキストだけでなくDVDによる学習も行っており、テキストと合わせてDVDを見ることによってよりわかりやすい学習をすることができるようになっています。DVDは全部で1巻。
テキストの内容について簡単に紹介します。
- 第1巻「漢方に関する基礎知識」
- 第2巻「漢方に関する基礎知識」
- 第3巻「漢方に関する実践知識」
- 第4巻「漢方に関する実践知識」
- 第5巻「漢方に関する実践知識」
- 別冊「日本常用漢方処方類の方剤学図解」
中医薬学小史と中医薬学の基礎知識を学びます。
中医診断学概要と中薬の基本知識(上)
中薬の基礎知識(下)と常用中薬
常用方剤
食物の医療・保険作用についてと病気と中医弁証治療
試験について
試験は、養成講座の課程を全て修了した人に限定して行われるものです。養成講座の課程を全て修了したとみなされるには、毎月行われる添削問題全てにおいて合格基準点を満たしていること。一見厳しいように見えますが、毎月の学習内容についてきっちりと理解してさえいれば難しいということはありません。
試験に合格すると漢方アドバイザーの認定を受けることができます。申し込みはヘルス・アンド・ビューティケア人材育成センターのホームページから簡単に行うことができるので、まずは申し込んで講座を受け試験を受けましょう。
漢方アドバイザーの活躍の場
漢方アドバイザーが活躍できる場所は、主に漢方薬局です。漢方を扱う場所であればどこでも活躍できますが、現在漢方薬局くらしいかありません。この資格に頼って生きることは困難かもしれませんが、漢方は今後も需要が増すと考えられます。薬剤師はプラスアルファでとっておいても良いかもしれません。