神奈川県の企業薬剤師は、全体的に求人数が多いです。2016年5月時点で、マイナビ薬剤師にて神奈川県における様々な企業薬剤師の公開求人を探してみたところ、横浜市を中心に全部で38件でした。

薬キャリは企業求人が少ないのですが、それでも10件あり、リクナビ薬剤師も同じく企業求人が少ない中で7件もあったのです。特にリクナビ薬剤師は全国でも74件中の7件ですから、とても多いことがわかりますね。

神奈川県で募集されている企業薬剤師の求人は、数が多いだけでなく、その種類も豊富です。東京が近いということもあってか、東京に本社を置く製薬会社やメーカーの工場なども神奈川には多く作られています。その関係上か、製薬会社の求人もメーカーの求人も多いです。

ただ、年収などはそれぞれの業種・職種ごとに大きく異なる場合がありますから、各職種ごとに求人傾向を見てみましょう。

神奈川県の製薬会社・薬剤師求人

製薬会社の求人状況

神奈川県で募集されている製薬会社の求人は、管理薬剤師またはそれに準ずる役割が与えられているものが多いです。それに準ずる役割というのは、品質管理や品質保証ですね。MRの求人もあるにはあるのですが、未経験採用があまり無いことや、新卒採用が基本となっているというMR全体傾向もあり、埋もれ気味になっています。

管理薬剤師や品質管理・品質保証の求人が多いというのは、神奈川県が東京の近場にある地方都市・ベッドタウンのような役割を果たしているからではないでしょうか。東京に比べて広く安い土地もありますから、工場などを作るのにも適しています。本社から近ければ近いほど、安心もできますからね。その関係上でしょう。

管理薬剤師の求人は未経験者の応募を可能としている求人が多いのですが、品質管理や品質保証に関しては経験者の募集が盛んです。もちろん、中には見経験者の募集もありますから、探してみてください。

それぞれの職種の求人内容の傾向について

まず管理薬剤師について見てみましょう。管理薬剤師ということで、年収が高そうなイメージがあるのではないでしょうか。ただ、実際に求人内容を見てみると、年収が特別高いということはないようです。大方の求人が400万円から500万円程度で募集されており、中には350万円程度からスタートするというようなものもあります。

一方品質管理や品質保証の求人を見ていると、600万円以上の年収に設定しているような、いわゆる高年収求人が多いです。もちろん、500万円程度に設定されているものもありますが、年収が高い傾向があるのは経験者採用が多いからだと考えられます。その点、良し悪しがあるでしょう。

福利厚生についてはどちらも似たようなものです。各種社会保険完備、退職金制度に社員持株制度、年末年始休暇・夏季休暇・GW休暇に特別休暇などなど・・・。調剤薬局に比べれば充実していますが、企業としては一般的と言えるでしょう。

MRはというと、経験者採用が多いということもあり、年収は500万円以上と高めに設定されているものが多いです。ただし、残業時間が長く、残業代や営業日当などを加えて年収が高くなっているということなので、一長一短ありますね。

神奈川県の各種メーカー・薬剤師求人

様々なところで管理者が募集されている

神奈川県は薬剤師向け求人が出されているメーカーの種類が多いです。仕事内容は、品質管理・管理薬剤師・DI・薬事業務など管理側の仕事ばかりで統一感がありますが、メーカーの種類に統一感がありません。たとえば大手フィルムメーカーの求人であったり、化学薬品メーカーや化学製品メーカーであったり、医薬品の原料製造メーカー、外資系の精密機器メーカーなどがあるのです。

メーカーの全体的な求人数自体、他の都道府県に比べて多い傾向があります。上に並べたようなメーカー以外にも、メーカーの薬剤師募集があると考えられるため、くまなく探す必要があるでしょう。似たようなメーカーの求人も多いですから、メーカーの種類で絞って探すということも可能になります。

また、メーカーの求人は未経験応募可能なものも比較的多く、チャレンジするチャンスが大きいです。

メーカーの求人内容の傾向

メーカーは全体的に年収が高く設定されています。相場は500万円から550万円程度ですが、600万円以上ひいては900万円という高い年収を設定している求人もあるのです。もちろん求人票の記載なので鵜呑みにはできませんが、設定が低いところよりも設定が高いところのほうが実際の年収も高いので、参考にはなります。

神奈川県の企業薬剤師の中で、最も高い年収を期待できるのは、おそらくメーカーではないでしょうか。MRも800万円程度は可能なところがありますが、門戸が狭いという欠点があります。メーカーは門戸が広く開け放たれているのにも関わらず、スタート年収から高い傾向があるので、高年収のチャンスが大きいのです。年収を重視するなら、間違いなくメーカーの求人をおすすめできます。

福利厚生については会社によって差が激しいので注意してください。会社によってはほとんど何の福利厚生も記載されていないこともありますし、違う会社を見てみればさまざまな福利厚生を設定しているところもあるのです。

福利厚生を設定しているところだと、寮や社宅・通勤手当に家族手当・住宅手当、各種長期休暇などを設定しているところが多い傾向があります。

多くはないが、開発の仕事もある

管理側の仕事が募集されていることがほとんどですが、中には開発の仕事もあります。開発関係の仕事は、年収の相場が500万円程度で600万円以上は厳しいです。福利厚生についてもあまり多くの設定がありません。あったとしても、管理薬剤師求人と同程度となっています。開発の仕事がしたいという強い思いでも無い限りは、あまりおすすめできるような求人では無いでしょう。

神奈川県の臨床開発・薬剤師求人

臨床開発の求人状況

神奈川県では、臨床開発モニター(CRA)・治験コーディネーター(CRC)の両方とも、求人が多いです。求人が多いだけでなく、求人数が応募者数よりも多いため、臨床開発系の仕事に転職するチャンスが大きいと言えます。未経験者の採用についてなのですが、経験者採用が多いことは確かですが、他の都道府県と比べれば未経験可能な求人も見られるといった状況です。

神奈川県に事務所を構えるSMOも他の都道府県より多くなっています。主には、株式会社EP綜合、サイトサポート・インスティテュート株式会社、薬樹SMO株式会社などです。他にもセーマ株式会社や株式会社医療システム研究所などがあります。

求人内容の傾向について、簡単に

臨床開発モニター・治験コーディネーター共に、年収は350万円から450万円程度が相場となっています。あまり高いとは言えませんが、それは臨床開発系の仕事全般に言えることです。神奈川県が特別低いわけではなく、全国的にその傾向があります。

また、裁量労働制やフレックスタイムのいずれかを導入している会社の求人が多いです。どちらが良いかというのは一概には言えないので、各々の好みで選びましょう。残業は、CRA・CRC両方とも、月に20時間程度はあると考えておくのが無難ですね。

福利厚生については、基本的なものに加え、各種保養施設の利用などの福利厚生を設定しているところが多い傾向があります。他にも財形貯蓄や、福利厚生クラブ会員などさまざまなものがあり、年収よりも福利厚生重視の人におすすめできると言えるでしょう。

神奈川県のその他企業薬剤師求人

その他企業薬剤師求人については、数が多いものではないため、簡単に紹介します。2016年5月現在求人を探した中で、特に目を引いたのが専門学校講師の募集でした。マイナビ薬剤師にあった求人で、しっかり、薬剤師を募集している求人です。その専門学校というのが、横浜理容美容専門学校。そこで、保健・化学・衛生管理の科目について教えて欲しいとのことです。

月収は26万円からスタート、学校法人ということで福利厚生は壊滅的となっています。

他には、物流センターや医薬品卸など倉庫内の管理薬剤師求人も多いです。それらは年収350万円から450万円に設定されているものが多く、福利厚生については専門学校講師と同様最低限度のものしかありません。

まとめ

神奈川県は企業薬剤師求人の数自体が多く、種類も多いです。未経験者が応募できる求人も多く見られ、選択肢が広くなっています。だからこそ、しっかりと自分の希望条件などを定めて、それを少しでも多く満たせるような求人を慎重に探す必要があるでしょう。