製造責任技術者の資格概要
医薬品や医薬部外品、化粧品・医療機器製造業を行っているところには、必ずそれぞれ製造責任技術者を置かなければいけません。薬事法第17条で決められている義務です。
それぞれ製造技術責任者となるのには資格が必要。この資格を持っていれば無条件で条件を満たしているというものもありますし、講習会を受けるものさまざま。
製造責任技術者は、その事業所内における管理者としての役割を任されます。それぞれの企業で作られている製品が、きっちりとした工程で行われているか。医薬品や化粧品であれば成分は適切かどうかなどを管理し、見張る仕事です。
製造部門の実質的な責任者であり管理者としての立場になるので、その責任はとても重大。大切な役割を担っているというわけです。
製造責任技術者に必要な知識や技術
薬事法に関して、正しい知識を持っていなければこの仕事は勤まりません。管理の判断基準は薬事法に基づくものが多いので、薬事法を熟知していていつでもその知識を取り出せるようにしておく必要があります。
他に必要な知識は、薬剤師なら当然持っているはずの薬剤に関する知識。さらには医薬品・医薬部外品・医療機器・化粧品それぞれに対する専門的な知識を持っていることも必要です。自分が医薬品の製造業責任技術者になるのであれば、医薬品情報を把握しておくことや、医薬品の成分について熟知していなければなりません。
化粧品であれば化粧品の成分にはどのようなものがあるのか、どのような成分が危険でどのような成分が安全なのか。どのような工程で作られ、出荷されなければいけないのかなどの知識ですね。それぞれ専門分野特有の知識を有している必要があるというわけです。
医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の製造責任技術者になるには
医薬品製造責任技術者
- 薬剤師
- 生薬の粉末や刻み加工を行う製造業者
- 医療用ガスを扱っている製造販売業者
イ:生薬の製造や販売業務で、品種鑑別などの業務を5年以上行った者
ロ:厚生労働大臣によって、それと同等の知識経験を持っていると認められた者
イ:中学校や高等学校で、薬学や化学に関する科目を履修し、医療用ガスの製造に関する業務を3年以上行った者
ロ:厚生労働大臣がそれと同等以上の知識経験を持っていると認めた者
以上のいずれかを満たしていれば、医薬品製造責任技術者になることができます。
医薬部外品製造責任技術者
- 薬剤師
- 大学で薬学や化学に関しての専門課程を修了した者
- 中学や高校で薬学や化学などの専門課程を修了し、医薬品や医薬部外品の品質管理や製造販売後安全管理に関係する仕事を3年以上行った者
- 厚生労働大臣がそれらと同等以上の知識経験を持っていると認めた者
化粧品製造責任技術者
- 薬剤師
- 中学や高校で薬学や化学に関する専門課程を修了した者
- 中学校やこうこうなどで、薬学や化学に関する科目を修得し、医薬部外品や化粧品の品質管理・製造販売後安全管理などの業務を3年以上行った者
- 厚生労働大臣がそれらと同等以上の知識経験があると認めた者
医療機器製造責任技術者
- 大学で物理学・化学・金属学・電気学・薬学・医学・歯学の専門課程を修了した者
- 中学や高校で上記に関する専門課程を修了し、医療機器製造業務に3年以上関わった者
- 厚生労働大臣がそれらと同等以上の知識経験を持っていると認める者
一般医療機器のみを製造する製造所の場合
- 中学や高校で物理学から歯学・・・上記の専門課程を終了した者
- 中学や高校で上記専門課程を修了し、その後医療機器製造に3年以上関わった者
- 厚生労働大臣によって以上と同等以上の知識経験を持っていると認められた者
つまりは、いずれの場合も薬剤師であればそれだけで資格を満たしていると考えられるというわけです。特別講習会などに参加する必要もなければ、実務経験などを満たす必要もないのでハードルは低いですね。
ただし、就職したからといって実際に責任技術者になるかどうかは職場の上の人が判断すること。実際に仕事ができるかどうかは、運の要素が強いです。
製造責任技術者の活躍の場
活躍の場は、それぞれの製造業者やその工場。それぞれ就職をして働き、経験年数に応じて責任技術者に任命されるというのが一般的なようです。給料もアップし、待遇も良くなるので将来性がアップしますね。